シンザン記念
レース回顧

アドマイヤオーラは好位から一旦下げて道中はダイワスカーレットをマークする形。直線に向くと外から一気に伸びてダイワスカーレットを差し切りレースを制した。上がり3Fはメンバー最速の33.3秒。凄い切れ味だった。手前を替えてもうひと伸びしたところを評価したい。これで3戦とも上がり3Fは33秒台。広い京都外回りに替わって中京2歳Sで負けたダイワスカーレットを逆転した。ただし今回は実質スローの上がり勝負でこの馬に向いた感もある。母は最優秀2歳牝馬のビワハイジで半兄に菊花賞2着のアドマイヤジャパン。父アグネスタキオンで兄とは全く違うタイプで切れ味がある。440キロ台の小柄な馬だが、ディープインパクト、ドリームジャーニーなど、最近は小柄な馬が切れる脚を使うのがトレンド。小柄な馬の軽快さが、今の日本の馬場にマッチするのだろう。昨年最強メンバーでクラシックを勝てなかった松田博厩舎。今年はこの馬でクラシックを目指す。

ダイワスカーレットは3番手から伸びてきたが、最後はアドマイヤオーラに外から一気に交わされて2着。直線で内でもたれるロスがあったところに外からアドマイヤオーラ来られて追いにくい面があったし、結果的にスローの切れ味勝負になったことで切れ負けした印象。いい脚を長く使える馬で早い上がりにも対応できるので、アンカツがもっと早くスパートして余裕を持って直線に向いていれば結果は違ったのではないか。ただ2着を確保して賞金を加算できたので今後のローテーションは楽になるし、前2走より控えて差す競馬もできた。負けはしたが、その点で収穫はあった。馬体の作りは牡馬と比べても見劣らないし、力強い走りで能力を感じさせる。松田国厩舎にはフサイチホウオーがいるが、皐月賞、ダービーに出走しても面白そうだ。

ローレルゲレイロは内々の中団を進み、直線で外に出して伸びてきたが3着が精一杯。内で馬群に包まれて仕掛けが遅れたのが響いた印象。2着に2馬身半差をつけられたが、まともならもう少し差は詰まったはずだ。今回は勝ち馬より1キロ重い57キロを背負っていた。これまでそれほど切れる脚を使ったことがない馬が、上がり3Fメンバー2位タイの33.7秒で上がったことは評価できる。折り合って切れる脚を使ったことで距離が延びてもやれそう。これまで6戦して[1-3-2-0]で複勝率100%。今後も相手なりに堅実に走りそうだ。

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