日経賞
レース展望

天皇賞(春)のステップレース。過去10年で1番人気は[4-2-1-3]で6連対。G1馬は[1-0-0-2]に対し、G1勝ちのない馬は[3-2-1-1]と堅実。なお今年のメンバーでG1馬はフサイチパンドラのみ。2番人気は[1-3-2-4]で4連対、3番人気は[0-2-1-7]で2連対。連対馬20頭のうち15頭が5番人気以内。最近6年では12頭のうち11頭が5番人気以内で人気馬同士で決着する傾向が強い。馬連は10倍以下が4回、10倍台が2回と堅く収まることが多い。連対馬20頭のうち12頭に中山芝2000M以上の重賞で連対があった。特に中山芝2200m以上の重賞で実績のある馬に注意したい。

マツリダゴッホはAJCCを5馬身差で圧勝。オープン入りした直後だったが、速い流れを自分から動いて後続を突き放したのだから強い。昨年春は馬体が薄く映ったが、ここにきて体重が増えて充実してきている。今回はAJCCと同じ別定G2でもメンバーがさらに強くなり、距離300m延長、斤量1キロ増の57キロと課題は多いが、今の充実ぶりなら連勝があっても何ら驚けない。折り合いは徐々に解消されているが、距離延長で流れが遅くなったときに折り合えるかどうかの不安はまだ残っている。鞍上は[3-1-0-0]と相性のいい横山典騎手。先週はスプリングSを制した。

ネヴァブションは迎春Sを5馬身差で圧勝してオープン入り。続く白富士Sは後方から上がり3Fメンバー2位の34.6秒で馬群を割って突き抜けた。勝ちタイムは1分58秒3。これまでズブく差して届かなかった馬が高速決着に対応して突き抜けたのだから凄い。迎春Sの勝ちタイム2分32秒6は有馬記念5着に相当。緩急のあるラップでかなりの底力が問われたが、そこでの圧勝はダテではなかった。中山芝2500mは2戦2勝の得意コース。菊花賞は直線で狭いところに入り追い出しが遅れて10着に敗れたが、母の父ミルリーフで長距離適性はある。ここを勝つようだと天皇賞(春)が面白くなる。

トウショウナイトはAR共和国杯でアイポッパーを負かして重賞制覇。前走の京都記念は得意コースで渋った馬場と条件が揃っていたがアドマイヤムーンとポップロックに差されて3着。相手が強過ぎた。中山芝2500mは[2-1-0-2]で一昨年の日経賞で2着がある。斤量58キロは有利ではないが、地力はここでも通用する。雨で馬場が渋ると有利になる。インテレットはAJCC2着。出遅れて最後方を進んだが、大外からメンバー最速の34.6秒で追い込んできた。荒れ馬場で上がりの掛かる展開が良かったのだろう。叩き良化タイプで2戦目の上積みは見込める。出遅れと前走より軽い馬場が鍵になる。

エリザベス女王杯を繰り上がりで勝ったフサイチパンドラ、ダイヤモンドSで2着に激走したエリモエクスパイア、日経新春杯を勝ったトウカイワイルド、サンシャンSを2分32秒0の好タイムで勝ったアドマイヤタイトルあたりが人気面で続きそう。フサイチパンドラはジャパンCではメイショウサムソンに先着して5着に入ったように牡馬相手でも通用する下地はある。叩き2戦目で上積みがあり、レースでまじめに走って能力を出し切れれば。セントライト記念で落馬したマツリダゴッホとネヴァブションがその後中山で5馬身差の圧勝して今回対決という巡り合わせが面白い。2頭とも相馬眼的に評価できるレベルにある。

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