高松宮記念
レース展望

春のスプリント王決定戦。過去10年の1番人気は[1-2-1-6]で3連対。前年のスプリンターズSで好走した馬が1番人気で不振に終わることが多い。2番人気は[2-3-1-4]で5連対、3番人気は[2-2-1-5]で4連対。最近5年の連対馬10頭のうち9頭は4番人気以内で人気馬が結果を出す傾向。馬連は10倍以下は2回のみ。30倍前後の中穴決着が多い。最近4年の連対馬8頭のうち6頭が阪急杯組。昨年距離が1400Mに変更されたが、3着のオレハマッテルゼが高松宮記念を制している。過去10年の連対馬の騎手は全てリーディング上位騎手。小回りコースで行われる多頭数の激戦。騎手の腕も加味したい。

デュランダルなどのスプリントG1馬が引退してからスプリント戦線は混沌としており、昨年以降スプリント重賞を2勝したのはシーイズトウショウのみ。昨年の高松宮記念は芝1200m未経験のオレハマッテルゼとラインクラフトで決着。スプリンターズSは一昨年のサイレントウィットネスに続き、外国馬テイクオーバーターゲットが制した。今年の出走メンバー18頭のうち10頭が6歳以上の高齢馬。芝1200m未経験馬が4頭、ダート実績しかなく芝で勝ち星のない馬が2頭いる。今年のメンバーならぶつけてみる価値があるとみている陣営が多い。上位と下位の馬では実力差がありそうだが、馬場、枠順などの条件次第で侮れない面もある。

プリサイスマシーンはスワンS1着、阪神カップ2着、阪急杯1着と短距離路線で結果を出してきた。今年8歳になったが、全く陰りは見られない。むしろここにきて競馬が上手くなり、馬体も充実してきた感さえある。芝1200mは[0-0-0-2]だが、昨年の高松宮記念で0.3秒差の4着がある(3着シーイズトウショウとは頭差)。昨年は休み明けだったのに対し、今年は阪神カップ勝ち叩き2戦目と昨年よりステップはいい。鞍上は3戦連続騎乗となるアンカツ。馬との相性は良く[1-2-0-0]で連対率100%。これまでG1では5、4、4、6着と少し足りないが、アンカツの絶妙の騎乗で最後にひと踏ん張りがあれば。

スズカフェニックスは東京新聞杯で豪快な大外一気を決めて初重賞制覇。距離を短くして末脚の威力が増してきた馬で芝13戦のうち11戦が上がり3Fメンバー最速。阪急杯は内を回った馬が有利な馬場で大外からメンバー最速の33.9秒で追い込んでハナ差の3着。差しが決まりにくいコースで凄い末脚だった。05年の阪急杯で4着に追い込んだアドマイヤマックスは高松宮記念を制している。スズカフェニックスはそのときと同じ武豊騎手&橋田厩舎のコンビ。芝1200mは初めてだが、武豊騎手は前走で手応えを掴んだか。陣営は外枠、良馬場が理想という。理想から外れた場合にどう考えるか。

マイネルスケルツィはマイルCS4着、阪神カップ3着、京都金杯1着と強い馬を相手に結果を出してきた。芝1200mは初めてだが、京成杯AHの1200m通過が1分8秒5、阪神カップは1分8秒3なら芝1200mに対応できないということはなさそう。[3-0-1-0]と中山が得意な馬で秋のスプリンターズSでは主役を張っているかもしれない。今回も能力的には好勝負できそうだが、問題はNHKマイルC10着、富士S13着に終わっている左回り。相手なりに堅実に走るタイプで崩れにくい馬だけに左回りの東京での惨敗はやはり気になる。柴田善騎手は過去10年の高松宮記念で[2-1-0-2]の好成績。

エムオーウイナーはシルクロードSで初重賞制覇。2F目から10秒台のラップが3F続く激しい流れで好位から早めに抜け出してそのまま押し切った。芝1200mは[7-5-1-11]で中京芝1200mは[1-1-0-1]。ここにきて馬体の充実してきており、1週前には坂路で1番時計。前走から斤量2キロ増でG1と条件は厳しいが、今年のメンバーなら通用しても驚けない。シーイズトウショウはスプリント重賞5勝の実績馬。中京芝1200mではCBC賞2勝、セントウルS1勝を挙げている。昨年は3着に敗れたが、中山に輸送して馬体がガレた後のレースだった。セントウルSでは直線で弾けて3馬身差で圧勝。7歳牝馬が最後に意地を見せるか。

昨年の勝ち馬オレハマッテルゼ、オーシャンS2着馬サチノスイーティー、函館スプリントSの勝ち馬ビーナスライン、尾張Sで豪快な追い込みを決めたスピニングノアール、京阪杯の勝ち馬アンバージャックなど伏兵は数多い。最近2年の1〜3着馬は全て11番枠より外枠の馬。最終週で馬場の内側が荒れると最初から内を通る内枠の馬は不利。ただし馬場が全体的に荒れると逆に内をロスなく回った馬が粘ることもあるので注意。天気予報では土日は雨模様。馬場が渋ったら重の巧拙はもちろん、良馬場のとき以上に枠順、コース取りに注意。各馬の本質を見抜くことが的中への近道。相馬眼的にG1を勝てる馬を狙いたい。

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