桜花賞
レース展望
牝馬クラシックの第一弾。過去10年で1番人気は[3-2-2-3]で5連対。最近6年は[2-2-2-0]で複勝率100%。前走重賞を勝ち中2〜4週できた馬は[2-2-0-0]で連対率100%。2番人気は[2-2-1-5]で4連対、3番人気は[1-0-1-8]で1連対のみ。6番人気以下が7連対と人気薄が目立つ。馬連は10倍以下は1回しかなく、10〜30倍台が6回と多い。トライアルの勝ち馬が人気で不振に終わり、人気の落ちたトライアル2〜4着馬が巻き返すことが多かったが、最近3年の連対馬6頭のうち5頭は前走重賞勝ち馬。最近は重賞を勝ってきた馬が強い。今年から外回りコースで行われるため枠順に注意。
ウオッカは5戦して[4-1-0-0]。芝1600mは[4-0-0-0]、阪神芝1600mは[2-0-0-0]と負けていない。阪神JFはメンバー最速の34.2秒でアストンマーチャンを差し切り、勝ちタイム1分33秒1は新装阪神での最速タイム。エルフィンSは他馬より2キロ重い56キロを背負って直線で軽く仕掛けられただけで3馬身差の圧勝。勝ちタイム1分33秒7は前週の京都牝馬Sの2着に相当するタイム。チューリップ賞は馬なりのままダイワスカーレットに並びかけて最後まで鞭を使わずに競り勝った。勝ちタイム1分33秒7は翌日の道頓堀S(1600万条件)と同タイム。道頓堀Sを勝ったピカレスクコートは先週のダービー卿CTを制している。
前3走の勝ちタイムは全て1分33秒台。古馬オープンで通用するレベルの走りをしている。阪神JFでアストンマーチャン、チューリップ賞でダイワスカーレットを負かしたことも評価したい。父タニノギムレットを彷彿させる馬体は素晴らしく大物感十分。相馬眼的に評価できる馬で能力は既に証明済み。力のいる馬場をこなすパワーがあり、末脚も切れるので阪神外回りコースの適性は高い。今年から外回りコースに替わるのは大きなプラス。流れ次第で1分32秒台の決着もある。角居厩舎はG1で1番人気になると[3-1-0-0]。ウオッカはアドマイヤオーラ、フサイチホウオーより能力の絶対値が高い可能性がある。ダービーに行く。
ダイワスカーレットは4戦して[2-2-0-0]。相馬眼的に評価できる馬で能力は相当。半兄ダイワメジャーと同様にスピードの持続力に優れた馬でいい脚を長く使えるのが持ち味。ダイワスカーレットは例年なら桜花賞と秋華賞を勝てるレベルの馬。裏を返せばダイワスカーレットを負かしたアドマイヤオーラとウオッカはG1を勝てるレベルにある。チューリップ賞はウオッカに差されたが、ラスト3Fの上がりの競馬になったため、スピードの持続力をフルに発揮していない。末脚の威力はウオッカの方が上だが、スピードの持続力勝負に持ち込めば負かす可能性がないとはいえない。枠は大外18番。アンカツはどう乗るか。
アストンマーチャンは6戦して[4-2-0-0]。相馬眼的に評価できる馬で能力は相当。ファンタジーSは好位から突き抜けて5馬身差で圧勝。インパクトのある勝ち方だった。勝ちタイム1分20秒3は前週のスワンSと同タイム。阪神JFでは最後にウオッカに差されてクビ差の惜しい2着。旧コースなら勝っていた可能性が高い。ただマイルをこなす下地は見せた。前走のフィリーズRはメンバー的に楽勝して当然。芝1400mならウオッカに勝てそうだが、問題は直線の長い外回りコースでラスト1Fをどう踏ん張るかだろう。スピードの絶対値だけならウオッカ、ダイワスカーレットより高い。武豊騎手の頭脳はどういう結論を出すか。
ファンタジーSでアストンマーチャンは2着に5馬身差、阪神JFでウオッカとアストンマーチャンは3着に3馬身半差、エルフィンSでウオッカは2着に3馬身差、チューリップ賞でウオッカとダイワスカーレットは3着に6馬身差、フィリーズRでアストンマーチャンは2着に2馬身半差。ファンタジーSの勝ちタイムは前週のスワンSと同タイム。阪神JF、エルフィンS、チューリップ賞は1分33秒台の高速決着。今年はウオッカ、ダイワスカーレット、アストンマーチャンの3頭が抜けている。時計面ではマイルを1分33秒台で走ったローブデコルテとイクスキューズ、芝1400mを1分20秒台で走ったカノヤザクラだが、果たしてどうだろう。穴馬探しのアプローチは他にある。ポイントは枠順と馬場、まだ見せていないパフォーマンスの想像力。
タニノギムレットは現役時代に相馬眼的に高評価した馬。種牡馬初年度からウオッカを送り込んできた。タニノギムレットの主戦は武豊騎手だったが、落馬骨折のためスプリングSと皐月賞は四位騎手が手綱を取った。スプリングSは豪快な大外一気で勝ったが、単勝2.6倍の1番人気になった皐月賞は追い込んで3着に敗れた。2着のタイガーカフェとはハナ差だったが、ゴール前で四位騎手が追うのを止めたように見えたことが問題なり、JRAに苦情が殺到したようだ。ウオッカの馬主はタニノギムレットと同じ谷水氏。クラシック1冠目は父と同じように四位騎手、1番人気で戦うことになる。
タニノギムレットを管理していたのは松田国調教師。今回はダイワスカーレットを出走させる。ウオッカを管理する角居調教師は平成9年1月から平成12年2月まで松田国厩舎で調教助手をしていた。どちらも渾身の仕上げ。この師弟対決も見逃せない。タニノギムレットの主戦だった武豊騎手はアストンマーチャンに騎乗する。NHKマイルCは直線で不利があって3着に敗れたが、ダービーでは大外一気を決めた。タニノギムレットのウイークポイントを武豊騎手が知っていればそれを突いてくるか。ただウオッカはスタートが早くいい位置を取れる。タニノギムレットに関連した3強の争い。全馬不利なく力を出し切る好レースを期待したい。
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