ヴィクトリアM
レース展望

昨年新設された古馬牝馬による東京マイルG1。昨年は1番人気のラインクラフトが9着に敗れたが、2、3、4番人気のダンスインザムード、エアメサイア、ディアデラノビアでほぼ順当な決着。4、5、6着にはコスモマーベラス、アグネスラズベリ、デアリングハートが続き、今年は3〜6着馬が再度出走する。昨年の最優秀3歳牝馬でエリザベス女王杯降着も実質は6戦6勝のカワカミプリンセス、一昨年の最優秀4歳以上牝馬で宝塚記念1着、安田記念2着と牡馬混合G1で実績のあるスイープトウショウ、昨年の3着馬で京都牝馬Sで重賞2勝目を挙げたディアデラノビアの3頭が今年は人気を集めそうだ。

カワカミプリンセスは6ヶ月ぶりの出走になるが、当初からここが目標で乗り込まれている。休み明けの秋華賞は中団から差し切り勝ち。西浦厩舎はテイエムオーシャンで阪神3歳牝馬S、秋華賞を勝つなど、休み明けの牝馬G1で実績がある。帰厩時は馬体がガレていたようだが、どこまで回復して仕上がったか。相馬眼的に評価できる馬で能力はG1-3戦で証明済み。スローが多い牝馬G1でカワカミプリンセスのG1-3戦の前半5Fは58.1秒、58.4秒、57.4秒と速かった。前半5F60.7秒のスイートピーSはヤマニンファビュルと半馬身差。昨年のヴィクトリアMはスローの上がり勝負だった。

スイープトウショウはエリザベス女王杯でカワカミプリンセスに完敗したが、今回は同斤の55キロなら見直せるか。東京は[0-2-0-3]でオークスと安田記念で2着がある。ただし東京では輸送による馬体減、馬場&ゲート入りを嫌がったりして力を出し切れないことが多い。一昨年の宝塚記念以降、関西では[3-2-0-0]だが、関東では[0-0-0-4]と不振に終わっている。昨年の天皇賞(秋)は馬体が12キロ減って気配が落ちていたが、京都大賞典で走り過ぎた影響があったか。今回はマイラーズCで少し余力を残して2着。一昨年の安田記念の走りが再現できれば勝ち負けになる。

ディアデラノビアは東京[1-0-3-0]でオークスとヴィクトリアMで3着がある。昨年はマイラーズCから5戦連続で3着。距離、流れ、相手に関係なく3着で、エリザベス女王杯はカワカミプリンセスの降着によって3着に繰り上がった。今年は京都牝馬Sを4馬身差で圧勝し重賞2勝目を挙げ、阪神牝馬Sは単勝1.4倍の断然人気に支持されたがまたしても3着。今回はカワカミプリンセスとスイープトウショウがいて3着というのが頭をよぎるが、京都牝馬Sはウィークポイントを克服してハイレベルな内容。東京4戦の上がり3Fは全て33秒台と末脚は確実。相馬眼的に評価できる馬。能力は高い。

あとはマイラーズC4着のアドマイヤキッス、阪神牝馬Sを勝ったジョリーダンス、昨年の牝馬クラシックで活躍したキストゥヘヴン、フサイチパンドラ、アサヒライジング、昨年の4、5、6着のコスモマーベラス、アグネスラズベリ、デアリングハートあたりが人気面で続きそう。アドマイヤキッスは桜花賞2着もその後のG1は4、4、5着と善戦止まり。ローズSと愛知杯を勝った左回りと桜花賞2着のマイルで変わり身があれば。ジョリーダンスは芝1200〜1600m[5-3-1-1]で着外は長期休み明け。東京マイルは[2-1-0-0]で一昨年の晩春Sでは1分32秒9でオレハマッテルゼの2着がある。アンカツは昨年秋以降の東京芝重賞で[4-3-0-2]の好成績。

キストゥヘヴンは桜花賞を勝った後3着以内がない。最近は瞬発力が不足気味だが、横山典騎手がどう乗るか。フサイチパンドラは日経賞9着、マイラーズC9着に終わったが、母父Nureyevの馬は惨敗でガスが抜けた後に激走することが多い。アサヒライジングは前2走惨敗も力を出していない。秋華賞では好位から抜け出してカワカミプリンセスと半馬身差の2着。スピードの持続力がある。フサイチパンドラとアサヒライジングはカワカミプリンセスが好走したレースで好走している。コスモマーベラスとアグネスラズベリは叩き2戦目で昨年より好ステップ。デアリングハートは藤田騎手なら力を出し切れそうだ。

ビーナスラインは高松宮記念で最後方から追い込んで4着。距離が課題だが、展開、馬場などが嵌れば。コイウタはダービー卿CT2着で復調気配。松岡騎手は今年の重賞で乗れている。力が足りれば。スプリングドリューは福島牝馬Sで初重賞制覇。鞍上はNHKマイルCをピンクカメオで制した内田博騎手。今週も大外一気を決めればビッグサプライズ。堀厩舎は3頭出し。ピンクカメオの国枝厩舎は2頭出しだった。他では西浦厩舎が2頭出し。先週日曜の東京は馬場の内側が悪化し、外枠スタートから外を通った馬が断然有利だった。日曜は雨予報。馬場と枠順に要注意。

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