安田記念
有力馬診断(抜粋)
[7+]コンゴウリキシオー
阪神芝2000mのデビュー戦はディープインパクトに4馬身差の2着。以降ずっと1800m以上の距離を使われてきた。今年の復帰戦となった中京記念は前半3F33.7秒のハイペースで激しい先行争い。結果は直線でバテて12着に敗れたが、1600m通過は1分33秒0だった。次走はこれまでなら産経大阪杯を使うのが当然だが、陣営はマイラーズCを選択。結果は1分32秒2のレコードで逃げ切り勝ち。山内調教師はいずれはマイルを使いたかったとコメントしたが、中京記念の通過タイムが裏づけになったのだろう。マイラーズCは前半3F34.9秒、5F58.2秒でスローの多い阪神芝外1600mでは速いが、マイル重賞としてはそれほど速くはない。それで1分32秒2の高速タイムが出たのは、コンゴウリキシオーがラスト3Fを11.4-10.7-11.9秒でまとめたため。京王杯SCを前半5F55.9秒で逃げたマイネルスケルツィが直線でコンゴウリキリオーに追いつけなかったことは見逃せない。
ラスト3F11.4-10.7-11.9秒でラスト2F目でガツンと伸びたことを高く評価したい。最後は大きなストライドでスピードは落ちていなかった。マイルG1で通用するスピードと持続力がある。昨年から中山、新潟、中京、福島、小倉、阪神を回り、ゴール前で激しい叩き合いをしてきた。ゴール前で苦しくなってひと伸びするところにダイワメジャーと叩き合いに勝つ可能性を秘めている。昨年までは坂路でラスト1F12.3秒が最速だったが、今年は瞬発力アップに努めており、最近はラスト12.3秒のラップをコンスタントにマークしている。マイラーズCの最後の伸びはこの効果なのだろう。安田記念で逃げ馬は不振だが、瞬発力が強化されたコンゴウリキシオーなら粘れるのではないか。ただしマイラーズCのレコード勝ちは誰が見ても凄いラップ。マイルG1でやれるスピードを示したとなるとマークされる。課題はそこ。安田記念が初マイルだったら勝つ可能性はもっと高かった。
[7 ]ダイワメジャー
ドバイ遠征明けになるが、最終調教を見る限り、いつものダイワメジャーできっちり仕上がっている。陣営は馬体は少し増えているとコメントしているが、それほど太い感じはない。このレベルの馬になると普通に仕上がれば力は出せる。いつもの走りができるとみていいだろう。スピードの持続力のある馬で昨年は毎日王冠、天皇賞(秋)、マイルCSを3連勝。マイルCSではダンスインザムードが差し切る勢いで伸びてきたが、最後にもうひと伸びして完封した。馬が競馬を知っており、相手が来ればもうひと伸びする。昨年秋はダイワメジャーのスピートと底力を上回った馬はいなかった。安田記念は05年が2枠3番で0.5秒差の5着、06年が1枠1番で0.5秒差の4着といずれも内枠で敗れており、今回の1枠2番という枠順は気になるところ。ただし昨年の安田記念はアンカツが2度目の騎乗だったことを考慮する必要がある。
スタートしてメイショウボーラーが外から並びかけてハナを切ったため控えると外からローエングリン、オレハマッテルゼが上がってきて内のポケットに入り、直線で前が空くまで仕掛けられなかった。それによってレースは瞬発力勝負になり、1、2着馬の上がり3Fは33.8秒。ダイワメジャーの上がりは34.8秒で最後は止まった訳ではない。アンカツは「このメンバーにしてはペースが落ち着き過ぎて決め手の差が出てしまった」とコメントしている。今年もJRAが内枠に入れてきたが、アンカツはダイワメジャーを手の内に入れており、スピードの持続力と勝負強さに自信を持っている。1枠2番でも昨年のような消極的なレースになることはまずないだろう。ただ昨秋の毎日王冠が8枠16番、天皇賞(秋)が7枠14番で1枠2番というのは乗りにくいのは確か。前にはG1級のパフォーマンスを示したコンゴウリキシオーがいる。最後の直線では壮絶な叩き合いになりそうだ。
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