安田記念
相馬眼予想(抜粋)

東京は晴れ、芝ダートとも良馬場。東京は2連続開催の3週目を迎えたが、引き続き早い時計が出ている。土曜8R(500万下)のマイネルパシオンは4月から東京マイルで4戦したが、走破タイムは1分33秒8(良)、1分34秒4(稍重)、1分34秒1(良)で土曜が1分33秒9(良)。開幕週が1分33秒8で土曜が1分33秒9だが、前半3Fは開幕週の方が0.5秒早い。10Rの湘南S(1600万下)はマイネルバローズが1分32秒9で差し切り勝ち。3着のウエスタンクィーンは開幕週が1分34秒2だったが、土曜は前半3Fが0.8秒早い流れで1分33秒3で時計を0.9秒詰めた。先週と同様に時計の早い状態が続いている。

土曜の1600万条件の勝ちタイムが1分32秒9なら安田記念は流れ次第で1分31秒台に突入する可能性がある。これまでのレコードは03年の富士Sを勝ったミレニアムバイオの1分32秒0。中山、阪神、新潟では1分31秒台はあるので、そう驚くことではないが、例年なら開催が進み馬場が荒れて時計がかかるが、今年は早い状態が続いている。先週騎乗した騎手は馬場が硬いと口を揃える。先週のダービーもそうだったが、今週はマイルだけにラストの5F、4Fの時計が早くなりそう。コンゴウリキシオーが逃げてマイラーズCのようなレースをするとラスト5、4Fのタイムトライアルになる可能性がある。

次に展開だが、前に行くのはコンゴウリキシオー、マイネルスケルツィ、ダイワメジャー、オレハマッテルゼ、エイブルワン。逃げる気があればマイネルスケルツィが速いがマイルなら控える手か。ダイワメジャー、オレハマッテルゼも理想は2、3番手。エイブルワンは外枠と自身のスピードからハナは切れそうにない。やはりコンゴウリキシオーの藤田騎手が押してハナを切るのではないか。2番手以降にマイネルスケルツィ、ダイワメジャー、オレハマッテルゼが続き、好位にザデューク、サクラメガワンダー、中団にエイシンドーバー、アドマイヤキッス、スズカフェニックス、ディアデラノビア、後方からグッドババ、エアシェイディ、ジョイフルウイナーといった展開。流れはスローはなく平均から速い流れだろう。

最近4年の安田記念は1分32秒1から1分32秒6で決着。今年は馬場が硬く時計が早いため、1分32秒0前後が予想される。最近4年の安田記念の前半3Fは34.5秒(勝ち馬アグネスデジタル)、33.7秒(ツルマルボーイ)、33.9秒(アサクサデンエン)、34.8秒(ブリッシュラック)。ちなみに香港馬フェアリーキングプローンが勝った00年は34.9秒と遅い。マイラーズCで逃げたコンゴウリキシオーの前半3Fは34.9秒。初めてのマイルで手探りの逃げだったこと、今の時計の早い東京ということを考慮すると34.0秒前後あたりになるのではないか。昨年のマイルCSは前半3F34.0秒。マイネルスケルツィ、ダイワメジャーはこの流れなら同調する。

ある程度速い流れで各馬が流れに乗って進む展開。マイラーズCでコンゴウリキシオーはラスト5F57.3秒、4F45.6秒でまとめた。最近4年の安田記念は57.6/46.1秒、58.9/47.0秒、58.4/46.7秒、57.8/46.2秒。今年の馬場なら昨年より早いペースで行って57.8/46.2秒と同程度の上がりになりそうだ。速いペースについて行き、前に行く馬はこの早い上がりを繰り出して踏ん張れる馬、差し追い込み馬はこの上がりを大きく上回れる馬というのが好走するのではないか。さらにG1メンバーでレースはラップ以上に厳しくなる。極限状態から踏ん張れる馬、底力のある馬を狙いたい。

前に行って粘れそうなのは、これまでのラップ、レースぶりからコンゴウリキシオー、ダイワメジャー、少し離れてマイネルスケルツィ。コンゴウリキシオーはマイラーズCの勝ちタイム1分32秒2とラストラスト5F57.3秒、4F45.6秒が優秀。今回のメンバーで芝1600m以上でラスト5F57.3秒というのはダービー卿CT・ダイワメジャーの57.4秒を上回る最速タイム。ダイワメジャーは関屋記念でラスト2F目に10.6秒があるが、毎日王冠は11.0秒、天皇賞とマイルCSは11.2秒でラスト1Fは12秒台に落ちている。これに対し、コンゴウリキシオーはマイラーズCでラスト3F11.4-10.7-11.9秒でラスト2F目で10秒台でガツンと伸び、かつラスト1Fを11秒台でまとめている。

このときの阪神は時計が早かったとはいえ、このラップは高く評価できる。G1連対実績はないが、初めてのマイルでG1級のパフォーマンスを示したといえる。ダイワメジャーがドバイ遠征明け、過去2年と同じ内枠に入ったことでマイラーズCを使われて昇り調子のコンゴウリキシオーが逆転する可能性がある。さらに今年は坂路のラスト1Fが早くなっており、瞬発力が強化されたのは明らか。マイネルスケルツィとダイワメジャーが絡んでこない適度に速い流れで進めてラスト5、4Fのタイムトライアルに持ち込めば逃げ切りがある。これが崩れるとすれば、マイネルスケルツィとダイワメジャーが早めに動いて潰しにきた場合だろう。

コンゴウリキシオーは安田記念が初めてのマイル戦でそこでマイラーズCの走りができれば勝っていた可能性が高い。マイラーズCでマイルの高い適性を見せたことで前につける騎手はコンゴウリキシオーをマークする。それでもコンゴウリキシオーは強靭な粘り腰があるのでしぶとく粘りそうだが、最後にコンゴウリキリオーとは違うスピードで伸びてきた馬に一気に差される可能性がある。差し切るには速い流れを楽に追走して、33秒台の末脚を繰り出せる馬。東京の長い直線向きの末脚のある馬だろう。それにズバリマッチするのがスズカフェニックス。高松宮記念を勝ったが、さらにパフォーマンスを引き上げている。

スズカフェニックスは東京新聞杯を1分32秒7で大外から差して勝ったが、前半3F34.8秒、5F58.3秒、後半5F57.9秒、4F46.2秒。今回想定される早い上がりを大外から差し切ったが、前半3F、5Fが遅く、このときのパフォーマンスではコンゴウリキシオーを差し切れない。橋田調教師もそれを知ってパフォーマンスアップに全力を注いだのだろう。高松宮記念は前半3F33.8秒の流れを中団を楽に追走し、3、4コーナーで早めに仕掛けて直線で一気に抜け出した。スプリント戦で2馬身半差は決定的な差。スピードと末脚の威力を示したが、中間の調教を見る限り、今回はさらに馬が本格化している。

1200mを使った後の1600mで折り合いの不安がなくはないが、コンゴウリキシオーの作る流れなら折り合える。馬場の内側が少し荒れてきているので外から差す馬にとって真ん中の偶数枠をいうのも理想的。土曜の東京で重賞・特別を3連勝と武豊騎手も調子を上げてきた。あとは馬場のいいところをスムーズに追走して直線で捌けるかどうかに懸かっている。橋田調教師、渾身の仕上げ。G1連勝のチャンスだろう。コンゴウリキシオーを底力で捻じ伏せる可能性があるダイワメジャーが3番手。昨年の安田記念はアンカツが2度目の騎乗だった。馬を信頼している今年なら馬券圏内がある。

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