ラジオNIKKEI賞
レース展望

3歳限定の中距離重賞。昨年からハンデ戦に変更された。過去10年で1番人気は[2-0-0-8]で2連対のみ。勝った2頭は1000万条件と500万条件の勝ち馬。前走G1出走馬は[0-0-0-6]と不振。2番人気は[1-2-0-7]で3連対、3番人気は[1-2-2-5]で3連対と人気馬は不振傾向。馬連は10倍台までに収まったのは2回のみ。最近5年のうち4年は20〜60倍台の中穴決着。過去10年で藤沢和厩舎の管理馬は[0-0-0-10]で6着が最高。10頭のうち7頭が4番人気以内と人気を裏切る傾向。連対馬20頭のうち18頭に芝1700M以上で連対があった。マイルまでしか実績のない馬は過信禁物。

クランエンブレムはこの世代4頭しかいないウォーエンブレム産駒。デビュー5戦はダートを使われたが、芝に替わって2連勝と頭角を現してきた。前走の福島市制施行100周年記念は好位からメンバー最速の34.2秒で抜け出して快勝。福島得意なホクトスルタンを競り負かし、1600万条件から降級したリメインオブザサンを寄せ付けず、最後まで確かな脚色だった。勝ちタイム1分46秒0は99年以降の最速タイム。馬場の違いはあるが、先週の福島テレビオープンより0.2秒早い。ハンデは56キロを課せられたが、力は十分通用する。課題は福島特有の乱ペースに巻き込まれた場合。手塚厩舎は05年にコンラッドで制している。

ロックドゥカンブは2戦2勝。新馬戦は2番手から楽々と抜け出してミスベロニカに0.2秒差をつけて楽勝。ひと息入れた後の2戦目は雨で馬場がかなり悪化していたが、後方追走から直線で一気に差し切った。堀厩舎には南半球産のキンシャサノキセキがいるが、ロックドゥカンブも南半球産馬でこの時期は斤量面の恩恵がありハンデは52キロ。このレベルの素質馬に52キロは有利に映る。アンカツは函館スプリントSで南半球産馬コスモシンドラーに騎乗するため、今回は柴山騎手に乗り替わる。柴山騎手は堀厩舎のスプリングドリューで今回と同じコースの福島牝馬Sを勝っている。福島でも南半球産馬の血が騒ぐか。

あとはエーデルワイスSを勝ったハイソサエティー、藤沢和厩舎の重賞実績馬イクスキューズ、京都新聞杯で1番人気に支持されたフェザーケープ、未勝利と500万条件を連勝したエーシンダードマン、桜花賞は惨敗も寒竹賞とアネモネSの連勝が光るエミーズスマイルあたりが人気になりそう。ハイソサエティーは1600mまでしか経験がないが、前走騎乗した武豊騎手は「距離はもう少し延びてもこなせそう」とコメント。心肺機能が高く簡単にバテないタイプ。蛯名騎手が出遅れずにスタートを決めて前につけるようだとレースのレベルを引き上げることになりそうだ。切れないがバテないという持ち味を最大限に発揮できれば。

イクスキューズは56キロだが、牡馬換算では58キロで実質はトップハンデ。福島芝1800mは新馬戦で2着に7馬身差をつけて圧勝している。小回り向きの先行力がありコースは合う。藤沢和厩舎はこのレースと相性は最悪だが、今年は病室で闘っている塚田騎手のためにも北村宏騎手が持ってくるか。フェザーケープとエーシンダードマンは小回りの1800mが課題。エミーズスマイルは輸送で馬体が減らなければ。ラジオNIKKEI賞の激走パターンは直線一気。ハイペースで前が止まるとカッツミー、コンラッドのような直線一気が決まる。今年大外一気があればロックドゥカンブとガルヴァニックか。ガルヴァニックは前走の末脚が強烈。

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