アイビスSD
レース展望
01年に新設された直線1000mの新潟名物重賞。昨年からサマースプリントシリーズの第2戦になり、開催時期が開幕週に変更された。梅雨の時期で昨年はレース直前に大雨。開幕週に変更されたが、今後も雨に悩まされそうだ。過去6年で1番人気は[1-1-1-3]で2連対のみ。2番人気は[2-1-0-3]で3連対、3番人気は[0-2-0-4]で2連対と人気馬の信頼度は低い。10番人気以下の人気薄の連対はない。馬連は10倍台までが3回、40〜50倍台が3回と荒れても中穴止まり。性別では牡馬[2-2-4-42]で連対率8.0%に対し、牝馬[4-4-2-21]で連対率25.8%。夏に強い牝馬の活躍が目立つ。
最近4年の連対馬8頭のうち04年のカルストンライトオを除く7頭が牝馬。一昨年は3歳牝馬テイエムチュラサンが勝ち、昨年は3歳牝馬サチノスイーティーとマリンフェスタがワンツーを決めた。3歳牝馬は51キロで出走できる。昨年のサマースプリントシリーズは全て牝馬が1着。牝馬は夏に強いと言われるが、その通りの結果になった。今年のアイビスSDにはクーヴェルチュール、サチノスイーティー、サンアディユ、ショウナンパントル、テイエムチュラサン、モンローブロンドと6頭の牝馬が出走予定。3歳牝馬はクーヴェルチュールのみ。一昨年のアイビスSDの勝ち馬テイエムチュラサン、昨年の勝ち馬サチノスイーティーと直線1000mの実績馬が揃っている。今年もまずは牝馬に注目すべきだろう。
クーヴェルチュールはすずらんSで降着があり、芝1200mでは実質6戦5勝。前走のバーデンバーデンCは49キロが有利だったとはいえ、初の古馬相手で前半3F31.8秒、5F通過54.6秒というハイペースで3番手から競り勝ったのだから大したもの。今回は斤量が2キロ増えるが、51キロならまだ有利。課題は枠順と雨で馬場が悪化した場合か。サチノスイーティーはオーシャンS2着、京葉S1着などで昨年の走りがフロックでなかったことを証明。昨年より斤量は3キロ増えて54キロになるが、厳しいレースを経験して地力は強化されている。良馬場でもやれるが、雨で馬場が適度に渋ると有利になる。
サンアディユはガーネットSで前半3F32.7秒で逃げたようにスピードがある。初芝だが、直線1000mはダート実績馬の激走が多いコース。休み明けは4戦3勝。昨年7月の新潟ダ1200mでは逃げて5馬身差で圧勝している。課題は最後の踏ん張り。後続が差して来れないような馬場なら。ショウナンパントルは近走大不振。新潟では新馬戦で上がり3F33.0秒を繰り出し1着、新潟2歳S2着の実績がある。1000mは忙しいが、新潟で変わるか。テイエムチュラサンも近走不振。ただしバーデンバーデンCで逃げて前半3F31.8秒で飛ばしたようにスピードは衰えていない。54キロを背負って最後どこまで踏ん張れるか。
モンローブロンドは前4走2桁着順が続いているが、7〜8月は3戦3勝の夏馬。小倉芝1000mの新馬戦では57.1秒でレコード勝ちしている。昨年の佐世保Sでは好位からフサイチホクトセイを差し切ってオープン入り。夏になると状態面が一変するので注意したい。川田騎手がわざわざ遠征してくるところが不気味。あとは牡馬だが、オーシャンSを勝ったアイルラヴァゲイン、12戦8勝のスピード馬ジョイフルハート、CBC賞2着のナカヤマパラダイス、バーデンバーデンC2着のシルヴァーゼット、昨年新潟日報賞を勝ったフサイチホクトセイ、一昨年の3着馬スピニングノアール、力つけてきたプレミアムボックス、3歳牡馬モルトグランデあたり。
アイルラヴァゲインはオーシャンSで重賞初制覇。直線1000mは初めてで未知数だが、新潟は得意で馬場もそれほど問わないタイプ。スピードもあるし、仕上がりさえ良ければ無様はなさそう。ジョイフルハートはガーネットSは13着に惨敗したが、休み明け、59キロ、大外枠、前半3F32.7秒のハイペース、テン乗りの中舘騎手と色々な要因があった。芝は一昨年のサロマ湖特別で逃げて3馬身半差で圧勝している。芝はこなすので途中からスピードでブッチ切るか、最後にひと踏ん張りできれば。今回は主戦・武豊騎手に戻る。ガーネットSの後、肺出血で休養したので状態面に注意したい。攻め馬は動くタイプ。
ナカヤマパラダイスは[4-2-1-0]で複勝率100%。CBC賞3着のアグネスラズベリが函館スプリントSを勝ち、1着のブラックバースピンが同3着によってCBC賞の価値は高まった。駿風Sの勝ちタイムは遅いが、強い向かい風の影響があったことを考慮したい。シルヴァーゼットは今年芝1200mで[0-1-3-0]と崩れていない。今回はクーヴェルチュールと斤量が2キロ詰まるのは有利。フサイチホクトセイは休み明けだが、それほど苦にしないタイプ。新潟日報賞2着のウェディングバレーはアイビスSDで2着。このあたりから通用する下地はありそう。スピニングノアールは新潟直線1000m[1-1-2-1]。前走のCBC賞で競走中止した影響がなければ。
プレミアムボックスは芝1200mの勝ち時計を一戦ごとに詰め、かつレースぶりが良くなっている。新潟直線1000mの未勝利戦で1、3着がありコースはこなす。ここに入っても馬体は見劣らないので、今の充実ぶりを生かせれば。モルトグランデは芝1200m[3-0-1-0]。前走のあじざいSは外から差し切る好内容。外国産馬だが、一戦ごとに馬体、気配が目立つようになりレースぶりが良くなったことは好感が持てる。53キロを見方に一発あるか。新潟は開幕週で馬場はいいが、内が伸びるのか、外が伸びるのか、JRAの馬場設定で変わるので注意。まずは土曜の競馬で馬場傾向を掴みたい。
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