小倉記念
レース展望

夏の小倉のハンデ重賞。00年にハンデ戦に変更され、昨年からサマー2000シリーズの第3戦となり、開催が2週早まった。過去10年で1番人気は[3-1-2-4]で4連対。単勝2.9倍以内は[3-1-1-1]に対し、3倍以上は[0-0-1-3]。押し出されて1番人気になった馬は不振。2番人気は[1-3-0-6]で4連対、3番人気は[2-1-3-4]で3連対。10番人気以下の連対はない。馬連は万馬券はなく中穴までに収まっている。小倉は平坦小回りでカーブのきつい特殊コース。ハンデ戦で行われた最近7年の連対馬14頭のうち12頭に小倉芝で連対があった。小倉での実績を重視したい。

トップハンデは59.5キロのメイショウカイドウ。1年ぶりの出走になるが、昨年6着時と同じ59.5キロを課せられた。小倉芝[8-1-2-4]、小倉芝重賞[4-1-1-1]で05年には小倉3重賞を制した小倉の鬼。先週の函館記念は函館の鬼エリモハリアーが3連覇したこともあり、JRAはハンデを甘くしなかったのだろう。昨年は不利な1枠1番からコンゴウリキシオーとハンデを考慮して好位づけ。直線では内に立て直すロスもあり、本来の競馬ではなかった。休み明けの馬に59.5キロは酷量だが、武豊騎手はこういう条件で燃える。今開催の小倉では[12-4-2-11]で連対率55.2%と好調。

昨年の勝ち馬スウィフトカレントは58キロ。昨年は55キロで今年は3キロ増。昨年と今年の小倉記念の斤量を比較するとヴィータローザは0.5キロ減、メイショウカイドウ、ニホンピロキースは据え置き、サンレイジャスパーは2キロ増。スウィフトカレントは天皇賞(秋)で58キロを背負い2着と斤量自体はこなすが、他との比較で有利ではない。ただし天皇賞(秋)でダイワメジャーに迫り、金鯱賞では中京巧者のローゼンクロイツにクビ差まで迫ったのは、今回のメンバーにはできない芸当。昨年の小倉記念は福永騎手が最内を突いたのが嵌った感があるが、今年は5年ぶりに小倉に遠征する横山典騎手がどう乗るか。

昨年2着のヴィータローザは57キロ。昨年の小倉記念から斤量が減るのはヴィータローザのみ。昨年はスウィフトカレントが55キロでヴィータローザが57.5キロだったが、今年は斤量関係が逆転する。昨年の新潟記念はスウィフトカレントが57キロで4着、ヴィータローザは58キロで3着でサマー2000シリーズはスィフトカレントが優勝した。ヴィータローザが勝っていれば優勝だっただけにこの斤量設定に疑問が残った関係者は多かったのではないか。これによりJRAはヴィータローザのハンデにかなり慎重。昨年の小倉記念は大外から早めに捲くったが、内を突いたスウィフトカレントとはコース取りに大きな差があった。

サンレイジャスパーは夏に調子を上げるタイプらしくマーメイドSでラスト鋭く伸びて2着に入った。昨年の小倉記念より斤量は2キロ増えるが、53キロなら許容範囲。昨年は前に行った馬に厳しい展開で好位からコンゴウリキシオーとメイショウカイドウに先着したことは評価できる。佐藤哲騎手は今開催の小倉で好騎乗が目立つ。ニホンピロキースは昨年の小倉記念で最後方から大外を回って追い込んで3着。展開が嵌った感はあるが、いい脚を長く使って小倉コースの適性を見せた。七夕賞は積極的なレースをしたが、外を回るロスが響いて5着。今回も赤木騎手の立ち回りが鍵になる。

あとは休み明けをひと叩きされたアップドラフト、1000万条件を勝ち格上挑戦のアラタマサモンズ、マーメイドS3着で復調気配を見せたソリッドプラチナム、善戦止まりが続くタガノデンジャラス、休み明けの七夕賞でシンガリ負けを喫したトリリオンカット、ゴールドアリュールの全弟ニルヴァーナ、差して届かないレースが続くホッコーソレソレーが出走予定。小倉で行われた過去9年の小倉記念で1枠[0-0-1-9]、2枠[0-0-2-8]で1、2枠の連対はない。最初から荒れた内を通る内枠は不利だが、昨年から開催が2週早まったことで傾向は薄れるかもしれない。馬場状態、馬の持ち味などから各騎手の作戦を見抜いた上で勝負したい。

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