北九州記念
レース展望
昨年から芝1200mのハンデ戦に変更され、サマースプリントシリーズの第3戦になった。昨年の北九州記念は11番人気コスモフォーチュンと4番人気ゴールデンキャストで決着し馬連万馬券。勝ったコスモフォーチュンは前走1000万条件を勝った牝馬で52キロの軽ハンデだった。夏は格より調子ともいえるが、コスモフォーチュンは小倉芝1200mの未勝利戦でレコード勝ち、小倉2歳Sで3着の実績があった。2着のゴールデンキャストは小倉芝1200m[3-2-2-2]で直前の北九州短距離Sの勝ち馬。3着のホーマンテキーラは小倉芝1200m[2-0-0-1]で前年の小倉日経オープンの勝ち馬だった。昨年の傾向から小倉芝1200mの実績馬に注意したい。
アストンマーチャンは[4-2-0-1]の重賞3勝馬。芝1600mの阪神JFは内枠スタートから前に馬を置いて折り合い、直線で抜け出してウオッカを苦しめたが、桜花賞では掛かって直線で失速し7着に敗れた。外枠が影響したこともあるが、馬体が短距離向きにシフトしていたし、気性的にも短距離向きなのだろう。掛かって自滅したが、そのスピードこそがアストンマーチャンの持ち味ともいえる。芝1200mは全て小倉で[2-1-0-0]。昨年の小倉2歳Sは前半3F32.5秒のハイペースを2番手から抜け出して2馬身半差をつけて楽勝している。ハンデはトップ評価の+1キロだが、53キロなら何ら問題ない。
アストンマーチャンはデビュー当時から相馬眼的に評価してきた馬で能力は確かなものがある。近年のスプリント戦線はレベルが低いだけに、アストンマーチャンがここで強い勝ち方をするとスプリンターズSの主役になる可能性が高い。ここを勝っても負けてもセントウルSは使わずにスプリンターズSに向かう予定。サマースプリントシリーズの優勝より欲しいのはスプリントG1のタイトル。石坂調教師は00年のスプリンターズSをシンガリ人気のダイタクヤマトで制しているが、今年は堂々の1番人気で勝つつもりなのだろう。今年の3歳牝馬の上位陣はウオッカがダービーを勝ったように高レベル。暮れの香港も視野に入れておきたい。
メイショウトッパーは条件戦を2連勝しオープン入り。新馬戦でカワカミプリンセスの2着した当時から注目してきた馬で昨年秋の活躍を期待したが、オープン入りできなかった。今年は着実にパフォーマンスを引き上げて、前走の北九州短距離Sは好位からメンバー最速タイの34.2秒で抜け出して3馬身半差の圧勝。稍重で1分7秒7は優秀でようやく本格化したようだ。騎乗した武豊騎手は重賞でも楽しみとコメントしている。オープン入りした直後で56キロは見込まれたが、それだけハンデキャッパーが警戒している証拠。同厩の半兄メイショウボーラーは小倉2歳Sを5馬身差で圧勝している。和田騎手への乗り替わりが鍵。
葵Sを勝ったカノヤザクラ、昨年2着のゴールデンキャスト、アイビスSDを勝ったサンアディユ、芝1200mで堅実に走っているシルヴァーゼット、CBC賞5着のアルーリングボイスあたりが人気面で続きそう。橋口厩舎はカノヤザクラとゴールデンキャストを2頭出し。夏の小倉で活躍する厩舎だが、今年は[0-1-2-19]で未勝利。カノヤザクラはファルコンS2着があるようにローカルの芝1200mは合う。50キロはいいが、イレ込むタイプだけに当日の気配が鍵。ゴールデンキャストは小倉芝1200m[3-3-2-2]で夏の小倉では堅実に走るタイプ。ハンデは57キロだが、昨年は北九州短距離Sを勝った直後で58キロだった。タイキシャトル産駒は夏の小倉芝1200mに強い。
サンアディユは休み明け、初芝を克服して重賞初制覇。今回は芝2戦目で真価が問われる。コーナーのあるコースで揉まれた場合が課題だが、スピードはあり調子もいいので侮れない。フレンチデピュティ産駒だけに馬場が渋ったら要注意か。シルヴァーゼットは今年の芝1200m[0-1-3-0]。先行して相手なりに走るタイプで3歳時には荒れ馬場のファルコンSで2着がある。アルーリングボイスはCBC賞でメンバー2位の34.4秒で5着に追い込み復調気配。一昨年の小倉2歳Sの勝ち馬で小倉芝1200mは2戦2勝。ファンタジーSでは物凄い脚を使ったようにアストンマーチャンが前を一掃するようだと直線一気が嵌るかもしれない。
小倉は今週までAコースで行われる。8日間使用したことで馬場の内側は荒れてきており、外差しが決まりやすいが、昨年コスモフォーチュンが各馬が馬場のいい外を回るのを尻目に内を上手く立ち回って勝ったように一概に内を通る馬は不利といえない面がある。そこはケアしておきたい。北九州記念では9年連続で九州出身調教師の管理馬が連対中。ちなみに今年の該当馬はアストンマーチャン、エムエスワールド、カノヤザクラ、ギャラントアロー、ゴールデンキャスト、サンアディユの6頭。サマースプリントシリーズは昨年全5戦、今年2戦とこれまで全て牝馬が優勝している。今回は相馬眼的に一頭次元の違う牝馬がいる。
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