エルムS
相馬眼予想

札幌は曇り、芝良、ダート稍重。昨日はダート重だったが、今朝、良に変更された。ダートは黒ずんでおり、気温が上がらないため、このまま稍重で行われることになりそう。土曜のアカシヤ特別(1000万条件、重馬場)は2番手から36.0秒で抜け出したミネルバサウンドがレコードに0.1秒差の1分42秒2で優勝。2着は中団の内から伸びたスリーキセキ(36.1秒)、3着は中団の外から伸びたパピヨンシチー(36.2秒)。勝ちタイムは今夏の札幌の断トツの最速タイム。雨で砂が流れたのか、さらに時計が出やすくなっている。エルムSは稍重なら勝ちタイムはかなり早くなりそうだ。レコードが出るかもしれない。

次に展開だが、逃げるのはマコトスパルビエロ、フサイチパンドラ。どちらも前走逃げて勝っただけにハナに行く手か。競り合いになれば流れは速くなり、早めに隊列が決まれば平均程度。1番人気のロングプライドと2番人気のメイショウトウコンは差し追い込みタイプ。それだけに2頭に有利な流れにはさせないという騎手心理が働き、過度な競い合いにはならないとみる。それでも3コーナーから激しいレースになれば、差し追い込み馬の台頭もありそう。前に行く馬は速いペースで飛ばしてバテない馬、差し追い込み馬は自分から動いて4コーナーで射程圏に入れられる馬というのが好走馬のイメージ。

今回の出走馬は色々と不安要素を抱えている馬が多い。馬インフルエンザに感染した馬はイブロン、フサイチパンドラ、マコトスパルビエロ、ブリーダーズGCを除外された馬はアルドラゴン、オリンピアンナイト、メイショウトウコン、中止になったしらかばSに出走を予定していた馬はイブロン、ドンクール、ハギノベルテンポ、マコトスパルビエロ、ブルーフランカー。馬インフルエンザは札幌記念をフサイチパンドラが勝ったが、その後の重賞では不振に終わっている。ただしもう1ヶ月も経つし、そろそろ影響が薄れるのではないか。イブロンの調教は確認できなかったが、フサイチパンドラとマコトスパルビエロは調教の動きが良かった。影響はほとんどなしか。

使うレースを使えなかった馬は影響が出ることが多い。追い切って出走態勢を整えると馬も競馬を意識する。それでレースがないと馬にストレスが溜まるようだ。ただし1ヶ月前のことなので、影響は薄れているという見方もできなくはない。逆にこれらに該当しないのは、ロングプライド、ハスフェル、アサカディフィートの3頭。ロングプライドは夏バテになったようで最終調教の動きは少し鋭さが不足していた。ただし能力のある馬だけにこのひと追いでピリッとしてくれば変わる可能性はある。ハスフェルは中2週で小倉から函館への輸送があったが、調教の動き、気配はマズマズだった。

アサカディフィートの調教は見れなかったが、それなりに動いた模様。近走は冴えないが、札幌記念ではメンバー最速の33.8秒で上がっている。敬老の日だけに9歳馬の激走があるかもしれないが、ダートの高速決着はどうか。あとはメイショウトウコンは武幸騎手が落馬負傷のため、テン乗りの池添騎手に乗り替わった。追い込み馬に乗せると上手い騎手なのでイメージは悪くはないが、乗り替わりはプラスではない。フサイチパンドラは藤田騎手が調整ルームで怪我をしたため、テン乗りの藤岡祐騎手に乗り替わり。調教をつけているが、乗りやすくない馬だけにやはりプラスではないだろう。

これらが外部条件。調教を見る限り調子が良さそうなのは、メイショウトウコンとフサイチパンドラ、それにマコトスパルビエロが続く。あとはこのメンバーで通用する実力があるかどうか、札幌ダ1700mの高速決着に対応できるスピードがあるかどうかがポイントになる。ちなみに土曜のアカシヤ特別を勝ったミネルバサウンドの持ちタイムは函館ダ1700m(不良)の1分45秒1。ダ1700mの高速決着に強い馬は、メイショウトウコン、マコトスパルビエロ、ハスフェルの3頭。フサイチパンドラはスピードがあるので対応する下地はありそう。ロングプライドは出遅れた沈丁花賞で1分45秒0。ただ本質的には時計の掛かる馬場の方が向く。

このあたりを総合的に判断して狙いたいのは、メイショウトウコン、マコトスパルビエロの2頭。。メイショウトウコンは斤量58キロと乗り替わりが不安材料だが、札幌ダ1700mは得意で小回り向きの末脚がある。前が残りやすい馬場で届かない懸念はあるが、各馬が早めに動いて厳しいレースになれば末脚を生かせる。調子の良さ、コース実績、実力を評価したい。マコトスパルビエロは馬インフルエンザの影響が気になるが、調教の動きは良かった。以前はズブさが目立った馬が、前走レコード勝ちしたことを評価したい。前走の1700m通過は推定1分43秒2以下。心肺面が高く早めに仕掛けても簡単にバテない。

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