神戸新聞杯
レース展望

菊花賞トライアル。今年から外回りの2400mに変更された。最近の勝ち馬はシンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、キングカメハメハ、ディープインパクト、ドリームパスポートと名馬が名を連ねる。菊花賞に向けて好レースを期待したい。過去10年で1番人気は[5-3-2-0]で8連対。全馬が3着以内を確保しており、最近は6年連続連対中。春のG1で連対した1番人気は崩れない。2番人気は[1-2-4-3]で3連対、3番人気は[3-2-0-5]で5連対。連対馬20頭のうち19頭が5番人気以内で馬連は10倍以下が7回、10倍台が2回と堅く収まっている。最終トライアルでレベルが高く、人気になる実績馬が結果を出す傾向い。

フサイチホウオーは4戦4勝で共同通信杯を勝った後、皐月賞3着、ダービー7着。皐月賞は後方からメンバー最速タイの33.9秒で追い込んだが届かなかった。最後の伸び脚は同じように皐月賞で3着に敗れたタニノギムレットを彷彿させたが、1番人気に支持されたダービーでは直線で伸びを欠き、1秒差の7着に沈んだ。レース前にテンションが上がり、折り合いを欠いたことが影響したと言われているが、敗因は他にもある。馬の本質を見抜ける人なら分かるだろう。今回はダービーの雪辱戦でかなり乗り込んでいるが、1週前はランペイアに遅れた。最終調教の動きに注目したい。

ヴィクトリーは皐月賞馬。皐月賞の1週前調教で放馬し、最終調教は気の悪さを出して終いバタバタだったが、レースでは2コーナーで先頭に立つとそのまま押し切った。外枠スタートから前半に脚を使い、道中ラップを落とさずに逃げ切るのは並の馬にはできない芸当。ちなみに00年以降の京都芝2000mの新馬戦でレースのラスト5Fが59.8秒を切った馬はクロフネ(59.6)、ザッツザプレンティ(59.7)、ダイワスカーレット(58.6)、ヴィクトリー(59.3)とみな3歳G1を制している。今回は帰厩が遅れたのは気になるが、馬が成長したのか、併せ馬ができようになっている。岩田騎手がどう乗るかがポイント。

ドリームジャーニーは朝日杯FSの勝ち馬。春は弥生賞3着、皐月賞8着、ダービー5着に終わったが、弥生賞は直線で前が詰まる不利、皐月賞は道中の隊列が縦長で4コーナーで馬群が圧縮されない展開、ダービーはヴィクトリーが出遅れたことで前に行った馬が有利な展開と敗因はある。ダービーは大外を回ってメンバー2位の33.1秒で上がったようにいい脚を長く使っている。父ステイゴールド、母の父メジロマックイーンという池江ブランドの馬。今回は武豊騎手を乗せてきた。朝日杯FSで「軽く飛んだ」という蛯名騎手のコメントが印象的。初の関西圏でのレース、56キロ、直線の長い外回りで飛ぶか。

アサクサキングスはダービー2着馬。内を通って前に行った馬が有利な馬場&展開を見方に福永騎手が馬の持ち味を上手く引き出した。母クルーピアスターは皐月賞1着、ダービー2着のジェニュインの全妹。クラシックで激走する血統的な背景はあった。今回は帰厩が遅れたため仕上がりと展開が鍵になる。ホクトスルタンは福島市制施行100周年記念2着の後、加藤和厩舎(美浦)から庄野厩舎(栗東)に転厩した。母ダイイチリカー、母の母ダイイチリカーが伊藤雄調教師の管理馬だったこともあるのだろう。転厩初戦の阿寒湖特別は逃げ切り勝ち。父はメジロマックイーン。横山典騎手は菊花賞で4年連続2着。

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