府中牝馬S
レース展望

エリザベス女王杯の前哨戦。過去10年で1番人気は[6-1-2-1]で7連対。01年にハイペースで前に行って失速したヤマカツスズランを除き3着以内を確保している。前走重賞で好走した1番人気は信頼度高い。2番人気は[1-1-2-6]で2連対、3番人気は[1-3-0-6]で4連対。連対馬20頭のうち18頭が5番人気以内で10番人気以下の連対はない。馬連は10倍台までが6回と堅く収まることが多く、荒れても中穴止まり。エリザベス女王杯の前哨戦になったことでメンバーのレベルが上がり荒れなくなった。重賞勝ちのある4歳馬、クイーンS好走馬、牡馬混合重賞で連対してきた馬が活躍している。

アサヒライジングはG1で2着が3回ある実績馬。今年は中山牝馬S13着、阪神牝馬S8着に終わったが、ヴィクトリアM2着、クイーンS1着と完全に立ち直った。クイーンSは3ヶ月ぶりの出走で馬体が12キロ増えてまだ絞れる体つきだったが、逃げてそのまま押し切った。シェルズレイが出遅れて流れが落ち着いたことが有利に働いたことは確かだが、ラスト5Fを58.6秒でまとめたようにそれだけではない。G1で勝ち負けしてきた地力があるからこその好走といえる。東京は[1-2-1-0]で複勝率100%。今回は柴田善騎手が負傷のため、テン乗りの北村宏騎手に乗り替わる。これがどう出るか。

ディアデラノビアは京都牝馬Sを4馬身差で圧勝し、G1での好走が期待されたが、ヴィクトリアM6着、安田記念14着、キャッシュコールマイル5着に終わった。ヴィクトリアMは1枠2番スタートから道中内の荒れた部分を通ったこと、直線でコイウタに前に入られたことが応えた印象。馬体は8キロ増で少し太かったか。メンバー最速の末脚を繰り出すことが多い馬だが、前3走はその末脚が影を潜めている。昨年の府中牝馬Sは1番人気で3着。テン乗りの北村宏騎手が騎乗し、メンバー最速の33.3秒で上がったが届かなかった。今回はテン乗りの横山典騎手。例によって最後方からの競馬か。少し展開の助けが欲しい。

アドマイヤキッスはマイラーズC4着、ヴィクトリアM7着、安田記念4着、クイーンS4着と堅実だが勝ち切れない。マイラーズCで458キロあった馬体が一戦毎に減りクイーンSでは440キロまで落ち込んだ。今回はどんな馬体で出てくるか。チューリップ賞1着、ローズS1着とG1の前哨戦に強いタイプ。わざわざ岩田騎手が遠征してくる。デアリングハートは昨年の勝ち馬。間隔の空いたクイーンSはテンションが高かったが、一度使うと落ち着きが出るタイプ。昨年のように前に行って切れる脚を使えれば面白いが、今年は展開が鍵。一昨年の勝ち馬ヤマニンアラバスタ、2連勝中の上がり馬でタキシャトルの半妹タイキマドレーヌにも注意したい。

[Home]