天皇賞(秋)
レース展望
3歳馬と古馬による秋の中距離王決定戦。過去10年で1番人気は[3-3-0-4]で6連対。以前は1番人気が不振で00年にテイエムオペラオーが勝つまで12連敗し、府中の2000mには魔物が棲むとよく言われたものが、00年以降は牝馬2頭を除くと[3-2-0-0]でG1実績のある牡馬は崩れていない。2番人気は[1-2-2-5]で3連対、3番人気は[1-0-1-8]で1連対のみ。連対馬20頭のうち14頭が4番人気以内だが、最近3年は13、14、7番人気と人気薄が必ず連対している。
馬連は10倍台までが4回あるが、80倍台1回、万馬券3回と荒れている。04、05年には牝馬2頭が3着以内に入り大穴をあけた。G1実績馬が強く連対馬20頭のうち17頭にG1連対があるが、最近2年はG1連対のないヘヴンリーロマンスとスウィフトカレントが連対したように絶対条件ではない。2頭は夏の芝2000m重賞の勝ち馬だった。連対馬20頭のうち18頭が前走5着以内。前走6着以下は古馬混合G1で連対がないと厳しい。穴で人気の盲点になったG1実績馬に注意。
アドマイヤムーンは[9-2-2-2]で武豊騎手が下手に乗った皐月賞、ダービー、天皇賞(秋)、クイーンエリザベス2世C以外は全て連対している。昨年の香港Cでは凱旋門賞でディープインパクトに先着したプライドにハナ差の2着。ドバイデューティーフリーではダイワメジャーを子供扱い。宝塚記念ではメイショウサムソンを外から力で捻じ伏せた。夏にはダーレーに40億円で売却。実績的には勝って当然だが、課題はそれなりにある。高額馬を仕上げる松田博厩舎、騎乗する岩田騎手はどんな気持ちか。
メイショウサムソンは馬インフルエンザで凱旋門賞を断念。休み明けは神戸新聞杯2着、産経大阪杯1着の実績から陣営は力を出せると判断した模様。昨年の神戸新聞杯でガツンと掛かったことを忘れたか。掛かったときに今の武豊騎手に抑え込めるのだろうか。G1で好走した4戦は皐月賞、ダービー、宝塚記念が渋った馬場、天皇賞(春)はメンバーが弱かった。昨年秋のG1は良馬場で4、6、5着。ただ体調面もあるか。今年のG1で武豊騎手は[1-0-1-11]。8頭が1、2番人気だった。
ダイワメジャーは昨年の勝ち馬。昨年秋以降は[4-0-3-1]で12着に惨敗した宝塚記念を除き3着以内を確保している。前走の毎日王冠は馬体が戻っていたが、外から2頭に差されて3着。息の入らない流れで59キロを背負って前に行き崩れなかったのは地力の証だが、2F目から10秒台のラップが2回続いたのは宝塚記念に続き2回目。先行馬としての死角を見せた可能性はないか。秋華賞で半妹のダイワスカーレットに楽をさせたのは誰だ。ダイワメジャーが勝つ流れは限られる。
ポップロックは昨年以降の国内では[5-3-2-0]で3着以内を確保。昨年の有馬記念ではダイワメジャー、メイショウサムソンに先着した。京都記念と宝塚記念はアドマイヤムーンに負けたが、どちらも渋った馬場。京都大賞典はインティライミに差されたが、スローの上がり勝負に対応できた。距離2000mの克服が課題だが、今年の目黒記念の最初の100mと遅い2Fを除くと1分58秒4。かなり強引だが、こなせる下地はなくはない。宝塚記念は力負けではないことをペリエ騎手の腕で証明するか。
毎日王冠をレコードで勝ったチョウサン、オールカマーの勝ち馬マツリダゴッホ、人気のあるコスモバルク、関屋記念で派手な追い込みを決めたカンパニー、関西圏・良馬場・芝2000mで[5-3-1-0]のローゼンクロイツ、札幌記念&毎日王冠2着のアグネスアーク、シンガポールのG1勝ち馬シャドウゲイトあたりが人気面で続きそう。毎日王冠を勝ったチョウサンは本物か、それともフロックか。今回は横山典騎手に乗り替わるが、これまで[5-1-0-2]と好相性。ただし今年のG1で横山典騎手は[0-0-0-10]と不振。
★出走馬の相馬眼的評価、本質、死角などの詳細は有力馬診断でお届けしています。
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