朝日杯FS
レース展望
2歳王者決定戦。過去10年で1番人気は[3-4-3-0]で複勝率100%。最近3年はペールギュント、ジャリスコライト、オースミダイドウが3着に敗れている。前走重賞を勝った1番人気は[2-4-1-0]で連対率86%と堅実。2番人気は[3-2-1-4]で5連対、3番人気は[0-1-1-8]で1連対のみ。過去10年1、2番人気のどちらかが必ず連対しており、現在2番人気が3連勝中。馬連は10倍台までが6回と多く堅く収まる傾向。連対馬20頭のうち19頭が前走3着以内。前走4着以下は[1-0-1-29]で唯一巻き返したのは新潟2歳S勝ち馬で京王杯2歳S5着のマイネルレコルト。前走勝って勢いに乗る馬に注目したい。
アポロドルチェは京王杯2歳Sの勝ち馬。スタートが遅く後方を進んだが、直線で外から豪快に伸びて一気に差し切った。上がり3Fはメンバー最速タイの34.9秒。外を回っていい脚を長く使い、最後にひと伸びしたように強い勝ち方だった。いちょうSは3着に敗れたが、後藤騎手が今後を考えてスローペースで敢えて控える競馬をしたもの。距離でも力負けでもない。ゴールした後は突き抜けていた。中山は芝1200mの新馬戦で楽勝したように問題ないが、課題があるとすれば外枠からロスのある競馬を強いられた場合か。後藤騎手&堀井厩舎は04年にマイネルレコルトで制している。
スズジュピターは東スポ杯2歳S2着。中団から外を回って伸びてスマイルジャックとの競り合いを制したが、フサイチアソートに内から不意を突かれた形。休み明け、初の芝1800m、外枠スタートから終始外を回ってきたことを考えると内容は悪くない。ダリア賞をレコード勝ちした後に新潟2歳Sに見向きもせず休養したことで馬体は成長していたが、当日は10キロ増で少し余裕があった。今回は叩き2戦目で上積みが期待できる。中山、右回りは初めてで勝負どころでズブいところが少し気になるが、地力はあるので立ち回り次第。今回は後藤騎手からテン乗りの柴田善騎手に乗り替わる。
ヤマニンキングリーは札幌芝1800mの新馬戦を12.0-11.6-11.2秒の尻上がりラップで楽勝した後、札幌2歳S9着、萩S8着に敗れた。札幌2歳Sは出遅れて1コーナーまでに脚を使い、3、4コーナーではごちゃついて後方に下がるロスがあった。萩Sは明確な敗因はないが、稍重の馬場と前に行き過ぎたことが影響したか。前走の黄菊賞は後方からメンバー最速の34.9秒で大外から豪快に差し切った。2着のトールポピーは先週の阪神JFを制している。小柄な牡馬だが、父アグネスデジタルからスジ力を受け継いだ。従姉のヤマニンシュクルは阪神JFの勝ち馬。2歳G1で激走する下地はある。鞍上は朝日杯未勝利の武豊騎手。
札幌2歳S2着が光るサブジェクト、デイリー杯2歳Sの勝ち馬キャプテントゥーレ、新馬、500万条件を連勝したエーシンフォワード、唯一抽選を突破したゴスホークケン、芙蓉Sでスマイルジャックに勝った牝馬フォーチュンワードあたりが人気面で続きそう。サブジェクトはデビューからアンカツが騎乗してきた馬。末脚は切れるが、展開と立ち回りが鍵。キャプテントゥーレはデイリー杯2歳Sは展開に恵まれただけに今回は真価が問われる。エーシンフォワードは2連勝が楽勝で競馬センスが良く自在性がある。ごちゃつきやすい中山マイルでこれは大きな武器になるかもしれない。福永騎手はエイシンプレストン、エイシンチャンプ、フサイチリシャールで朝日杯3連勝中。
ゴスホークケンは東スポ杯2歳Sで前に行った馬の中で最先着の4着。デビュー2戦目で12キロ増。馬が柔らか過ぎて仕上げられないのか。潜在能力は高いので、仕上がり具合が鍵になる。フォーチュンワードは中2週&長距離輸送のある阪神JFを嫌って牡馬との対戦を選んだ。京王杯2歳Sは出遅れて最後方から追い込み4着。稍重で最後方からでは厳しかった。今回はスタートを決めて内から捌いて来れれば。東京芝1800mの新馬戦を勝ったオーロマイスターは抽選で除外。相馬眼的にこのメンバーでは力が抜けていた可能性があるが、JRAはなぜ出走させないのだろう。不利な大外枠でも勝てるレベルの馬。
中山芝1600mの外枠はコースロスが大きく、多頭数になるほど不利。過去10年の朝日杯FSで7枠[0-0-2-18]、8枠[0-1-0-18]と不振。8枠から唯一連対したのは4戦4勝で重賞2連勝中のメイショウボーラー。このレベルの馬でようやく2着だったが、テン乗りのペリエ騎手で掛かったこともある。基本的には不利だが、絶対に勝てないという枠ではない。先週の阪神JFは各メディアが内枠から内を通った馬が有利と報じたが、結果は全く違った。馬場造園課の設定次第で馬場傾向は変わる。馬場をよく見極めた上で柔軟に対応したいところ。今年は混戦模様。枠順、展開次第で波乱もある。
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