京都金杯
レース展望

関西の年明けを飾るマイル重賞。00年に2000mから1600mに変更された。距離変更後8年で1番人気は[3-2-0-3]で5連対。単勝2.9倍以内は[3-2-0-0]で連対率100%。単勝3倍以上は危険。2番人気は[0-0-2-6]で連対なし、3番人気は[2-1-1-4]で3連対。2番人気は年齢、性別、実績に関わらず不振。最近4年は7番人気以下の人気薄が必ず連対し波乱傾向が強まっている。トップハンデは[2-0-1-11]で2連対。3着以下に敗れた12頭のうち8頭にはG1連対がなかった。G1実績のないトップハンデは危険。前年のマイルCSで人気になった馬と京都芝1600m実績のある馬が活躍している。

アドマイヤオーラは復帰戦の鳴尾記念で0.1秒差の3着。中団の後ろを進み、直線に向くと絶好の手応えで追い出すを我慢したが、いざ追い出すと伸び切れなかった。手応えが良過ぎてアンカツが過信した感もあるが、骨折&熱発の影響があったのだろう。馬体の仕上がりは悪くなかったが、ひと叩きされた次走はさらに良くなりそうな雰囲気があった。京都芝外1600mはシンザン記念でダイワスカーレットを差し切った舞台。叩き2戦目、アンカツ2度目の騎乗で完全復活するか注目したい。昨年の3歳牡馬は低レベルと言われたが、アドマイヤオーラ、ロックドゥカンブ、ココナッツパンチのレベルは低くない。

キンシャサノキセキは13戦のうち9戦が1番人気と人気になりやすいタイプ。一昨年のマイルCSでは5着に善戦したが、重賞では[0-0-2-4]で未だ未勝利。1200mでは忙しく、マイルでは折り合いを欠く乗り難しいタイプだが、前走のキャピタルSでは大外18番から好位で折り合って直線で抜け出し後続を完封するというこれまでのイメージを払拭する走りを見せた。ようやく能力に心身が追いついてきたようだ。昨年の京都金杯は1番人気で6着に敗れたが、完全に折り合いを欠いていた。今回は[2-0-1-0]と相性のいい藤田騎手。折り合いをつけて切れる馬を完封できるタイミングでスパートしたい。

エイシンドーバーは秋に復帰後、マイルCS7着、阪神カップ4着と善戦止まりだが、使いながら着実に良くなっている。阪神カップは2番人気に支持されたが、流れが緩んで切れ味が問われたことで最後に切れ負けした形。それほど切れる脚がないため、位置取り、追い出しのタイミングがピッタリ嵌らないと勝ち切れない面があるようだ。京都金杯は3年連続出走で前2年は4位降着(12着)、2着。直線で外からスパッと抜かれるようなレースではなく、各馬横一戦での叩き合いでしぶとさが問われるレースになれば。今回は福永騎手から藤岡祐騎手に乗り替わる。58キロの克服が鍵。

ディアデラノビアは愛知杯でトップハンデ57キロを背負って差し切り勝ち。4コーナーから直線で外に出せず馬群に突っ込んだが、鋭く伸びてラスト3Fを尻上がりラップできっちり差し切った。生ズルい面のある馬だけにテン乗りのルメール騎手も良かったのだろう。過去10年の牝馬限定ハンデ重賞で57キロ以上を背負って勝ったのは、愛知杯のディアデラノビアのみ。G1で上位争いしてきた実績はダテではなかった。京都芝外1600mは昨年の京都牝馬Sで2着に4馬身差をつけて圧勝したコース。今回の56.5キロは牡馬換算で58.5キロで実質トップハンデ。楽な斤量ではないが、武豊騎手がどう持ってくるか。

エイシンデピュティは叩き3戦目の鳴尾記念で2着。春のオーストラリアTと同じようなスローの上がり勝負で逃げてしぶとく粘った。天皇賞(秋)で他馬に迷惑をかけたこともあり、陣営は巻き返しに必死だったようだ。今回も[2-1-0-0]と相性のいい岩田騎手。持続力のある末脚を最大限に生かすレースができれば。サクラメガワンダーは単勝1.5倍の断然人気に支持されたアンドロメダSで0.1秒差の3着。内で包まれて追い出しが遅れたのが響いたが、2000mでは最後に少しジリっぽくなる感もある。昨年の京都金杯(稍重)は2番手から粘って3着。パンパンの良馬場なら変わる余地はある。

6戦4勝の実力馬で今回と同じ京都芝外1600mのデイリー杯2歳S勝ちがあるオースミダイドウ、ゴールデンホイップTを制したカネトシツヨシオー、相手なりに走るリキッドノーツ、フィールドベアーあたりが人気面で続きそう。オースミダイドウは骨折長期休養明けでどこまで仕上がってくるかが鍵。元々イレ込みやすいタイプだけに当日の気配に注意したい。カネトシツヨシオーは阪神カップを使ったのが余計だった気もするが、昨年ゴールデンホイップTを勝ったエイシンドーバーが京都金杯で2着したようにガチンコ勝負になるWSJSを勝ってきた馬は侮れない。今開催の京都は8日間ともBコースで行われる。当日の馬場傾向に注意。

[Home]