フェブラリーS
レース展望

ダートマイル王決定戦。過去10年で1番人気は[5-0-0-5]。。勝った5頭はG1連対のある4〜5歳の関西牡馬。負けた5頭は関東馬、6歳以上、初ダート、前走ダ1200mのいずれかに当て嵌まる。2番人気は[1-4-1-4]で5連対、3番人気は[1-2-0-7]で3連対。99年以降は1、2番人気のどちらかが必ず連対しており、00年以降の連対馬は全て5番人気以内。人気馬が堅実で馬連は10倍台までが7回と堅く収まることが多い。ダートのG1級が揃うハイレベルなレース。ダート重賞実績馬でないと通用しない。関東馬は[1-0-5-35]で98年以降連対がなく不振。穴で人気の盲点になったG1実績馬に注意。

今年は4歳馬が4頭出走するが、5歳馬の出走はなく、6歳馬が6頭、7歳以上が6頭と高齢馬が多い。過去10年の年齢別成績は4歳[3-5-0-26]で連対率23.5%、5歳[6-2-3-27]で連対率21.1%、6歳[1-1-5-41]で連対率4.2%、7歳以上[0-2-2-35]で連対率5.1%。4、5歳馬の活躍が目立つ。高齢馬は不振だが、特に1〜3番人気の6歳馬は[0-1-1-7]で1連対と不振。アドマイヤドンは5着、シーキングザダイヤは9着に沈んだ。今年はヴァーミリアン、フィールドルージュ、ワイルドワンダー、メイショウトウコンと人気になる馬がみな6歳馬。データ的に危険な匂いがするが、主力の5歳馬がいない特殊な年なら問題ないか。

ヴァーミリアンは昨年の川崎記念から国内G1を4連勝中。昨年はG1を4勝し、最優秀ダートホースに選ばれた。ジャパンCダートは後方からメンバー最速の36.2秒で差し切り勝ち。勝ちタイム2分6秒7は従来のレコードを1.3秒更新するレコードだった。東京大賞典は他馬を全く寄せ付けず4馬身差で圧勝。ダート交流重賞は6戦6勝で負けたことがない。ダ2000m以上では絶対的な強さがあるが、今回は東京ダ1600mで06年のフェブラリーSでは5着に敗れている。さらに川崎記念を球節炎で取り消した影響が気になるところ。武豊騎手とは相性が良く[7-3-0-0]で連対率100%。今年の重賞で武豊騎手は[0-1-0-7]。

フィールドルージュは昨年夏に横山典騎手が騎乗してから[4-1-0-1]で現在交流重賞を2連勝中。4歳時から相馬眼的に評価してきた馬だが、道中の行きっぷりが良くなりようやく本格化した。ジャパンCダートは中団から内を突いて抜け出したが、外からヴァーミリアンに差されて2着。負けはしたが、地力の高さは示した。川崎記念は逃げたフリオーソをマークして最後は力で捻じ伏せG1初制覇。ヴァーミリアンがいてもという走りだった。東京ダ1600mはフェブラリーS5着、武蔵野S3、4着と善戦止まりだが、後方から切れる脚を使っている。昨年の武蔵野Sの上がり3F34.8秒は究極の末脚だった。

ワイルドワンダーは昨年以降、ダート[4-2-1-1]で距離が長かったジャパンCダート以外は3着以内を確保。ダ1400〜1600mは[6-2-1-0]、東京ダ1400〜1600mは[4-1-0-0]で根岸S1着、武蔵野S2着がある。武蔵野Sは脚抜きのいい馬場が得意なエイシンロンバードの逃げ切りを許したが、岩田騎手が騎乗した根岸Sでは中団からメンバー最速タイの35.6秒できっちり差し切った。今回は根岸Sとはメンバーが違うため、もうワンパンチ欲しい感もあるが、通用する下地はある。岩田騎手とは相性が良く[3-1-0-1]でジャパンCダート以外は連対している。岩田騎手は今年の重賞[3-0-1-4]で勝率37.5%。

メイショウトウコンはダート[6-2-1-2]で昨年のフェブラリーSで11着に敗れた以外は4着以内を確保。昨年のエルムSは58キロを背負い、後方から捲くってメンバー最速の34.5秒という芝並みの末脚を使い3馬身半差で圧勝した。その後はジャパンCダート4着、東京大賞典3着とヴァーミリアンに完敗したが、長距離輸送しても馬体が大きく減らなくなり、左回りの東京コースにも目処を立てた。前走の平安Sは2着に敗れたが、58キロを背負って外から捲くりメンバー最速の36.3秒で上がったように内容は悪くない。馬体は6キロ増えて充実していた。昨年は11着に終わったが、今年は当時とは馬が違う。

地方交流G1-6勝の実績馬で昨年追い込んで2着に突っ込んだブルーコンコルド、ダート重賞で堅実に走っているロングプライド、昨年のシリウスSの勝ち馬ドラゴンファイヤー、平安Sでメイショウトウコンに勝ったクワイエットデイあたりが人気面で続きそう。ブルーコンコルドはJBCクラシック4着、ジャパンCダート7着、東京大賞典5着と善戦止まりが続いている。以前は距離をこなしたが、年をとって本質が徐々に出てきたのだろう。ダ1400〜1600mは[10-2-0-7]でダ1600mのG1は[4-2-0-2]。今年8歳になったが、ダ1600mで見直す余地はある。ただし東京ダートは[1-1-0-7]で2連対のみ。昨年のパフォーマンスを発揮できれば。

ロングプライドは良馬場では[4-1-0-0]だが、馬場が渋ると[1-1-2-2]で連対率は33%に落ちる。昨年の武蔵野Sは見せ場なく9着に終わったが不良馬場だった。脚抜きが良く時計の早い馬場は苦手だが、力のいる良馬場なら堅実に走る。メンバーは強いが、過去10年のフェブラリーS[2-3-1-3]で複勝率66.7%のペリエが騎乗するのは魅力。ドラゴンファイヤーは除外対象だったが、ダイワスカーレットの回避で滑り込んだ。しかも鞍上にアンカツを確保。東京ダ1600mは[2-1-0-0]で500万条件を勝ったときのタイムはユニコーンSより0.1秒早かった。前走の平安Sは出遅れてまともな競馬をしていない。

クワイエットデイは平安Sでダート重賞2勝目を挙げた。内枠スタートから内ラチ沿いをロスなく回ってきたことがかなり有利に働いた。京都ダ1800mの渋った馬場では[3-2-0-0]だったように馬場も見方した。全てが噛み合っての勝利だが、稍重以上のダートでは[7-3-3-1]と滅法走るので注意したい。管理する松元省調教師は2月で勇退するため、フェブラリーSがラストG1になる。地方からは昨年の東京ダービー馬アンパサンド、昨年のフェブラリーS3着馬ビッググラス、昨年のJBCスプリントの勝ち馬フジノウェーブの3頭が出走する。全馬が力を出し切るフェアなレースを期待したい。好メンバーが揃い、レースが楽しみだ。

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