中山記念
レース展望
今年で第82回を迎える歴史のあるレース。過去10年で1番人気は[4-1-1-4]で5連対。4歳[4-0-1-1]、5歳[0-1-0-2]、6歳[0-0-0-1]で全4勝は4歳馬。2番人気は[1-1-1-7]で2連対、3番人気は[0-4-1-5]で4連対。連対馬20頭のうち16頭が5番人気以内。馬連は10倍台までが7回と堅く収まることが多い。馬連万馬券はない。連対馬20頭のうち19頭に芝1800Mで勝ち星があり、そのうち8頭が芝1800Mで2勝以上を挙げていた。距離実績を重視したい。東西別では関東馬[8-8-4-56]、関西馬[2-2-6-44]で関東馬が優勢。連対した関西馬4頭は3番人気以内の人気馬。関西馬は人気馬に注目。
エアシェイディはAJCCで重賞初制覇。中山金杯は外を回るロスがあり2着に敗れたが、AJCCは内枠スタートからロスなく回って馬群を捌いてきたことが功を奏した。ここにきて器用さと機動力が出てきたのは好印象。未勝利戦以来となる中2週でビッシリ追ってこれまでの最高体重となる490キロで重賞を制したように7歳馬でも今充実している。中山記念はホクトヘリオス、キングヘイロー、アメリカンボスなど、それまで勝ち切れなかった馬が重賞を2連勝することが多いレース。メンバーは揃ったが、AJCCのようなレースができれば好勝負できそうだ。昨年58キロで2着したように斤量はこなす。枠順がひとつのポイント。
カンパニーは天皇賞(秋)3着、マイルCS5着、東京新聞杯4着と善戦止まりが続いている。東京新聞杯はメンバー2位の33.6秒で伸びてきたが、出遅れ気味のスタートで位置取りが悪くなり、直線で他馬と接触しスムーズさを欠いたのが応えた印象。マイルCS、東京新聞杯とスタート後に進んでいかないのは、年を取って馬がズルさを覚えたからか。そこが少し気になるところ。今回は58キロが4頭いる中、57キロで出走できるのは有利。中山記念は過去に好走した馬が再度好走することが多いレース。カンパニーは05年の中山記念で内から捌いて2着に突っ込んでいる。今回は横山典騎手に乗り替わる。
マルカシェンクは復帰後、ニューイヤーS1着、小倉大賞典2着。小倉大賞典は正攻法の競馬で力を出し切ったが、最後はアサカディフィートの末脚に屈した。最後の止まり方を見るとベストは芝1600mかもしれないが、芝1800mは適距離の範囲。以前のガツンとした感じが戻っていれば。今回は北村宏騎手に乗り替わる。コンゴウリキシオーは毎日王冠6着、香港マイル9着に終わったが、春の安田記念ではダイワメジャーのクビ差2着に食い下がりG1級のパフォーマンスを見せた。500キロを超える大型馬で休み明けは[0-1-0-3]だが、芝1800mは[3-0-0-1]の得意距離。開幕週の馬場はいいが、ヨイチサウスとの兼ね合いが鍵になる。
毎日王冠でダイワメジャーを差し切ったチョウサン、小倉大賞典を2連覇した10歳馬アサカディフィート、最近は善戦止まりも芝1800m[1-3-0-0]で連対率100%のエイシンドーバー、東京新聞杯で2着に激走したリキッドノーツあたりが人気面で続きそう。チョウサンは秋のG1は不振に終わったが、天皇賞(秋)は最後方、ジャパンCと有馬記念は逃げと本来の競馬をしていない。今回は毎日王冠を勝ったときの松岡騎手。中山、58キロでも一変する可能性があるので注意。アサカディフィートは小倉大賞典で10歳馬とは思えない派手な追い込みを決めた。今回はヨイチサウスとコンゴウリキシオーがやり合えば流れが向きそうだ。
トラストジュゲムには今週デビューする新人の三浦皇成騎手が騎乗する。三浦皇騎手は騎手学校時代は「模範賞」と「アイルランド大使特別賞」を受賞し、教官に「今までデビューさせた騎手の中でも技術はトップクラス」と言わしめた騎手。デビュー週の重賞騎乗は97年のマイラーズCでオースミタイクーンに騎乗して勝った武幸騎手以来となる。最終調教では新人とは思えないフォームで追えるといったイメージ。トラストジュゲムは最終調教の動きが目立ち仕上がりは良さそう。このメンバーを相手に初芝では厳しいが、サプライズの可能性はある。中山芝1800mは適性の問われるコース。適性のある馬の激走に要注意。
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