阪急杯
レース展望
高松宮記念の前哨戦。06年に距離が1400mに変更され、芝1400〜1600mが得意な馬が揃うようになった。06年はオレハマッテルゼ、昨年はスズカフェニックスが阪急杯3着をステップに高松宮記念を制している。オレハマッテルゼとスズカフェニックスは高松宮記念が初の芝1200mだったが、高松宮記念は流れが緩むとマイラータイプの差し馬が活躍する傾向がある。今年も高松宮記念に向けて注目のレースになる。過去2年の阪急杯で1番人気はオレハマッテルゼ3着、キンシャサノキセキ4着。06年は11番人気のブルーショットガンが勝ち、波乱になった。ブルーショットガン(7歳)、プリサイスマシーン(8歳)など、最近は高齢馬の活躍が目立つ。
スズカフェニックスは昨年本格化し高松宮記念を制した。阪神芝1400mは阪神カップ1着、阪急杯3着がある。前走の阪神カップは中団の後ろからメンバー2位の34.1秒で差し切り勝ち。昨年の阪急杯は芝1400mが初めてで武豊騎手が手探りの騎乗だったが、阪神カップは芝1400mを一度経験したことで乗りやすかったようだ。休み明けのスプリンターズSは馬体がガレて調子が落ちていたが、橋田調教師が上手く立て直して阪神カップでは本調子に戻っていた。今回は休み明けで59キロを背負い、かつ目標は次の高松宮記念という状況。どこまで仕上げて、レースで本気に勝ちに来るかが鍵。
キンシャサノキセキは2走前のキャピタルSでは大外枠でも速い流れで折り合いがついたが、前走の京都金杯は緩い流れで道中掛かって直線で失速し10着に終わった。まだ精神的に危うい面があるようだ。マイルもこなせるが、流れが速くなるという点で芝1400mの方がいい。芝1400mは[2-0-0-2]で桂川Sと谷川Sで強い勝ち方をしている。昨年の阪急杯は直線で伸び切れず0.2秒差の4着。スタートで挟まれて後方から追い上げるのに脚を使ったことが応えているが、直線の坂も微妙に影響したか。今年はスズカフェニックスと3キロ差で斤量は有利。今年の重賞でアンカツは[4-2-1-2]で複勝率77.9%。
ローレルゲレイロは東京新聞杯で重賞初制覇。道中アポロノサトリにハナを奪われたが、直線半ばに先頭に立つとそのまま押し切った。上がり3Fは34.9秒でメンバー最速のリキッドノーツ(2着)とは1.5秒差。直線でアポロノサトリが後退して後続がごちゃついたことなど恵まれた面もあった。昨年の阪神カップは逃げて0.2秒差の4着。前走のデキをキープできれていれば堅実に走りそうだ。マルカフェニックスは未勝利から4連勝でオープン入り。一戦ごとにパフォーマンスを引き上げており、厳しいレースになっても最後までしぶとく伸びてくる。重賞初挑戦で距離が1400mになるが、今の勢いでどこまで通用するか。
阪神カップ1着、スワンS2着の実績があるフサイチリシャール、シルクロードSは前に行き過ぎて9着に敗れたペールギュント、阪神芝は[2-2-0-1]でポートアイランドSとファイナルSを勝っているアンブロワーズ、昨年のオークス馬で京都牝馬Sをひと叩きされたローブデコルテ、勝ち切れないが相手なりに走るシンボリグランあたりが人気面で続きそう。フサイチリシャールは阪神カップで12着に終わったが、鮫島良騎手では[0-0-0-5]と全く結果が出ていない。今回は川田騎手なら見直す余地はある。ローブデコルテは福永騎手が中山記念のカンパニー、マルカシェンクに騎乗しないところが不気味。昨年の紅梅S(京都芝1400m)は強い勝ち方だった。
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