弥生賞
レース展望

今年の3歳世代は未だ重賞を2勝した馬はいない。ダートではハイパフォーマンスを発揮する馬が次々に出ているが、芝では低調なレースが目立つ。ただし相馬眼的に評価できる素質馬は多く、ダービーの頃にはこんなにレベルの高い世代だったのかと驚くこともありそう。今後のレースで素質馬が軌道に乗ってくるとクラシックが面白くなる。過去10年で1番人気は[5-1-1-3]で6連対。キャリア3戦以内は[4-1-0-1]で連対率83%に対し、4戦以上は[1-0-1-2]で連対率25%。キャリア3戦以内の高素質馬は信頼度が高い。今年の1番人気はフサイチアソート(キャリア2戦)か、それともマイネルチャールズ(キャリア6戦)か。

2番人気は[4-2-3-1]で6連対、3番人気は[0-3-0-7]で3連対。連対馬20頭のうち18頭が5番人気以内。残る2頭は06年のグロリアスウィーク(6人気)と昨年のココナッツパンチ(6人気)。8番人気以下は[0-0-0-48]で3着以内がない。馬連は10倍台までが7回とかなり堅い。連対馬20頭のうち昨年のココナッツパンチを除く19頭が2勝以上を挙げており、18頭が前走連対していた。前走連対を外した馬は厳しいが、今年は未だ重賞を2勝した馬がいない特殊な年でデータが通用するかどうか。過去10年で武豊騎手は[4-3-0-2]で連対率77.8%。現在ディープインパクト、アドマイヤムーン、アドマイヤオーラで3連勝中。

フサイチアソートはキャリア1戦で臨んだ東スポ杯2歳Sを差し切り勝ち。メンバー2位の34.2秒で馬群を割って鋭く伸びてスズノジュピターとスマイルジャックを差し切った。東スポ杯2歳S組は3着スマイルジャックがきさらぎ賞2着、4着ゴスホークケンが朝日杯FS1着、5着タケミカヅチが共同通信杯2着、6着ベンチャーナインが京成杯2着、9着ダンツキッスイがアーリントンC1着とその後の重賞で活躍が目立っている。そのあたりからもフサイチアソートは人気になりそう。横山典騎手は4週連続で調教に騎乗しており皐月賞までは騎乗する予定。先週の中山記念はアッと驚く先行策でカンパニーを勝利に導いたが、今週はどんな騎乗を見せるか。

マイネルチャールズはホープフルSと京成杯を連勝。京成杯では4コーナーから直線でアイティトップに外からマークされて行き場を失いかけたが、狭いスペースを割ってしぶとく伸びてきた。松岡騎手が持ち味を引き出したが、直線では強引な追い方で少し危険な感じもした。ホープフルSではブラックシェルに競り勝ったように勝負根性があり並ぶと強いタイプ。レースを使いながら少しずつ馬体が減ってきているが、京成杯のパドックでは細くはなく、活気があり気配は良かった。今回はさらにメンバーは強くなるが、中山芝2000mは[2-1-0-0]の巧者。完成度が高く、順調に使われている強みを発揮するか。

ブラックシェルは1番人気に支持されたきさらぎ賞は7着に敗れた。出遅れて最後方から大外をブン回してメンバー最速の34.5秒で伸びてきたが、勝ち馬に0.3秒差まで追い上げるのが精一杯。4コーナーでは大きく外に振られるロスもあり、直線に向いたときは致命的な位置取りだった。返し馬で馬場に出た後にイレ込んだことが出遅れに繋がったようだ。馬体が10キロ増えて少し重めだった影響もあったか。ホープフルSではマイネルチャールズに負けたが、有馬記念の日で外を回った馬が不利な馬場だった。賞金的に3着以内に入らないと皐月賞出走は厳しくなる。武豊騎手がどう乗るか。

未勝利と若駒Sを連勝したアインラクス、東スポ杯2歳Sで2着が光るスズジュピター、京成杯で最後方から2着に突っ込んだベンチャーナイン、共同通信杯で内をロスなく回って2着に激走したタケミカヅチ、新馬戦でブラックシェルを差し切ったダイシンプラン、朝日杯FS3着馬キャプテントゥーレあたりが人気面で続きそう。アインラクスは競馬センスが良く、自在性があり、末脚がしっかりしている。馬体の線が少し細いが、それがタフな中山でどう出るか。スズジュピターは中山で不振が目立つタニノギムレット産駒。先週の中山記念でエアシェイディに騎乗しスムーズさを欠いて3着に敗れた後藤騎手が如何に捌いてくるかに懸かっている。

[Home]