大阪杯
レース展望
阪神芝2000mの別定G2。過去10年で1番人気は[7-1-0-2]で8連対。連対を外したのは01年テイエムオペラオー4着(休み明け、59キロ)と06年ローゼンクロイツ5着(重馬場)。2番人気は[0-2-2-6]で2連対、3番人気は[2-3-1-4]で5連対。連対馬20頭のうち17頭が4番人気以内で人気馬が堅実。馬連は10倍以下が7回と堅く収まることが多い。連対馬20頭のうち15頭に芝中距離重賞勝ち、残る5頭のうち3頭に同2着があった。オープン入り直後の馬を除き、芝中距離重賞実績のない馬では通用しにくい。59キロを背負った馬は[2-3-2-5]で連対率42%。昨年は前年の2冠馬メイショウサムソンが制している。
ダイワスカーレットはこれまで9戦して[6-3-0-0]で連対を外していない。桜花賞から4連勝で臨んだ有馬記念は2番手からしぶとく伸びてマリリダゴッホに0.2秒差の2着。牝馬による有馬記念連対は94年のヒシアマゾン以来13年ぶりだった。マツリダゴッホは先週の日経賞を圧倒的なパフォーマンスで楽勝し、有馬記念がフロックでなかったことを証明した。目の外傷でフェブラリーSとドバイ遠征を見送ったが、その後は順調に乗り込まれている。復帰戦のここが目標ではないが、このレベルの馬に無様なレースをさせる訳にはいかない。アンカツはスカーレットブーケの仔に騎乗すると[13-6-3-4]で複勝率84.6%。G1は7勝。
メイショウサムソンは昨年天皇賞春秋連覇を達成。ジャパンCは内を回った天皇賞(秋)と違って外を回るロスが響いて3着に敗れた。有馬記念は内を通った馬が有利な馬場で1枠1番を生かすことができず、外を回って8着に敗れた。馬場読みに優れた武豊騎手を持ってしても乾いていく途中の馬場は読みにくかったようだ。ただし冬場は馬体が厚ぼったくなり、距離が延びると最後にジリっぽくなるタイプだけにそのあたりの影響もあったのだろう。昨年の大阪杯は59キロで勝ったが、逃げたシャドウゲイトを交わすのに苦労した。芝2000mは[3-1-0-0]で連対率100%。この距離は得意。
サンライズマックスは芝2000mの500万、1000万、中京新聞杯を3連勝で重賞初制覇。若葉Sで後の皐月賞馬ヴィクトリーにクビ差まで迫ったのはやはりダテではなかった。中京新聞杯のレースのラスト3Fは11.9-11.8-11.4秒と尻上がり。ラスト11.4秒に加速したが、最後はまだ余裕があった。芝2000mの重賞をラスト3F11秒台の尻上がりラップで勝った馬は、最近では皐月賞のディープインパクトと札幌記念のアドマイヤムーン。サンライズマックスはG1級に育つ可能性があるが、斤量が53キロと軽く、開幕週で時計の出やすい馬場だった。今回は一気にメンバーが強化されるため試金石。斤量差を生かしてどこまでやれるか。
アサクサキングスは昨年の菊花賞馬。ダービーは牝馬のウオッカに負けたが、菊花賞ではダービー2着馬の意地を見せた。休み明けで59キロは楽ではないが、天皇賞(春)に向けて好スタートを切りたい。ドリームパスポートは堅実に走るタイプだが、最近は6、5、4着と馬券に絡めずに終わっている。以前より詰めが甘くなっているが、芝2000mは[1-3-0-0]でメイショウサムソンと差のない競馬をしている。メイショウサムソンより2キロ軽い57キロは有利。ここで変わっても何ら不思議はない。インティライミは朝日CCと京都大賞典で強い勝ち方をしたが、その後は尻つぼみ。ひと息入れたことで立ち直っていれば。
大阪杯は頭数が揃いにくく、今年も11頭と少なくなったが、いきなりG1-3勝のダイワスカーレットとG1-4勝のメイショウサムソンが対決する。有馬記念は紛れのある馬場で2頭とも全力を出したとは言い難いだけにここでどんなレースを見せてくれるか楽しみだ。ダイワスカーレットとメイショウサムソンはスピードの持続力があり底力も備えている。1996年の阪神大賞典はナリタブライアンとマヤノトップガンによる火の出るようなマッチレースになり、平成の名勝負と語り継がれているが、今年の大阪杯のダイワスカーレットとメイショウサムソンもマッチレースになる可能性がある。鞍上はアンカツと武豊騎手。好レースを期待したい。
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