競馬アナリストGM
アンタレスS
レース回顧
ワンダースピードは3番手を進み、直線で余裕を持って追い出すと一気に抜け出してレースを制した。前半5F62.0秒のスローペースで前残りの展開になったが、楽なペースで逃げたフィフティワナーがマルブツリードにずっとプレッシャーをかけられたのに対し、ワンダースピードはノーマークで3番手の外をスムーズに進められた。展開が向いたのは事実だが、上がりをメンバー3位タイの36.1秒でまとめたようにそれだけではない。差し追い込み一辺倒ではなく、展開に左右されないのは大きな強み。今回は脚部不安明けで馬体が6キロ減っていつもよりスッキリ見せていたように絶好調ではなかったが、地力の高さを見せつける結果になった。重賞制覇で賞金を加算できたことで今後は出たいレースに出走できる。今年から阪神ダ1800mで行われるジャパンCダートに向けて視界良好。
ドラゴンファイヤーは中団の少し前を進み、直線で外からしぶとく伸びて2着に入った。シリウスSを勝ってから不振に陥っていたが、今回からチークピーシーズをつけたこと、上がりの競馬になったことで一変した。高速決着に不安があるだけにパサパサのダートで時計が掛かったことも良かったのだろう。これまでの実績から夏馬タイプといった感があるので、暖かくなってきたことも良かったか。ただしパドックでは前走からの変わり身は乏しかっただけにこの結果をそのまま鵜呑みにはできない。次走は状態面に注意を払いたい。パドックで活気があり過ぎると良くない。
サンライズバッカスは後方からメンバー最速の35.5秒で追い込んで3着まで追い上げた。人気各馬がスローペースを考慮して早めに捲くる中、アンカツが直線勝負に徹したことが功を奏した印象。挫石で休養した後で調教の動きがパッとせず、馬体も少し太めだったが、メンバー最速の35.5秒で上がったのは地力の証し。昨年のフェブラリーSを勝った後は[0-0-4-2]で3着が多く勝ち切れないが、流れが向けば突き抜ける末脚&地力があるため注意したい。アンカツが完全に手の内に入れているため、今後も大崩れはなさそうだ。
フィフティーワナーはスローペースで逃げたが、直線で一杯になって4着。道中ずっとマルブツリードにマークされてプレッシャーをかけられたことが応えた印象。全盛期ならそれでも逃げ切れるのだろうが、まだそのときのデキにはないのだろう。使いながら馬体、気配は良くなってきているが、前2走で少しずつ底が割れてきた感もある。ただし今回、馬体が大きく増えて全体的なバランスが良くなったのは好印象。順調に使っていけば、どこかで大駆けがありそうだ。
ロングプライドは後方を進み、外から早めに捲くったが、直線で伸び切れず7着。スローペースを考慮して武豊騎手が早めに動いたが、それでも届かなかった。大外を回って上がり3Fは36.1秒でこれは勝ったワンダースピードと同じ。仕上がりは良かったが、あまりに展開が向かなかった。スタートは遅かったというより、武豊騎手が控えた感じでそれも結果的にマイナスだった。良馬場の京都ダ1800mはベストの条件だが、展開に左右される面がある。実績のない57キロも微妙に応えたか。
メイショウトウコンはいつものように後方から捲くったが、直線で一杯になり14着に終わった。休みなく使われて今回は6戦目。右回りのダートではこんな負け方をしたことはないだけに懸念された激戦の疲れが出たか。ただしパサパサに乾燥したダートは得意ではなく、武幸騎手のコメントからのその影響があったようだ。非力な面があるだけに脚抜きのいいダートがベストなのだろう。地力はあるが、今回のような乾いたダートでは注意したい。
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