競馬アナリストGM
天皇賞(春)
レース展望
最強ステイヤー決定戦。過去10年で1番人気は[4-0-2-4]だが、最近5年では[1-0-1-3]で連対したのは単勝1.1倍のディープインパクトのみ。2番人気は[3-1-3-3]、3番人気は[0-4-0-6]で各4連対。以前は人気馬同士で堅かったが、最近5年の連対馬10頭のうち6頭が7番人気以下の人気薄。馬連は164.9倍、366.8倍、850.2倍、3.8倍、207.5倍でディープインパクトが勝った06年以外は全て万馬券と大荒れ。菊花賞もそうだが、最近の長距離G1は波乱傾向が強い。6番人気以下で連対した7頭のうち4頭に芝3000m以上の重賞で連対があった。人気の盲点になった長距離重賞実績馬に要注意。
アサクサキングスはダービーでは牝馬ウオッカの切れ味に屈したが、菊花賞でダービー2着がフロックでなかったことを証明した。ただしレースのラスト3Fは11.6-11.9-12.7秒でラスト1Fが急激に落ちており、ロックドゥカンブの位置取りに助けられた面もある。大阪杯は休み明け、太め残り、59キロでダイワスカーレットを負かしに行って0.2秒差の3着。今回は叩き2戦目、58キロ、京都長丁場と条件が好転し、菊花賞2着のアルナスラインがメトロポリンタンSを圧勝したことからも人気を集めそうだ。母クルーピアスターは皐月賞&マイルCSを勝ったジェニュインの全妹。大久保龍厩舎は昨年エリモエクスパイアでハナ差の惜しい2着。雪辱を果たすか。
アドマイヤジュピタは芝[6-2-2-1]で日経新春杯4着以外は3着以内を確保。日経新春杯は休み明けで16キロ増、トップハンデ、渋った馬場が影響したもので力負けではない。阪神大賞典は2番手からメンバー最速の34.7秒で上がり、アイポッパー、ポップロックを完封。スローペースで前に行った馬が有利な展開だったが、ラスト6Fは71.6秒、5Fは59.0秒でまとめている。長丁場を58キロを背負って勝ったことで陣営は自信をつけたか。ただスローペースだった。フレンチデピュティ産駒だが、母の父はリアルシャダイ。岩田騎手は天皇賞(春)では[0-0-0-5]で全て2桁着順。アドマイヤの近藤氏は4頭出し。単勝の時系列オッズに注目。
メイショウサムソンは有馬記念8着、大阪杯6着と精彩を欠いている。有馬記念は内を通った馬が有利な馬場で外を回したことが応えている。太くなりやすいタイプだけに冬場は仕上がり切らない面もある。大阪杯は勝負どころでもたつき、直線で外からブライトトゥモローに被せられたことが応えた。昨年の大阪杯は勝ったが、メンバーは今年より弱かった。休み明け、59キロ、阪神コースではこんなものという見方もできる。天皇賞(秋)のスペシャルウィークの例があるように強い馬は簡単に能力は衰えない。ただ問題は昨年のパフォーマンスで勝てるのかどうか。天皇賞3連覇。武豊騎手がどう導くか。
ポップロックは有馬記念5着、阪神大賞典3着に終わったが、掲示板は確保している。国内で3000m級のレースは初めてになるが、芝3200mのメルボルンCでデルタブルースにハナ差の2着がある。角居厩舎はG1を目標に仕上げる厩舎で阪神大賞典は3着なら悪くない。内田博騎手は京都の長丁場初めてだが、ポップロックにはガツンと追える腕っ節の強い騎手は合う。ホクトスルタンは菊花賞で逃げて0.6秒差の6着に粘った。休み明けのサンシャインSは有馬記念より0.5秒早いタイムで6馬身差の圧勝。天皇賞(春)で重賞連対のない馬は不振だが、父子4代制覇が懸かる馬には関係ないか。ただメジロの馬ではない。
日経新春杯とダイヤモンドSを勝ったアドマイヤモナーク、復帰後6、5、4、4着と善戦止まりだが、一昨年の菊花賞2着馬ドリームパスポート、昨年の3着馬で3000m以上では[1-3-3-3]と堅実なトウカイトリック、天皇賞(春)で3、4、4着の実績があるアイポッパーあたりが人気面で続きそう。春のG1は社台RHが3連勝中だが、今回は出走がない。アドマイヤの近藤氏4頭出し、トウカイの内村氏2頭出し、吉田勝己氏2頭出し。ノーザンファーム生産6頭、社台ファーム生産2頭で半数以上が社台系生産馬。各陣営の思惑は・・・。逃げるのはホクトスルタンか、それともアドマイヤメインか。フルゲート割れになったが、展開がひとつのポイントになりそうだ。
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