競馬アナリストGM
NHKマイルC
レース展望
3歳マイル王決定戦。過去10年で1番人気は[3-1-2-4]で4連対。1番人気の前走は全て重賞で勝ち馬は[3-0-0-0]、2、3着は[0-0-2-0]、4着以下は[0-1-0-4]。前走重賞勝ち馬は信頼度高い。武豊騎手が1番人気になることが多いが[1-0-2-3]で1連対のみ。ただしゴールデンキャストに騎乗した03年はレース前日に大量に散水して馬場が悪化する不運もあった。馬券の控除率は25%固定ではなく、JRAは荒れるほど儲かる仕組み。売り上げの多いG1が荒れるのが、JRAにとって最も好都合なのである。昨年春G1の3連単は皐月賞162万、NHKマイルC973万、ヴィクトリアM228万、ダービー215万馬券だった。
今年の1番人気はマーガレットSを勝った武豊騎乗のファリダットか、毎日杯を勝ったディープスカイか。週末は雨が降る予報が出ており、昨年のように馬場が悪化する可能性がある。2番人気は[2-1-0-7]で3連対、3番人気は[1-0-2-7]で1連対。6番人気以下が4連対、10番人気以下が3連対と人気薄の連対が多く、最近5年の馬連は175倍、13倍、48倍、61倍、308倍と荒れている。過去10年、1番人気で制したエルコンドルパサー、クロフネ、キングカメハメハは、その後もG1を制した。大物が出走する年とそうでない年とでレベルの差が大きいレース。大物がいなければ、今回のレースにマッチした馬を狙うのが賢明か。
ファリダットはクラシックを目指して長い距離を使われたが、道中折り合いを欠き、詰めが甘くレースが続き3、3、5着。心機一転、距離を短くしたマーガレットSは中団からメンバー最速の34.4秒で突き抜けて4馬身差で圧勝。母はスプリントG1-2勝のビリーヴ。距離短縮はプラスだった。高速馬場で勝ちタイム1分20秒7は早いが、前日の1000万条件も1分20秒6と早かった。直線で一気に突き放したのは2〜4着馬が切れ味不足のダート馬だったこともあるか。前半5F57.2秒のハイペースでも道中は少し行きたがっていた。新馬戦を3馬身差で楽勝したようにマイルは守備範囲。前田氏はNHKマイルCをロジックで制している。
ディープスカイは初勝利までに6戦を要したが、その後は着実に力をつけてきた。東京芝1600mの500万条件で最後方からメンバー最速の33.4秒で2着に追い込んだレースを見て、昆調教師はNHKマイルC参戦を決めたようだ。毎日杯は直線で外に出すと鋭く伸びて2馬身半差で楽勝。2着は先週の青葉賞を勝ったアドマイヤコマンド。勝ちタイム1分46秒0は2週前の大阪城S(古馬OP)を0.1秒上回った。その後は、昨年のローレルゲレイロ(半馬身差2着)の経験から皐月賞には登録すらせず、NHKマイルC一本に絞って調整された。キャリアがある割りに競馬が上手くないところがどう出るか。雨はプラスか、マイナスか。
ゴスホークケンは朝日杯FSを1分33秒5の好タイムで2着に2馬身半差をつけて逃げ切り勝ち。3着のキャプテントゥーレは皐月賞を制した。ニュージーランドTは直線で一杯になって12着に惨敗。外枠スタートから終始外を回ったこともあるが、4コーナーでは既に手応えが怪しかった。休み明けで10キロ増、緩い馬場、ハイペース、外枠など、色々な要因が重なり合ったにしても負け過ぎ。朝日杯FSは1枠1番スタートから内ラチ沿いを逃げたように恵まれた面はあったが・・・。ただし東スポ杯2歳Sで負けた後に朝日杯FSで巻き返したように一変のあるタイプ。内田博騎手は昨年のNHKマイルCをピンクカメオで制している。
ブラックシェルは皐月賞で弥生賞4、3、1着馬が馬券に絡む中、脚を余して6着。スローペースで馬群に包まれて仕掛けるタイミングが遅れ、全く持ち味を出せなかった。ホープフルSの走りから緩い馬場が敗因ではない。かなり鍛えられているが、皐月賞では2キロしか絞れていなかった。間隔を詰めて使った方がいいタイプで中1〜2週では[2-2-0-0]で連対率100%。連対を外したきさらぎ賞と皐月賞は中5週。インパクトのある走りをした福寿草特別は中1週。今回は中2週。父クロフネはNHKマイルCの勝ち馬で母の父ウイニングチケットはダービー馬。広い東京で新味を出す可能性はあるが、マイルの高速決着が課題か。
ニュージーランドTを勝ったサトノプログレス、アーリントンC&ニュージーランドT2着のエーシンフォワード、3戦3勝のスプリングソング、人気を裏切り続けるサダムイダテン、朝日杯FS2着&皐月賞5着のレッツゴーキリシマ、シンザン記念の直線一気が鮮やかだったドリームシグナル、アーリントンCの勝ち馬ダンツキッスイあたりが人気面で続きそう。サトノプログレスはそれほど切れる脚がないだけに雨で馬場が渋るのはプラス。国枝厩舎は昨年ピンクカメオで制しており、現在出走機会4週連続重賞制覇中。過去10年のNHKマイルCで横山典騎手は[1-3-1-3]で複勝率62.5%。父タイキシャトルはマイルG1-5勝馬で不良馬場の安田記念を制している。G1で地力が足りれば。
エーシンフォワードは地味な馬で好走しても人気にならないが、地力は着実に強化され、馬体も成長している。新馬戦とニュージーランドTの走りから高速決着になるよりは少し渋った方がいいか。スプリングソングは走る馬独特の雰囲気を持った馬でまだ底が割れていない魅力がある。サダムイダテンは共同通信杯は雪で順延された影響、スプリングSは荒れた緩い馬場とそれなりに敗因はある。距離も1F長かったか。今回は新馬戦を持ったままで圧勝した芝1600m。岩田騎手は復活させようと気合が入っている。母系はハギノトップレディ、ダイイチルビーがいる華麗なる一族。初G1参戦で本領発揮か。
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