競馬アナリストGM
安田記念
レース展望

春の東京G1のフィナーレを飾る安田記念。過去10年で1番人気は[1-1-1-7]で2連対のみ。最近8年は連対なく不振が続いている。連対した2頭は単勝1.3倍の断然人気に支持されたタイキシャトルとグラスワンダー。2番人気は[1-1-0-8]、3番人気は[1-1-2-6]で各2連対。過去10年で3番人気以内での決着は2-3番人気で決着した昨年のみ。馬連は最近8年で万馬券5回とかなり荒れている。古馬G1で連対のない馬、牝馬、外国馬が1番人気になると荒れる傾向がある。外国馬は[2-2-2-17]で4連対。最近は05年サイレントウィットネス3着、06年ブリッシュラック1着、ジョイフルウィナー3着と香港馬の活躍が目立つ。

スーパーホーネットは昨秋に本格化してスワンS1着、マイルCS2着。高松宮記念は休み明けと距離適性の差が出て5着に終わったが、京王杯SCでは中団から鋭く伸びて2着に1馬身3/4差をつけて快勝。レースのラスト3Fは11.2-11.9-11.5秒でラスト1Fが尻上がり。直線で抜け出すときの瞬発力は凄かった。3歳以降、関東では[0-0-0-5]で馬体減などで不振が続いていたが、ようやく克服。ただし高松宮記念では6キロ、京王杯SCでも6キロ馬体が減っていた。そのため、陣営は馬体減を考慮して京王杯SCの後は美浦で調整している。これがプラスに働くとは限らないが、馬体を維持できれば上位候補。

ウオッカはヴィクトリアM2着。武豊騎手がギリギリまで追い出しを我慢してメンバー最速の33.2秒で鋭く伸びたが、エイジアンウインズに並びかけたところで同じ脚色になった。最近は最後に止まるレースが続いている。ただしヴィクトリアMはドバイ遠征明けで馬体がこれまでの最低となる478キロまで落ち込んでいた影響もあったのだろう。今回は中2週で再度東京への輸送と条件は楽ではないが、一度使ったことで馬体の張りが戻ることも考えられる。ヴィクトリアMで武豊騎手が終いだけの競馬に徹したことがプラスに働かないか。ドバイデューティーフリー4着馬。牡馬相手でも通用する能力はある。

スズカフェニックスはマイルCS3着、阪神カップ1着、阪急杯2着、高松宮記念3着、京王杯SC3着とG1、2で5戦連続3着以内を確保。マイルCSは馬体がガレたスプリターズSの後で良化途上、阪急杯はローレルゲレイロより2キロ重い59キロ、高松宮記念はスタートで躓き、京王杯SCは実質スローペースで後方3番手と全て敗因がある。昨年の安田記念は大外から追い込んで5着。高松宮記念から直行だった。今年は京王杯SCを使っての参戦。これで勝負どころでのもたつきが解消されないか。阪急杯では馬群を割って内から伸びた。武豊騎手は前2週の東京芝では[4-1-2-3]で複勝率70%。どこが伸びるかよく知っている。

グッドババは香港マイルとチャンピオンズマイルを制し、現在5連勝中。チャンピオンマイルでは最後にガツンと伸びてアルマダを差し切った。昨年の安田記念は1分32秒8で走り、ダイワメジャーに0.5秒差の7着。日本の馬場が合わないというより、馬群で揉まれて少し脚を余した印象が強い。芝1600mは[8-2-0-3]でG1-2勝。レーティング122で芝マイル路線で世界トップタイ。チャンピオンズマイルを制しているため、安田記念を勝てば2008アジアマイルチャレンジの優勝が決まり、ボーナスとして100万米ドルが交付される。このパターンで06年はブリッシュラックが勝ち、アジアマイルチャレンジの優勝を決めている。当日の馬体重、気配に注意。

アルマダはグッドババに3戦3敗と分は悪いが、3走前は1年の休養明け、前走はまだ完調手前だったようだ。06年の香港マイルで2着がある実力馬で芝1600mは[4-3-0-0]で連対を外したことがない。現在5連勝中のグッドババの方が人気になりそうだが、日本をよく知っているホワイト騎手が騎乗するのは魅力。父タウケイはラストタイクーン直仔。日本向きはむしろこちらか。ブリッシュラックは今年9歳になったが、チャンピオンズマイルでグッドババに0.5秒差の3着に入り健在をアピール。06年の安田記念ではダイワメジャーを子供扱いし、外から豪快に差し切った。タフな馬場になると地力発揮の可能性はある。

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