宝塚記念
レース展望
春のグランプリ宝塚記念。昨年はG1馬が7頭揃い、ダービー馬ウオッカが出走するなど豪華メンバーだったが、今年はG1馬が2頭しかおらず、3歳馬の出走もない。古馬混合G1勝ちがあるのはメイショウサムソンのみ。もう1頭のG1馬アサクサキングスは菊花賞馬。古馬混合G1で2着があるのはドリームパスポートのみ。昨年と比べるとG1実績馬の出走は少ないが、一線級の4歳馬が揃いレベルは低くない。実績的にはG1-4勝のメイショウサムソンが抜けているが、2年前のディープインパクトのような存在ではなく、各馬の実力は接近している。展開、馬場状態、騎手の乗り方ひとつで着順が入れ替わる可能性がある。
過去10年で1番人気は[5-2-0-3]で7連対。ファン投票1位の4、5歳馬が休み明けでなければ[2-2-0-0]だが、今年の1位ウオッカは出走しない。98年以降は隔年で1着(昨年ウオッカ8着)。2番人気は[2-1-1-6]で3連対、3番人気は[1-1-3-5]で2連対。6番人気以下の人気薄が7連対と多い。馬連は10倍台までが7回と堅く収まることが多いが、最近は140倍、19倍、113倍、19倍、14倍で万馬券か10倍台の極端な決着。阪神で行われた9年の連対馬18頭のうち17頭は前走3着以内。前走4着以下は[0-1-0-55]で唯一巻き返したのは天皇賞(春)5着のハーツクライ。穴で人気の盲点になった実績馬に注意。
メイショウサムソンは有馬記念8着、大阪杯6着と精彩を欠いたが、天皇賞(春)は自分から動いて勝ちに行く競馬でクビ差の2着。アドマイヤジュピタにマークされて差されたが、昨年よりレベルの高い走りで負けて強しの内容。秋のG1は[1-0-1-4]と取りこぼしが多いが、春のG1は[3-2-0-0]で連対率100%。パドックを見ても春の方が馬体、気配がいい。昨年の宝塚記念はアドマイヤムーンに差されたが、早めに動くかなり厳しい競馬だった。宝塚記念、ジャパンC、天皇賞(春)は接戦で負けたが、勝ち馬は全て近藤氏のアドマイヤの馬で鞍上は岩田騎手。このあたりを考慮して武豊騎手はどう乗るか。
ロックドゥカンブはデビューから4連勝でラジオNIKKEI賞とセントライト記念を制し、菊花賞3着、有馬記念4着、目黒記念3着とG1、2で善戦してきた。菊花賞は柴山騎手に京都長丁場の経験がなく、位置取りが悪くなったのが応えた。有馬記念はキネーン騎手がダイワスカーレットを負かしに行かないダイワメジャーをマークしたのが失敗。目黒記念は内ラチ沿いの2、3番手から最後は地力で伸びて3着。休み明けで馬体に少し余裕があった。岩田騎手はテン乗りだったが、本番前に感触を掴めたことは大きい。スローの上がり勝負ではなく、タフなレースで上がりが掛かれば。キングジョージ(英G1)に登録している。
アサクサキングスは昨年秋以降、神戸新聞杯2着、菊花賞1着、大阪杯3着、天皇賞(春)3着と堅実。大阪杯では休み明け&太め残り&59キロで2番手からしぶとく伸びて3着に粘った。天皇賞(春)は好位から勝負どころで動いて直線で抜け出しかけたが、外から2頭に差されて3着。有馬記念を使わなかったため、長丁場で古馬の一線級との対戦は初めて。そのあたりの影響もあったか。昨年の宝塚記念は15着に敗れたが、馬場が悪かったし、馬は当時より力をつけている。メイショウサムソン、ロックドゥカンブにも言えるが、スローの上がり勝負になると切れ負けの懸念がある。自分から動くか。
アルナスラインは昨年秋に復帰してからは京都大賞典3着、菊花賞2着、メトロポリタンS1着、目黒記念2着。菊花賞ではアサクサキングスと頭差の接戦だった。メロトポリタンSはトップハンデ57.5キロを背負い、2分23秒5の好タイムで6馬身差で圧勝。昨年、ダービーに出走していれば、ウオッカと勝ち負けになったのではないか。インパクトのあるレースだった。目黒記念は逃げたホクトスルタンにクビ差の2着。ロスのある外枠スタート、内を通った馬が有利な馬場で外を回り、勝ったホクトスルタンより2キロ重い58キロではさすがに厳しかったか。順調に使われて今回が叩き3戦目。芝2200m以上は[2-2-1-0]。和田騎手が手の内に入れている。
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