宝塚記念
レース展望

エイシンデピュティは06年の12月以降、東京以外の芝では[4-3-0-0]で連対率100%。阪神芝は[2-3-1-1]で直線で挟まれて怯んだGホイップT4着以外は3着以内を確保。昨年の鳴尾記念以降、アドマイヤオーラには3戦3勝、大阪杯では休み明け&59キロのアサクサキングスとメイショウサムソンに先着した。金鯱賞は緩い流れと内を通った馬が有利な馬場が見方したが、最後までしぶとく伸びて逃げ切り勝ち。今回は初の2200mとテン乗りの内田博騎手が課題だが、半弟に菊花賞4着のエーシンダードマン。距離をこなす下地はある。フレンチデピュティ産駒で稍重が得意。差し馬の切れ味が削がれるような馬場になれば。

アドマイヤオーラは11戦のうち8戦が上がり3F33秒台。芝2200mの京都記念はメンバー2位の33.9秒で外から豪快に差し切った。ダイワスカーレットと同じアグネスタキオン産駒で独特の切れ味がある。ドバイデュティーフリーは後方のまま見せ場なく9着、金鯱賞は後方から捲くったが直線で一杯になり6着に終わった。過去10年の宝塚記念で金鯱賞3着以下は[0-0-0-16]と不振だが、金鯱賞が海外遠征明けだった馬はいない。京都記念の勝ち馬はテイエムオペラオー、アドマイヤムーンが勝ち、シルクフェイマスが2着、ナリタセンチュリーが翌年2着と宝塚記念で活躍している。斤量58キロをこなして、良馬場で切れ味勝負になれば。

アドマイヤフジは昨年秋以降、鳴尾記念3着、中山金杯1着、京都記念2着、阪神大賞典6着、天皇賞(春)5着。芝2200mは[1-1-1-2]で全て4着以内、阪神芝は[2-0-1-2]で昨年の宝塚記念は後方からメンバー2位タイの36.4秒で追い込んで4着。冬場に活躍するデカ馬だが、昨年の走りを見る限り侮れない。川田騎手は先週の阪神で4勝と乗れている。ドリームパスポートは昨年秋に復帰後[0-0-0-6]で4着が最高。稲葉厩舎に転厩後、不振が続いている。G1で2着が3回ある実力馬で完全復活すれば力は足りる。今回は桜花賞&オークスをフジキセキ産駒のエフティマイアで大穴をあけた蛯名騎手に乗り替わる。

カンパニーは追い込みタイプだったが、横山典騎手が騎乗してからは前につけて中山記念とマイラーズCを連勝。58キロは[0-0-1-6]だったが、マイラーズCでは58キロを克服した。目の外傷で安田記念を回避したが、急ピッチに乗り込まれている。距離2200mが課題だが、大阪杯1着(重馬場)、天皇賞(春)3着、宝塚記念5着の実績から全くダメという訳ではない。サクラメガワンダーは関東圏では不振だが、阪神&京都の芝1800〜2000mでは[5-1-1-0]と崩れたことがない。ラジオNIKKEI杯2歳Sではアドマイヤムーンを差し切っている。関西圏のG1は今回が初めて。鳴尾記念を勝ったときのようなレースができれば。

エアシェイディは昨年のマイラーズCで馬体が大きく減り調子を崩したが、キャピタルS以降は[1-2-1-1]で4着以内を確保。AJCCでは中団から鋭く伸びて重賞初制覇を飾った。叩き2戦目は[1-2-1-0]でAJCCの走りから距離はこなす。輸送をクリアして、かつパフォーマンスを引き上げられれば。インティライミは昨年秋に朝日CCと京都大賞典を連勝したが、その後は不振が続いている。昨年秋の切れ味が戻っていれば。アサカディフィートは5年ぶりの芝G1出走。冬場に走るデカ馬だが、末脚は切れるので展開が嵌れば。フォルテベリーニは目黒記念(54キロ)でロックドゥカンブにハナ差の4着だったが、58キロのG1では厳しいか。

先週の阪神は道中内をロスなく回ってある程度前につけた馬が活躍し、特に逃げ馬の粘り込みが目立った。日曜の雨で馬場の内側が荒れた可能性があるが、開催2週目なら大きな影響はないかもしれない。まずは土曜の競馬で馬場傾向を掴みたいところ。週末は土日とも雨が降る予報が出ており、馬場は渋る可能性が高い。雨量にもよるが、馬場が渋ったら重の巧拙を重視したい。人気になるメイショウサムソン、ロックドゥカンブ、アサクサキングスはそれほど切れる脚がない地力タイプ。展開の鍵を握りそうだ。各馬の適性と馬場状態、展開などを総合的に判断して最終結論を下したい。

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