ｵｰﾙｶﾏｰ展望

ｵｰﾙｶﾏｰ
ﾚｰｽ展望

過去10年で1番人気は[4-0-1-5]で4連対｡古馬混合G2勝ちのある馬は[3-0-1-1]で連対率60%､4､5歳馬なら[3-0-0-0]で勝率100%｡2番人気は[2-3-1-4]で5連対､3番人気は[1-3-1-5]で4連対｡連対馬20頭のうち18頭が4番人気以内｡人気馬が堅実で馬連は9回が10倍台までに収まっている｡連対馬20頭のうち18頭に重賞で連対があり､残る2頭にはG3で3着があった｡G2でﾚﾍﾞﾙが高く､重賞実績のない馬では通用しない｡時期的に夏の重賞で好走した馬が強い｡中山芝2200Mは適性の問われるｺｰｽ｡ｾﾝﾄﾗｲﾄ記念やAJCCなど中山芝2200M重賞で好走実績のある馬が活躍している｡

今年のﾒﾝﾊﾞｰで中山芝2200m重賞で3着以内がある馬は､ﾏﾂﾘﾀﾞｺﾞｯﾎ(AJCC1着､ｵｰﾙｶﾏｰ1着)､ｴｱｼｪｲﾃﾞｨ(AJCC1､2着)､ｷﾝｸﾞｽﾄﾚｲﾙ(ｾﾝﾄﾗｲﾄ記念1着)､ﾄｳｼｮｳｼﾛｯｺ(ｾﾝﾄﾗｲﾄ記念2着)､ｴﾘﾓﾊﾘｱｰ(ｵｰﾙｶﾏｰ3着)､ﾌﾞﾗｯｸｱﾙﾀｲﾙ(AJCC3着)､ﾐｽﾄﾗﾙｸﾙｰｽﾞ(ｾﾝﾄﾗｲﾄ記念3着)の7頭｡中でも実績的に抜けているのは､昨年の有馬記念勝ち馬ﾏﾂﾘﾀﾞｺﾞｯﾎ｡中山芝は[6-1-1-1]で落馬したｾﾝﾄﾗｲﾄ記念を除くと複勝率100%｡札幌記念から2ｷﾛ増の59ｷﾛになるが､春の日経賞では59ｷﾛを背負って3馬身差で楽勝している｡札幌記念は海外遠征明けで478ｷﾛだったが､美浦に戻って馬体は回復したと陣営はｺﾒﾝﾄ｡

ｴｱｼｪｲﾃﾞｨ､ｽｳｨﾌﾄｶﾚﾝﾄ､ｼｬﾄﾞｳｹﾞｲﾄなど実績馬が休み明けということを考えると札幌記念を使われたことはかなり有利｡当日､想定外の馬体減､極端な馬場悪化などがなければ､勝つ可能性はかなり高そうだ｡敢えて死角を探すなら10番より外枠に入ったときは[0-0-0-4]という点(ｾﾝﾄﾗｲﾄ記念の落馬含む)｡昨年の札幌記念は7枠13番で7着､天皇賞(秋)は8枠16番(大外)で15着だった｡馬を前に置いて折り合いをつけたいﾀｲﾌﾟだけにｽﾀｰﾄして馬を前に置けない外枠は乗りにくい面がある｡ただしｷｬﾘｱを積んで競馬が上手くなった今ならそれほど問題ないか｡

JRAが外枠で結果を出していないことを認識していれば､外の奇数枠に入れてくる可能性がある｡今年の新潟2歳Sはｾｲｳﾝﾜﾝﾀﾞｰが勝ったが､この馬はJRAがｾﾚｸｼｮﾝｾｰﾙで840万円で購入し､その後JRAﾌﾞﾘｰｽﾞｱｯﾌﾟｾｰﾙで2730万円で売却した馬｡JRAはよほど勝たせたかったのか､真ん中の偶数枠(8番)に入れてきた｡結果は想定外の出遅れはあったが1着｡その枠順設定をｶﾓﾌﾗｰｼﾞｭするかのように翌週の京成杯AHでは1番人気のﾘｻﾞｰﾌﾞｶｰﾄﾞを8番枠､ｾﾝﾄｳﾙSでは1番人気のｽｽﾞｶﾌｪﾆｯｸｽを8番枠に入れていた｡今回､JRAはﾏﾂﾘﾀﾞｺﾞｯﾎをどの枠に入れてくるのか注目したい｡

ﾏﾂﾘﾀﾞｺﾞｯﾎは単勝1倍台の断然人気になりそうだが､今年の重賞で単勝1倍台の1番人気は[3-2-4-3]で勝率25%｡馬券の控除率は一定の25%ではなく､JRAは荒れた方が儲かる仕組み｡JRAも馬主の馬券も儲からない単勝1倍台の1番人気はなぜか2､3着に負けることが多い｡蛯名騎手は重賞で単勝1倍台の1番人気に騎乗すると[9-2-3-5]で勝率47.4%｡ちなみに単勝1.2～1.4倍では[3-0-0-3]で勝率50%｡2回に1回は負ける｡重箱の隅を突っつくように色々と書いたが､ﾏﾂﾘﾀﾞｺﾞｯﾎの能力＆適性を考えるとあっさり勝つことも十分にあることを付け加えておく｡

その他は休み明けの馬が多く､仕上がりが大きなﾎﾟｲﾝﾄになりそう｡札幌記念でﾏﾂﾘﾀﾞｺﾞｯﾎに勝ったﾀｽｶｰﾀｿﾙﾃは4歳馬｡一気にﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽを引き上げて勝ったが､今回の出走馬に4歳馬はいない(ｽｸﾘｰﾝﾋｰﾛｰは回避予定)｡ﾏﾂﾘﾀﾞｺﾞｯﾎの国枝厩舎はﾏｲﾈﾙｷｯﾂとｺﾞｰｳｨｽﾞｳｲﾝﾄﾞも出走予定で3頭出し｡ﾏｲﾈﾙｷｯﾂは七夕賞3着､新潟記念2着と力をつけているが､中山芝は[0-1-0-4]｡これがどう出るか｡ｱﾄﾞﾏｲﾔﾀｲﾄﾙは松田博厩舎に転厩して3戦目｡重賞勝ちはないが､日経賞4着､天皇賞(春)7着の実績がある｡前走は不甲斐なかったが､ﾃﾞｷが上向けば一変があっても驚けない｡

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