秋華賞
レース展望

牝馬3冠の最終戦。過去10年で1番人気は[2-2-2-4]で4連対。単勝2.5倍以内は[2-2-2-1]に対し、2.6倍以上は[0-0-1-3]で連対なし。押し出された1番人気は危険。2番人気は[6-1-1-2]で7連対、3番人気は[0-1-1-8]で1連対。2番人気は現在5連勝中。最近7年は1、2番人気のどちらかが必ず連対しており、連対馬14頭のうち13頭は5番人気以内。馬連は7年のうち4年が10倍以下で荒れても20〜50倍台の中穴までに収まっている。ローズSをステップに連対した14頭のうち9頭はローズSの上がり3Fがメンバー1、2位だった。ローズSで切れる脚を使った馬が好走する傾向がある。

トールポピーはオークス馬。直線で斜行して後味の悪いレースになったが、距離延長で地力を示した。それほど切れる脚がないので、馬場が渋ったのも良かったのだろう。全兄フサイチホウオーは急に走らなくなったが、2歳の夏に腰を痛めたことが尾を引いたもので、順調にきたトールポピーは違う。ただし鋭い決め手がないことが、今後ネックになる可能性がある。ローズSは6着に終わったが、出遅れて位置取りが悪くなり、内枠スタートから馬場の悪い内を通ったことが応えたもの。角居厩舎はG1を目標に仕上げる厩舎で今回は本番の仕上げ。切れ負けの懸念が付きまとうが、流れが向けば。

レジネッタは桜花賞馬。今年は[1-1-4-0]で距離、コースを問わず安定している。オークスは3着に敗れたが、トールポピーが斜行した煽りをモロに受けたもの。まともならもっと際どかったはず。クイーンSは後方からメンバー2位の35.0秒で外から鋭く伸びて2着。勝つ競馬をしなかったもので負けて強しの内容だった。ローズSは最後に外から差されて3着に終わったが、トライアルとしては上々の内容。2歳時に京都芝内1600mを勝ったときのレースのラスト3Fは11.6-11.2-11.2秒。直線が平坦な京都で高速ラップを繰り出す可能性がある。今回も位置取りと追い出しのタイミングが鍵になりそうだ。

エフティマイアは桜花賞とオークスをそれぞれ13番人気と15番人気で2着に激走し大穴をあけた。桜花賞は前半5F58.5秒の速い流れを不利な大外枠スタートから好位につけて直線でしぶとく伸びた。派手さはないが、強い競馬をしている。オークスは直線で外から伸びて頭差の惜しい2着。桜花賞がフロックでなかったことを証明した。クイーンSは5着に終わったが、急遽の出走で馬体が24キロ増えており、蛯名騎手もここが目一杯という騎乗ではなかった。掴みどころのない馬だが、能力はある。長距離輸送による馬体減、テン乗りの吉田隼騎手など課題はあるが、可能性を秘めている。

マイネレーツェルはローズSの勝ち馬。大外枠から中団を進み、直線でムードインディゴとの叩き合いをハナ差で制した。上がり3Fはメンバー2位の35.5秒。馬場が渋り外を通った馬が有利だったが、馬体が12キロ増えていたことは見逃せない。オークスは9着に敗れたが、直線で致命的な不利があった。まともなら上位争いになったのではないか。ムードインディゴは中京芝1800mの新馬戦を11.9-11.6-11.6-11.5秒の尻上がりラップで勝った馬。ローズSは出遅れて後方からメンバー最速の35.0秒で追い込んでハナ差の惜しい2着。馬体が18キロ減って少し細く映ったため、当日の馬体重に注意したい。

メイショウベルーガは、クイーンSはレジネッタに寄られる不利、ローズSでは出遅れが応えたものでまともに走っていない。テン乗りの幸騎手への乗り替わりは微妙だが、少し展開が味方すれば。リトルアマポーラはクイーンCの勝ち馬。桜花賞は出遅れ、オークスは大外18番から終始外を回るロスが響いた。能力はあり、距離もこなすが、G1で休み明けというのがどう出るか。レッドアゲートはフローラSの勝ち馬。紫苑Sの走りを見るともうワンパンチ欲しい感があるが、内田博騎手がそのあたりをどうカバーするか。ブライティアパルスは5戦3勝の上がり馬。展開によっては二枚腰を発揮するシーンがなきにしもあらず。

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