天皇賞(秋)
レース展望

秋の中距離王決定戦。過去10年で1番人気は[4-2-0-4]で6連対。00年にテイエムオペラオーが勝つまで12連敗だったが、00年以降は[4-2-0-2]と堅実。連対を外したのは牝馬のテイエムオーシャンとスイープトウショウ。G1実績のある牡馬は崩れていない。2番人気は[0-2-2-6]で2連対、3番人気は[1-0-0-9]で1連対のみ。最近4年は13、14、7、7番人気の人気薄が必ず連対しており、馬連は82倍、123倍、47倍、49倍と荒れている。連対馬20頭のうち17頭にG1連対があるが、最近3年はG1連対のないヘヴンリーロマンス、スウィフトカレント、アグネスアークが穴をあけている。穴で夏のローカル重賞で好走した馬の激走に注意。

ウオッカは東京では全てG1に出走し[2-1-0-1]でダービーと安田記念を勝っている。前3走は全て東京で陣営は最大パフォーマンスを発揮できる東京に絞って使っている。復帰戦の毎日王冠は前半5F59.3秒で逃げてラスト3Fを10.5-11.3-12.0秒(33.8秒)でまとめたが、好位から切れる脚を使ったスーパーホーネットに差されて頭差の惜しい2着。ラスト3F目に10秒台のラップを繰り出したことが応えたか。それでもラスト5Fを56.9秒で走ったのだからパフォーマンスは相当。武豊騎手は鞭を使って目一杯に追っていなかった。G1は狙って獲るもの。本番に向けて少し余裕を持たせたのだろう。

毎日王冠では57キロだったが、今回は1キロ減の56キロ。逆に57キロだった牡馬は、1キロ増の58キロで斤量面は有利になる。芝2000mは秋華賞3着のみだが、当時は休み明けで万全の状態ではなかった。ダイワスカーレットとは4度対戦して1勝3敗。チューリップ賞で勝ったが、桜花賞、秋華賞、有馬記念とG1では全て負けている。ただし今回はウオッカが叩き2戦目で東京巧者なのに対し、ダイワスカーレットは休み明けで東京が初めて。アドバンテージはあるが、問題は武豊騎手。今年の重賞で武豊騎手は[2-9-4-33]で勝率4.2%、単勝回収率11%。3月のファルコンSを勝って以来、現在34連敗中(1、2番人気21回)。

ダイワスカーレットは[7-3-0-0]で連対率100%。芝1800〜2200mでは[6-0-0-0]で勝率100%。G1は[3-1-0-0]で唯一負けたのは有馬記念。勝ったマツリダゴッホは今年の日経賞とオールカマーをG1級のパフォーマンスで楽勝している。前走の大阪杯はハナを切って前半5F59.6秒の平均ペースで進め、そのまま逃げ切った。道中の最も遅いラップが12.3秒、4コーナーからアサクサキングスに早めに来られて厳しい展開になったが、最後まで抜かせなかった。並んでから抜かせないのは、半兄ダイワメジャーと同じ。この一族特有のスピードの持続力がある。2着のエイシンデピュティはその後、金鯱賞と宝塚記念を連勝した。

今回は休み明けで東京が初めてというのが課題。1986年以降の天皇賞(秋)で半年以上の休み明けだった馬は[0-0-0-15]。トウカイテイオー(7着)とナリタブライアン(12着)が1番人気で沈んでいる。ダイワスカーレットは休み明け2戦2勝だが、6ヶ月以上の休み明けは初めて。ただし、かなり入念に乗り込んでいる。東京に関しては、半兄ダイワメジャーが天皇賞(秋)と安田記念を勝っている。持ち前の持続力でこなすか。ただし、これまで最も速い前半5Fは秋華賞の59.2秒。有馬記念と大阪杯のレースぶりから一線級の牡馬が相手でも通用するが、流れが速くなったときに真価が問われそうだ。

ディープスカイは現在4連勝中。秋の最大目標はジャパンC。陣営は菊花賞ではなく天皇賞(秋)を選んだ。ダービーの勝ちタイムは同日の1000万条件より0.4秒遅いが、終い勝負に徹して大外から一頭だけ次元の違う末脚を使ったディープスカイは時計では量れないものがある。復帰戦の神戸新聞杯は春のデキにはなかったが、好位から早めに抜け出す正攻法の競馬でオウケンブルースリを完封。地力の高さを見せつけた。東京では[2-2-0-0]で上がり3Fは全てメンバー最速。ダイワスカーレットは馬体を併せるとしぶとい。四位騎手は01年の天皇賞(秋)をアグネスデジタル(2着テイエムオペラオー)で制している。

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