競馬アナリストGM
ジャパンC
レース展望
過去10年で1番人気は[3-1-5-1]で4連対。日本馬は[3-1-5-0]で複勝率100%だが3着が多い。勝った3頭はテイエムオペラオー、ゼンノロブロイ、ディープインパクトでいずれに4歳馬。創設以来、外国馬の1番人気は[0-1-2-7]で1連対のみ。過去10年で2番人気は[2-3-1-4]で5連対、3番人気は[2-0-1-7]で2連対。2番人気は1番人気より連対が多い。00年以降、中山で行われた02年を除くと5番人気以内で決着しており、最近は人気馬が堅実。馬連は10倍台までが5回と堅く収まることが多い。05年は3-2番人気で33.1倍、昨年は5-4番人気で36.6倍と1番人気が崩れると人気馬同士でも中穴になる。
連対した日本馬16頭のうち10頭にG1勝ち、残る6頭にG1で2着があった。また12頭に芝2400m以上で連対があった。ハイレベルな一戦でG1実績のない馬では通用しない。日本馬はダービー、天皇賞(秋)など東京芝G1で実績のある馬が活躍している。天皇賞(秋)の勝ち馬は[3-0-3-1]でヘヴンリーロマンスが8番人気で7着に敗れたのを除き、2番人気以内に支持され3着以内を確保している。菊花賞の勝ち馬は[0-1-1-1]。3歳馬でもG1実績があれば通用する。最近4年の連対馬8頭のうち6頭が上がり3Fメンバー1、2位。切れる脚がある馬を重視したい。外国馬は高速馬場の適性がポイント。
今年はメイショウサムソン、ウオッカ、ディープスカイと3世代のダービー馬が揃った。世代の代表としてどんなレースを見せてくれるのか楽しみだ。昨年の有馬記念の勝ち馬マツリダゴッホ、菊花賞馬アサクサキングス、今年の菊花賞馬オウケンブルースリとダイワスカーレットを除く、現時点の最強メンバーが揃った印象。外国馬はキングジョージ2着のペイパルブルが筆頭になるが、一時期と比べるとやや小粒な印象。それでも外国馬は人気薄で激走が多いだけに注意は怠れない。今秋のG1は牝馬の出走がなかった菊花賞を除き、全て牝馬が勝っている。ウオッカは勝てば年度代表馬確定か。全馬が力を出し切る好レースを期待したい。
ウオッカは東京芝[3-2-0-1]でエリザベス女王杯取消後で最後方から追い込むレースをしたジャパンC以外は連対を確保。東京コースで最大パフォーマンスを発揮するタイプで春から東京に絞って使っている。前走の天皇賞(秋)は外の7番手から伸びてディープスカイを競り負かし、最後は逃げたダイワスカーレットを差して1着。同厩のトーセンキャプテンがダイワスカーレットに絡んで有利な流れにしたが、ダイワスカーレットとは僅か2cm差だった。天皇賞(秋)はレコード決着の激戦だっただけに今回は調子をキープできていることが条件。東京芝2400mはダービーを勝っているが、ラスト3Fの瞬発力勝負だった。消耗戦でスタミナが問われたときが課題か。
ディープスカイは東京芝[2-2-1-0]でダービーとNHKマイルCを制している。初の古馬相手となった天皇賞(秋)は、直線でウオッカに競り負けてハナ+クビ差の3着。最後までしぶとく伸びた姿は、99年の有馬記念でグラスワンダーとスペシャルウィークに食い下がったテイエムオペラオーを彷彿させた。天皇賞(秋)はスピード勝負の色合いが濃く、ディープスカイには勝ちタイムが早過ぎた感がある。陣営は当初からジャパンCを目標にしており、天皇賞(秋)では目一杯に仕上げていなかった。今回は陣営の思惑通り良化するか、最終調教に注目したい。距離延長と荒れ馬場でウオッカを逆転する可能性はあると見るのが自然か。
メイショウサムソンは昨年天皇賞春秋連覇を達成したが、今年はまだ勝っていない。天皇賞(春)と宝塚記念は頭差の2着。宝塚記念は直線でアサクサキングスにぶつけられてバランスを崩す不利があった。凱旋門賞はスタート後と最後の直線で他馬に寄られる不利が響いて10着に終わった。今回は武豊騎手が落馬骨折のため、石橋守騎手に乗り替わる。元主戦で[8-5-1-4]なら問題ない。メイショウサムソンは春のG1では[3-3-0-0]だが、秋のG1は[1-0-1-5]で1連対のみ。この時期がどうなのかというのはあるが、昨年のジャパンCは不利な展開で3着に入った。仕上がりが良く、地力勝負なら好勝負可能。
オウケンブルースリは1番人気で菊花賞を制した。後方から大外を回って追い上げ、かなりのロスがあったが、いい脚を長く使って最後は力で捻じ伏せた。神戸新聞杯ではディープスカイに負けたが、菊花賞に向けてのレースをしたもので、まだ勝負づけはついていない。ディープスカイが休み明けである程度前で競馬したこともあるが、上がり3Fは0.6秒上回った。中京の未勝利、新潟の阿賀野川特別の走りを見る限り、左回りの方が弾けるのではないか。父ジャングルポケットは3歳時にジャパンCを制している。ジャングルポケットが現役時代、アグネスタキオン(ディープスカイの父)に2戦2敗なのは気になるが・・・。
マツリダゴッホは昨年の有馬記念を9番人気で勝ったが、日経賞を強い内容で楽勝し、フロックでなかったことを証明した。中山芝は[7-1-1-1]で落馬したセントライト記念以外は3着以内を確保。今秋の最大目標は有馬記念連覇だが、ジャパンCに使ってきた。東京は青葉賞4着、天皇賞(秋)11着と結果が出ていないが、天皇賞(秋)は不利な大外枠だった影響もある。脚質的にも中山向きなのは間違いないが、完全に本格化した今なら展開、上がり次第でこなせる可能性はあるのではないか。蛯名騎手はAR共和国杯をスクリーンヒーロー、東スポ杯2歳Sをナカヤマフェスタで勝つなど、秋の東京芝重賞で乗れている。
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