競馬アナリストGM
ステイヤーズS
レース展望

中山の内回りコースを2周する長距離別定G2。過去10年で1番人気は[5-2-0-3]で7連対。菊花賞で3着以内がある馬は[2-1-0-2]に対し、菊花賞出走経験のない馬は[3-1-0-1]と堅実。2番人気は[0-2-2-6]、3番人気は[2-0-0-8]で各2連対のみ。1番人気と2〜4番人気での決着が6回と多い。馬連は10倍以下が4回、10倍台が3回と堅く収まることが多いが、00年と昨年は7番人気が連対して万馬券になった。最近5年の連対馬10頭のうち8頭が前走AR共和国杯。8頭のうち7頭が4コーナー10番手以下から追い込んで勝ち馬から0.9秒以内に入っていたが、今年は対象馬なし。

フローテーションは菊花賞2着馬。神戸新聞杯惨敗で15番人気だったが、後方から馬群を割って鋭く伸びてオウケンブルースリに迫った。同厩のノットアローンが速いペースで飛ばして差し馬向きの展開にしたこと、内ラチ沿いの最短コースで脚をタメられたことが良かったのだろう。稍重の萩Sを勝ったように緩い馬場もマッチしていた。母の父リアルシャダイ。長丁場でこの血は侮れない。今思うと菊花賞前の橋口調教師の弱気なコメントが印象的。今回は初の古馬相手になるが、今年は例年のように断然人気になる古馬がいない。中山ではスプリングSで2着がある。脚質的に開幕週の馬場が課題。

トウカイトリックは3年連続でAR共和国杯で復帰してステイヤーズSというローテーション。06年は5着→2着、07年は2着→4着。今年はAR共和国杯9着に終わったが、トップハンデ58キロで33秒台の切れ味が問われる展開では厳しかった。昨年のステイヤーズSは単勝1.5倍の断然人気に支持されたが、中団から伸び切れず4着。ルメール騎手は中山が合わないかもとコメントしたが、3、4コーナーで包まれてスパートが遅れたことが影響している。芝3000m以上では[2-3-3-4]のステイヤー。今年は万葉Sを勝ってから不振が続いているが、ひと叩きされて調子を上げていれば、これくらいのメンバーならやれそうだ。

ベンチャーナインは菊花賞は6着に終わったが、4コーナーでごちゃつき、態勢を崩して下がる大きな不利があった。最後はしぶとく伸びてきただけにまともなら馬券圏内があったかもしれない。終い一辺倒だけに開幕週の馬場が課題になるが、武士沢騎手はどう乗るか。ナイアガラは1000万、1600万条件を連勝。切れ味勝負に不安があったが、前走は2番手から33.7秒で上がって競り勝った。直線で並ぶとしぶとい馬で、3歳時のすみれSではアドマイヤジュピタに競り勝っている。鞍上は最近3年のステイヤーズSで2勝のペリエ騎手。池江郎調教師と馬主の金子氏は今年重賞未勝利。

マキハタサイボーグは昨年の勝ち馬。昨年と同じステップできたが、昨年より1キロ重い58キロがどう出るか。ビエンナーレは札幌日経オープンでスクリーンヒーローに2馬身半差をつけて逃げ切っている。三浦皇騎手が長丁場でどんな騎乗を見せるか注目したい。エアジパングはAR共和国杯15着も直線で挟まれる致命的な不利があった。芝2400m以上では[3-2-1-3]で札幌日経オープンではスクリーンヒーローにクビ差の3着がある。横山典騎手の下調べでひと工夫あれば。エルコンドルパサー産駒はスタミナタイプが多い。トウカイエリートは昨年の天皇賞(春)で0.4秒差の6着がある。野中厩舎はトウカイ2頭出しのため注意したい。

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