日経賞
レース展望

天皇賞(春)のステップレース。過去8年の連対馬16頭のうち15頭が5番人気以内、残る1頭は6番人気。上位人気馬が堅実で波乱は少ない。今年も実力差のあるメンバーだが、組み合わせによっては中穴決着もありそう。ネヴァブションはAJCCで重賞2勝目を挙げた。スローペース、緩い馬場で内を通って前につけた馬が有利な状況で、内枠スタートから内ラチ沿いの好位をロスなく回ってきた。2着に2馬身半差をつける完勝だったが、少し恵まれた部分がある。中山芝2500mは3戦3勝で07年の日経賞ではマツリダゴッホを差して勝っている。58キロでも中山で乗れている横山典騎手なら無様はないか。

ホクトスルタンは目黒記念で重賞初制覇。内を回って前につけた馬が有利な馬場を利して逃げ切った。今回は10ヶ月ぶりの出走になるが、2月から入念に乗り込んでいる。休み明けは3戦2勝で久々はそれほど苦にしないタイプ。前回の休み明けは中山芝2500mのサンシャインS。逃げて6馬身差で圧勝している。前半から11秒台のハイラップで飛ばし、そのまま逃げて圧勝というのは並の馬にはできない。小回りの中山芝2500mは合うようだ。勝ちタイム2分33秒1は、前年の有馬記念(勝ち馬マツリダゴッホ、稍重)より0.5秒早かった。ここを勝って天皇賞(春)の父子4代制覇に目処を立てるか。

アルナスラインは不甲斐ないレースが続いているが、菊花賞2着、メトロポリタンS圧勝の実績から能力はG1級。宝塚記念は重馬場、京都大賞典のアドマイヤ包囲網で位置取りが悪くなり、AR共和国杯はスクリーンヒーローより5キロ重い58キロ、有馬記念は太め残りと敗因はある。前走のAJCCは馬体が6キロ絞れ、斤量57キロだったが、雨の影響が残った緩い馬場が応えたか。器用さのない馬だけに本質的に中山は合わないが、陣営は中山芝2500m巧者の蛯名騎手を乗せてきた。1週前調教は栗DWで2頭併せで一杯に追って先着。暖かくなって馬体が絞れれば変わる可能性がある。蛯名騎手はどう乗るか。

モンテクリスエスはダイヤモンドSで重賞初制覇。乱ペースの消耗戦で外からしぶとく伸びてレコード勝ち。530キロを超える大型馬だが、かなりのスタミナがある。中山芝2500mはグッドラックH1着、迎春S2着があるが、迎春Sは直線で外に寄れなければ勝っていた。前走よりメンバーが強化され、別定G2で真価が問われる。キングストレイルはスローで逃げて4着に終わった中山記念が物足りないが、昨年のオールカマーのようにラスト5Fの持続力勝負に持ち込めれば。ダイワワイルドボアはセントライト記念の勝ち馬。これまでのパフォーマンスでは足りないため、馬の成長と距離延長で一気にパフォーマンスを引き上げることができれば。

ゼンノグッドウッドは1000万、1600万条件を連勝。前走のサンシャインSは昇級戦、初距離、初コースと条件は厳しかったが、8番人気の低評価を覆して2馬身半差で快勝。稍重の緩い馬場がマッチしたにしてもやけに強かった。得体の知れない怖さがある。アーネストリーは新馬戦でトールポピーを子供扱いした馬。休養で出世は遅れたが、[4-1-2-1]でまだ底を見せていない。前走の御堂筋Sは3番手から抜け出してナムラクレセントに2馬身半差をつけて楽勝。ナムラクレセントは次走阪神大賞典で3着に好走した。佐藤哲騎手&佐々木晶調教師はタップダンスシチーのコンビ。中山芝2500mの攻略法をよく知っている。

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