高松宮記念
レース展望

春のスプリント王決定戦。過去10年の1番人気は[2-2-2-4]で4連対。5歳馬は[2-2-0-1]と堅実だが、4歳馬は[0-0-0-1]、、6歳馬は[0-0-2-2]で連対がない。前年のスプリンターズS勝ち馬は1番人気で4、5、2着。2番人気は[1-3-2-4]で4連対、3番人気は[2-1-1-6]で3連対。馬連は10倍以下は2回のみ。30倍前後の中穴決着が多い。00年に3月に移動してからは前走阪急杯で5着以内に入った馬が最低1頭連対している。前走芝1200mをステップに連対した12頭のうち9頭は前走連対、残る3頭のうち2頭にはG1連対があった。ハイペースの激戦になるとマイル重賞実績のある馬が激走する傾向がある。

今年のメンバーでG1馬はスリープレスナイト(スプリンターズS)、ファイングレイン(高松宮記念)の2頭、G1で連対があるのは、キンシャサノキセキ(高松宮記念、スプリンターズS)、ローレルゲレイロ(朝日杯FS、NHKマイルC)の2頭。18頭のうち7頭がG1初挑戦。今年はスリープレスナイトが休み明け、ファイングレインは昨年の高松宮記念以来連対がなく前走阪急杯11着惨敗、キンシャサノキセキが前走オーシャンS10着惨敗、ローレルゲレイロは昨年2連勝→今年13→2着で芝1200mは[0-1-1-3]で未勝利、ビービーガルダンは初の左回りでテン乗りの武幸騎手、ファリダットは重賞&芝1200m未勝利と有力各馬はみなそれなりに不安を抱えている。このあたりをどう考えるか。

04年の高松宮記念を制したサニングデール(福永騎手)の馬主・後藤繁樹氏は愛知県一宮市に本社がある秋田運輸株式会社の社長。07年の高松宮記念を制したスズカフェニックスの馬主・永井啓弍氏は社団法人・中京馬主協会の会長。高松宮記念は中京に関連する馬主の馬が激走することが多い。後藤繁樹氏は今年アーバンストリート(福永騎手)を出走させる。あとは社団法人・中京馬主協会の副会長・加藤守氏がドラゴンファングを出走させる。愛知県名古屋市にある名古屋友豊(株)はダートの快速馬ジョイフルハートを出走させる。ジョイフルハートはどんなペースで逃げるのだろう。前半3Fは32秒台突入か。

スリープレスナイトは芝ダート問わず1200mでは[9-1-0-0]。CBC賞は前に行く馬が揃い過ぎて想定と逆の緩い流れ、北九州記念は内を通った馬が有利な馬場で内枠スタート、スプリターズSは前日に散水した緩い馬場でスムーズに進められる外枠。芝1200mは3戦3勝だが、それなりに恵まれた部分がある。今回は蕁麻疹で帰厩が遅れ、5ヶ月ぶりの出走。ちなみに休み明けは[2-0-0-1]。坂路で1週前に1番、最終調教で2番時計。これで仕上がったか。橋口厩舎はNHKマイルCで1番人気のゴールデンキャストが散水によって惨敗したが、逆にスプリンターズSではスリープレスナイトが勝った。JRAの馬場の細工に要注意。

ビービーガルダンは芝1200mは[5-3-2-2]。休み明けを除き、良馬場なら[5-2-1-1]で極端に上がりが早くなった京阪杯以外は3着以内を確保。昨年夏に馬体が充実して本格化し、スプリンターズSでは0.2秒差の3着。前走の阪急杯は2番手から逃げたローレルゲレイロを交わして最後は抑える余裕があった。雨の影響が残り適度に緩く前が残りやすい馬場で上がりが掛かったことが良かったのだろう。今回は初の左回り、高速決着、テン乗りの武幸騎手が課題。中京は先週の時点で昨年のような高速馬場ではなかったが、芝を刈り込んだり、地盤を固めると一変する可能性がなくはない。

キンシャサノキセキはスプリントG1で2着2回。芝1200mは[2-2-2-1]で昨年のスプリンターズSまでは3着以内を確保していた。前走のオーシャンSは2番手から失速して10着に終わったが、休み明けで馬体が10キロ増えていた。陣営は7、8分の仕上がりとコメント。スプリンターズSで緩い馬場はこなしたが、稍重で少し抜かるんだ馬場は良くないようだ。今回は本番の仕上げでどこまで上向いてくるか。良馬場の左回りでは[2-1-1-0]と安定しており、ひと叩きでデキが上向き、パンパンの良馬場なら変わり身があっていい。今年6歳になったが、南半球産馬で実質は5歳馬。高松宮記念では5歳馬の活躍が目立つ。

ローレルゲレイロは国内の芝1000〜1400mで休み明けを除くと[2-2-1-2]で全て4着以内。相手なりに堅実に走るタイプ。芝1200mは[0-1-1-3]で未勝利だが、香港スプリントで激しいレースを経験し、今年はここを目標に調整してきた。昨年はフサイチリシャールに早めに来られたが、最後は差し返して4着に粘っている。ファリダットはスプリントG1馬ビリーヴの息子。重賞[0-2-1-3]、芝1200m[0-1-0-0]の実績からG1で通用するとは言い切れないが、母が勝ったコースで血が騒いでも不思議ない。京阪杯ではメンバー最速の32.6秒で内から物凄い勢いで伸びてきた。今回も一発狙いで内を突くようだ。

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