競馬アナリストGM
皐月賞
レース展望
過去10年で1番人気は[3-2-2-3]で5連対。前走4コーナーで3番手以内につけた1番人気は[3-2-1-0]に対し、4番手以降は[0-0-1-3]で連対なし。後方から直線だけで差して好走した馬は不振。ただし追い込んで届かなかった4頭のうち、アドマイヤベガとタニノギムレットはダービーを制している。これは皐月賞が自分から動いて行ける器用な馬が有利ということを如術に示している。今年の1番人気ロジユニヴァースは弥生賞を逃げ切ったが、過去10年で前走逃げた馬が1番人気になったことはなく、92年にスプリングSを逃げ切ったミホノブルボン以来となる。ミホノブルボンは皐月賞とダービーを制している。
2番人気は[1-1-4-4]で2連対、3番人気は[0-1-2-7]で1連対のみ。6〜9番人気が6連対、10番人気以下が5連対と人気薄の連対が目立つ。最近3年の連対馬6頭は全て6番人気以下の人気薄。波乱傾向が強まっている。馬連は10倍以下が3回あるが、50倍以上が2回、万馬券が4回とかなり荒れている。連対馬20頭のうち15頭が前走3着以内。前走4着以下に敗れた5頭のうち3頭には中山芝2000mの京成杯で連対、1頭には朝日杯FSで3着があった。中山重賞実績があれば巻き返し可能。弥生賞馬は[2-1-3-3]で3連対。勝った2頭はアグネスタキオンとディープインパクトでどちらも無敗だった。
ロジユニヴァースは無傷の4連勝で弥生賞を制した。4戦4勝で弥生賞を制した馬はシンボリルドルフ(無敗で3冠達成)、フジキセキ(弥生賞で引退)に続き3頭目。過去10年で無敗で弥生賞を制したアグネスタキオン(皐月賞1着後引退)、ディープインパクト(無敗で3冠達成)は皐月賞を制している。力強いデータが並ぶが、ロジユニヴァースはアグネスタキオン、ディープインパクトのように33秒台の切れる脚を使ったことがない。アグネスタキオンは新馬戦の上がり3Fが33.8秒でレースラップは11.7-11.3-11.0秒で尻上がり、ディープインパクトは新馬戦の上がり3Fが33.1秒でレースラップは11.4-10.8-11.2秒。デビュー当時から末脚は桁外れだった。
アグネスタキオンとディープインパクトは弥生賞までの3戦は全て上がり3Fメンバー最速。一方、ロジユニヴァースは新馬戦の上がり3Fがメンバー3位の34.4秒でレースラップは11.9-11.4-11.9秒。札幌2歳Sはメンバー最速の36.0秒、ラジオNIKKEI杯2歳Sはメンバー2位の37.1秒、弥生賞はメンバー3位の35.8秒。ただし時計&上がりの掛かる馬場で前に行っていることもある。弥生賞前に坂路で馬なりのまま47.9秒の1番時計を出したように脚力は凄いものがあるが、末脚が切れるアグネスタキオン、ディープインパクトとはタイプが違う。ディープインパクトは凱旋門賞で3着に負けたが、ロジユニヴァースは凱旋門賞向きの馬なのではないか。
左前脚が外向しているため、休養を挟みながら大事に使われてきたが、今回は中5週と初めて間隔を詰めての出走になる。弥生賞は前半5F62.0秒のスローペースで逃げ切り勝ち。皐月賞と同じコースを経験し、楽な逃げ切りで余力を残せたという点はプラスに出そうだが、逆にこれまで少頭数のレースしか経験しておらず、弥生賞が生温いレースになったことで多頭数の激戦になったときにどうなのかという不安が少しある。中山は芝が回復して高速化しつつある状況。馬場設定には要注意。左前脚の外向が影響しているのか不明だが、まだトモが少し薄く実が入る余地がある。
横山典騎手は皐月賞[1-0-2-15]で98年にセイウンスカイ(2番人気、2枠3番)で2番手から抜け出して制している。そのときの1番人気は武豊騎手のスペシャルウィーク。仮柵を外して内&前が有利な馬場で大外18番枠から追い込んで3着に終わった。今年はスペシャルウィーク産駒のリーチザクラウンが武豊騎手で父と同じ大外18番枠。横山典騎手のロジユニヴァースは1枠1番。10年前と人気は逆転するが、枠の内外の設定は同じ。ロジユニヴァースはラジオNIKKEI杯2歳Sで4馬身差をつけたが、そこまでの能力差はない。横山典騎手はダービー[0-3-0-11]。メジロライアン、ゼンノロブロイ、ハーツクライで2着はあるが、まだ勝っていない。
リーチザクラウンは[3-2-0-0]でアンライバルド、ロジユニヴァース以外には負けていない。未勝利戦の勝ちタイム1分47秒4は2週前のカシオペアS(OP)と同タイム、千両賞の勝ちタイム1分34秒7は同日のGポイップT(1600万)に0.1秒差の好タイム。時計の裏づけがあり、能力の高さは疑いようがない。ラジオNIKKEI杯2歳Sはロジユニヴァースに完敗したが、新馬→未勝利→千両賞→ラジオNIKKEI杯と中2週が3回続き、520→518→508→504キロと一戦ごとに馬体が減った影響があるのだろう。時計が掛かる力のいる馬場で飛ばし過ぎた感もある。当時、橋口調教師はうちにいたダンスインザダークとハーツクライより上とコメントしていた。
きさらぎ賞は差す競馬をするプランがあったが、前半5F61.7秒のスローペースで単騎で逃げてそのまま逃げ切り勝ち。弥生賞のロジユニヴァースもそうだったが、まさに勝ってくださいという展開だった。アンライバルドの勝ったスプリングSも前半5F62.6秒のスローペース。3強はみな前走スローペースで勝っている。ちなみに京成杯は前半5F62.0秒、若葉Sは前半5F61.5秒、毎日杯は前半5F61.0秒でスローペースだった。リーチザクラウンはきさらぎ賞でも馬体が4キロ減っていたため、楽なペースで勝って賞金を加算できたことは大きい。1986年以降、きさらぎ賞から直行した馬は[1-0-0-5]でハクタイセイが勝っている。
デビューから馬体が減り続けているが、今回の調教後の馬体重は508キロで前走から8キロ増えている。長距離輸送で減る可能性があるため、予断を許さないが、橋口厩舎ならクリアできるのではないか。ラジオNIKKEI杯2歳Sで完敗したロジユニヴァースを相手に武豊騎手は大外18番枠からどういう競馬をするのだろう。末脚の切れるアンライバルドもいる。新馬戦で控えて切れる脚を使ったように単なる逃げ馬ではない。武豊騎手がどういう競馬をするのか非常に興味深い。橋口調教師はダービーでダンスインザダーク2着(1番人気)、ザッツザプレンティ3着、ハーツクライ2着があるが、まだ勝っていない。
アンライバルドは[3-0-1-0]で岩田騎手が落馬負傷で急遽川田騎手に乗り替わった京都2歳S以外は勝っている。新馬戦では3番手からメンバー3位の33.8秒でまとめてリーチザクラウン、ブエナビスタを完封している。レースのラスト3Fは11.3-11.9-11.0秒でラスト1Fが尻上がり。ラスト1Fでガツンと伸びて0.9秒加速したように並の馬ではない。若駒Sは中団からメンバー最速の34.9秒で上がって2着に3馬身半差をつけて楽勝。岩田騎手は最後に抑える余裕があった。一頭だけ次元の違う末脚でインパクトのある勝ち方だった。最終週で馬場は荒れていたが、荒れ馬場を全く苦にしない力強いフットワークが印象的。
スプリングSは中団の外から岩田騎手が追い出すと他馬とは違う瞬発力で一瞬のうちに外から突き抜けた。上がり3Fはメンバー2位の34.5秒。スローペースで勝ちタイム1分50秒8は平凡だが、内&前が有利な馬場&展開で終始外を回って楽勝したのだから強い。これまで4戦の前半5Fは64.5秒、61.4秒、61.1秒、62.6秒で全てスローの上がり勝負。まだ速い流れを経験していない点が現時点のウィークポイントで皐月賞が速い流れの激戦になったときに真価が問われる。ロジユニヴァース、リーチザクラウンより切れる脚があり、前を見ながら競馬をできる点は有利だが、まだ精神的に危うい部分を残している。
ベストメンバーは[3-0-0-2]で直線に坂がある中山、阪神では3戦3勝。中山芝2000mでは寒竹賞を2分00秒7の好タイムで制している。前走の若葉Sは大外枠から上手く立ち回ってメンバー最速の35.4秒で差し切った。四位騎手は桜花賞のレッドディザイアに続き、マンハッタンカフェ産駒で皐月賞に挑む。ノーリーズンのような競馬はできないか。トライアンフマーチは[1-2-0-1]で若さ丸出しのレースが続いていたが、若葉S2着で出走権を確保した。角居厩舎の管理馬で母は桜花賞馬キョウエイマーチ。武幸騎手は中山芝[2-12-9-83]で勝率1.9%、中山芝2000m[0-3-3-25]で連対率9.7%。兄の武豊騎手と同じスペシャルウィーク産駒で挑む。
★競馬アナリストGM 先週の予想結果
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桜花賞 馬単780円 3連単5,680円、梅田S 馬連・3連単21,560円的中!
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