天皇賞(春)
レース展望

最強ステイヤー決定戦。過去10年で1番人気は[4-0-3-3]で4連対。最近6年では[1-0-2-3]で連対したのは単勝1.1倍のディープインパクトのみ。2番人気は[2-2-3-3]で4連対、3番人気は[1-4-0-5]で5連対。最近は人気薄の連対が多く、かなり荒れている。最近6年の馬連は164.9倍、366.8倍、850.2倍、3.8倍、207.5倍、20.0倍で6年のうち4年が万馬券。菊花賞と同様に最近の長距離G1は波乱傾向が強い。穴で人気の盲点になった長距離重賞実績馬に要注意。年齢別では4歳[7-4-3-35]、5歳[3-4-6-30]、6歳[0-1-1-26]、7歳[0-1-0-18]、8歳以上[0-0-0-9]で6歳以上の高齢馬は不振傾向。

アサクサキングスは有馬記念でシンガリ負けを喫したが、京都記念と阪神大賞典を連勝。京都記念は好位から4コーナーで2番手まで押し上げて最後はサクラメガワンダーとの一騎打ちをクビ差で制した。阪神大賞典は雨で馬場が悪化したが、3コーナー過ぎでスパートして最後はヒカルカザブエとの激しい叩き合いをハナ差で制した。四位騎手が内ラチ沿いをロスなく回ってタメたこともあるが、得意ではない渋った馬場で勝ったことは評価できる。京都芝は[3-0-1-0]で重賞3勝。3000m以上は菊花賞1着、天皇賞(春)3着、阪神大賞典1着。昨年の天皇賞(春)は1番人気で3着。昨年の上位2頭は既に引退している。

スクリーンヒーローは昨年のジャパンCの勝ち馬。スローの上がり勝負で前に行って早い脚を使える持ち味を最大限に発揮しディープスカイを完封した。有馬記念は後方から捲くって4コーナーで2番手まで押し上げたが、直線で一杯になって0.5秒差の5着。前走の阪神大賞典は3番手から一旦下げて直線で少し盛り返し0.8秒差の4着。休み明けで59キロを背負い、雨で悪化した馬場ではさすがに苦しかった。ただし横山典騎手がいかにも前哨戦という乗り方をした感もある。母ランニングヒロインは天皇賞(春)でハナ差の2着があるステージチャンプの半妹。横山典騎手はホクトスルタン、ネヴァブションには騎乗しない。

アルナスラインはメトロポリタンSをG1級のパフォーマンスで圧勝した後、勝ち切れないレースが続いたが、前走の日経賞でようやく重賞初制覇。中山芝2500m巧者の蛯名騎手が好位の内から上手く捌いてきた。芝を刈り込んで時計が出やすい馬場だったが、勝ちタイム2分31秒2は早い。540キロを超える大型馬で暖かくなってようやく調子を上げてきたようだ。ただし最近は調教の動き、パドック気配は目立たなくなっている。今回もその点は考慮したい。菊花賞ではアサクサキングスと激しい叩き合いをして頭差の2着に敗れているが、骨折明け2戦目だった。蛯名騎手は02年にマンハッタンカフェで制している。

ドリームジャーニーは大阪杯でディープスカイを差し切った。ディープスカイが休み明けで2キロ重い59キロを背負っていたこともあるが、外から力で捻じ伏せてこれまでのパフォーマンスを更新したことは評価できる。当初は金鯱賞から宝塚記念に向かう予定だったが、一転して天皇賞(春)に出走してきた。今年のメンバーなら何とかなると陣営は見ているのだろう。菊花賞ではアサクサキングスに0.5秒差の5着に敗れているが、その前の神戸新聞杯では外から差し切っている。最近はレース当日に馬体が減って細く映ることがなくなった。サンデーR(他にアルナスライン、デルタブルース)は7週連続重賞制覇が懸かる。

モンテクリスエスはダイヤモンドSをレコード勝ちし、日経賞は後方から捲くって3着と本格化してきた。530キロを超える大型馬だが、しぶとい脚を使える。斤量が58キロになるのは有利ではないが、鞍上は2戦2勝と相性のいい武豊騎手。ただし2月下旬以降の重賞では[0-1-2-12]で連対率6.7%、15頭のうち13頭が1、2番人気以内と大不振。ヒカルカザブエは1番人気に支持された日経新春杯はスムーズさを欠いて7着に敗れたが、阪神大賞典では最後までアサクサキングスに食い下がり2着に入った。近親に万葉Sの勝ち馬アドマイヤロード。昨年から武幸騎手が騎乗していた馬はG1で好走するケースが目立つ。

AR共和国杯でスクリーンヒーローに0.2秒差の2着、香港ヴァーズでタイム差なしの3着から能力はG1級のジャガーメイル、1000万条件から3連勝で前走大阪-ハンブルクCを制したゼンノグッドウッド、昨年の4着馬で父子4代天皇賞制覇の偉業が懸かるホクトスルタン、日経賞は不可解な負け方をしたがG2で2勝の実績があるネヴァブション、菊花賞とメルボルンCを制しているステイヤーで2年ぶりに岩田騎手が騎乗するデルタブルース、AJCC4着、日経賞2着と距離が延びて良さが出てきたマイネルキッツなど伏兵は多い。岩田、四位、福永、川田騎手は同じエージェント。最近は重賞で流れを作るなど、色々と細工をしているので注意。

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