新潟大賞典
レース展望

新潟外回りで行われるハンデ重賞。過去10年で1番人気は[3-2-0-5]で5連対。前走から斤量増[1-0-0-4]、同斤[1-1-0-1]、斤量減[1-1-0-0]。唯一斤量増で連対したのは異例の参戦となったG1馬ダンツフレーム(59キロ)。前走から同斤、斤量減なら堅実。2番人気は[3-1-1-5]で4連対、3番人気は[1-0-0-9]で1連対。新コースで行われた02年以降の馬連は87.2倍、11.9倍、36.1倍、21.7倍、72.0倍、29.9倍、45.5倍で中穴が多い。トップハンデは[2-1-1-13]だが、1、2番人気は[2-0-1-2]に対し、3番人気以下は[0-1-0-11]と不振。55キロは[3-3-3-26]で6連対、56キロは[2-3-1-17]で5連対と活躍が目立つ。

過去10年の勝ち馬10頭のうち6頭は新潟大賞典が重賞初制覇だった。05年から07年の勝ち馬エアセレソン(55キロ)、オースミグラスワン(55キロ)、ブライトトゥモロー(55キロ)はこれに当て嵌まる。重賞勝ち馬は斤量が重くなる。昨年はオースミグラスワンが57キロで2勝目を挙げたが、基本的に重賞未勝利で斤量が55キロ前後の馬が狙い目。ただし重賞勝ち馬でも何らかの理由で斤量が軽い馬に要注意。ハンデ重賞を軽ハンデで勝った馬は斤量が重くなりにくい。また前走惨敗した馬はハンデが見込まれることは少ない。ハンデキャッパーの設定にはウィークポイントがあり、馬主&厩舎はそこを突いてくる。ハンデに注目したい。

オースミグラスワンは新潟大賞典を06年に55キロ、昨年に57キロを背負って制している。今年はさらに1キロ増えて58キロ。斤量の克服が鍵になるが、昨年の天皇賞(秋)では58キロを背負って0.3秒差の7着、2走前の大阪城Sでは3着に善戦している。530キロを超える大型馬で斤量はこなすタイプ。小倉巧者のメイショウカイドウが56.5→57.5→58.5キロで小倉ハンデ重賞を勝ったようにコース巧者は斤量をこなす。昨年は前半5F60.7秒のスローペースでレースの上がりが32.9秒と早かったが、後方からメンバー最速の31.9秒で豪快に突き抜けた。上がり31.9秒はカルストンライトオがアイビスSDを3馬身差で圧勝したときと同タイム。

今年も極限の上がりで直線一気を決めるかもしれない。ただし過去10年で前走から斤量が1キロ以上増えた馬は[1-0-0-9]で勝ったのはG1馬ダンツフレームのみ。新コースになった02年以降、7歳以上は[0-1-2-22]で1連対のみ。新潟大賞典で2勝を挙げているオースミグラスワン。データを破るか。アドマイヤフジは中山金杯でトップハンデ58キロを克服して勝ち、G2の中山記念で3着、大阪杯で4着に善戦した。実績的にトップハンデ58.5キロは仕方ない。大型馬で斤量はこなすタイプだが、最近は前に行って粘り込むレースをしており、新潟外回りでは切れ負けの不安がある。地力&底力でどこまで踏ん張れるか。

オペラブラーボは1000万、1600万、オープン特別を連勝し、中日新聞杯と中山金杯で1番人気に支持されたが、4着と6着に終わった。勝ち馬とは0.1秒と0.2秒差で2戦とも直線でスムーズさを欠いた。その点でさらにパフォーマンスをアップさせることは可能。新潟では五頭連峰特別をメンバー最速の33.8秒で差し切っている。直線の長いコースで真価発揮があり得る。アーネストリーは重賞初挑戦となった日経賞で1.1秒差の4着。前とは離されたが、馬場入場後にイレ込んだようだ。連対した2頭は天皇賞(春)でも連対した。芝2000mは[2-1-0-1]。切れ負けの懸念はあるが、55キロで出走できるのは魅力。

大阪城S4着、大阪杯5着と復調してきたダイシングロウ、中京記念で重賞初制覇したサクラオリオン、直線の長い東京で[4-4-0-0]の実績があるトウショウウェイヴ、4走前にモンテクリスエスに勝っているダイバーシティ、昨年の2着馬で芝2000m重賞で[1-2-1-3]の実績があるマンハッタンスカイなど伏兵は多い。シンゲンは左回り[5-0-0-3]のサウスポー。3走前のテレビ静岡賞ではアブソリュート、ザレマを完封し、前走の白富士Sでは不利な大外枠からメンバー最速の35.0秒で抜け出し後続を完封した。母の母は新潟の鬼だったニフティーニース。レースが切れより持続力勝負に傾けば出番があるかもしれない。藤田騎手は手の内に入れている。

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