オークス
相馬眼予想(抜粋)

東京は小雨、芝ダートとも良馬場。雨は降り続くようで昼頃には強く降る予報が出ている。気象レーダーを見ると雨雲が点在する状況で降り続くというより、降ったり止んだりしそう。週中は全く雨が降らなかったため、少しの雨なら悪化しない可能性が高いが、昼頃の雨がどれくらいになるかで変わりそうだ。今の東京は内を回って前に行った馬が有利で特に芝1400〜1600mではその傾向が顕著。芝1600mは流れが速くても内を回って前に行った馬が残りやすく、馬格のあるパワータイプが有利だったが、土曜は馬場が乾いていたことで馬格に関しては少し薄れた。

ただし芝1600mまでと芝2000m以上では傾向が変わっており、距離が長くなればなるほど外差しが決まりやすくなっている。前2週の芝1600mは逃げ[1-0-1-5]、先行[5-5-3-13]、差し[1-2-3-48]、追込[0-0-0-34]で上がり3Fは1位[1-1-1-7]で2連対に対し、6位以下[4-4-4-66]で8連対。これに対し芝2000m以上では逃げ[0-0-0-7]、先行[1-1-1-20]、差し[3-3-4-25]、追込[3-1-1-16]で差し追い込みが断然。上がり3Fは1位[5-0-1-1]、2位[1-3-2-0]に対し、6位以下[0-0-1-53]で連対なし。上がり1、2位なら[6-3-3-1]で唯一複勝圏を外したのはプリンシパルS4着のイコビコのみ。

東京の芝コースは1600m以下なら内を回って前に行った馬が断然有利で2000m以上は上がり3F1、2位の繰り出せる差し追い込み馬が有利。これが今の東京コースの設定。今の東京は内を回った馬が残りやすいと言うのは、距離別に分析できていない証拠。ブエナビスタと安藤勝騎手&松田博厩舎はインタビューを聞く限り、週中はこれを分析できていなかったのではないか。それに対し、同一エージェントでチームの分析力に優れる四位、岩田、福永騎手はこれを分かっている可能性が高い。ブエナビスタの安藤勝騎手が馬場傾向の再分析でこの傾向に気付けば、これまでの競馬に徹するはず。

ただし厄介なのは雨。東京は雨が降ると内が有利になることがある。特に乾く途中で内が有利になることが多い。昼に雨が降ってレースの前に上がり乾いてくるようだと内が有利になる可能性がある。ただし芝2000m以上は外差しが決まる傾向。今の東京は1600mまではスピードで押し切れるが、芝2000m以上になるとタフな馬場に変貌し、内を回って前に行った馬は失速することが多い。雨が降ってもこれまで通り外差しが決まるのではないか。桜花賞でブエナビスタ、ヴィクトリアMでウオッカ仕様の馬場を作ったJRA。今回もこっそりとブエナビスタ仕様の馬場に作り上げている。

次に展開だが、逃げるのはヴィーヴァヴォドカ。逃げ宣言していることからも強気にハナを切るのだろう。2番手にディアジーナが続き、好位にデリキットピース、ワイドサファイア、中団にダノンベルベール、ジェルミナル、ブロードストリート、レッドディザイア、ツーデイズノーチス、後方からブエナビスタ、サクラローズマリーといった展開。ヴィーヴァヴォドカの村田騎手はオークスを逃げ切ったイソノルーブル、ダイワエルシエーロのペースを意識しているはずで前半から飛ばすことはなさそう。ゆったりとした流れでマイルの競馬に持ち込むはずだ。前に行くディアジーナ、デリキットピースは1番人気のブエナビスタが追い込みタイプだけに流れに同調するのだろう。

これと渋った馬場によって前が残る可能性はあるが、今の東京は距離が長いと外差し馬場に変貌する。スローの上がり勝負で縦長の展開にならない限り、外差しが決まるとみたい。ブエナビスタはチューリップ賞で自分から動いて行ったように騎手の指示に従順。安藤勝騎手はスローペースで縦長の展開にはしないはずだ。ただし自分から動くと桜花賞で半馬身差に迫られたレッドディザイアに脚元をすくわれる可能性がある。動きたくても動けない状況に陥る可能性がない訳ではない。その点である程度前につけた馬が残るケースもあり得る。残るとすればディアジーナ、デリキットピース。

レッドディザイアは2番手人気といってもブエナビスタとは離れた人気で気楽な立場。芝2000m以上では外差しが決まる馬場と分析できていれば、自分の競馬に徹するだけ。昨年のダービーを勝ったディープスカイのように道中は内で脚をタメて直線で外に出して末脚を生かすのだろう。ブエナビスタは既に名牝の域に達しているが、レッドディザイアも相馬眼的に名牝レベル。マイルの切れ味勝負ではブエナビスタに分があるが、馬体の造りの比較から東京芝2400mでタフなレースになって底力勝負になれば逆転の可能性がある。桜花賞よりオークスを目標に仕上げられた馬。G1は狙って獲るレース。

ブエナビスタの安藤勝騎手が馬場の再分析で外差しが決まる馬場と過信し、最後方から大外ブン回しで追い込みに徹した場合、逆に馬場の再分析をせずに内が伸びる馬場とみて内を意識した競馬をしたときに負ける可能性がある。前が残るという意識からレッドディザイアより先に動いて早めに抜け出すと最後にレッドディザイアに強襲される可能性がある。これまで先頭に立つと気を抜いて手前を替えている。ブエナビスタが強過ぎて早めに抜け出した後にレッドディザイアの強襲があり得る。レッドディザイアは99年のオークス馬ウメノファイバーに近い走法。東京で最大パフォーマンスを発揮するはずだ。

◎レッドディザイア
○ブエナビスタ

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