北九州記念
レース展望

06年に芝1200mのハンデ戦に変更され、サマースプリントシリーズの第3戦になった。06年は11-4番人気で馬連107倍、07年は11-6番人気で馬連386倍と荒れたが、昨年は1-3番人気で馬連15倍に収まった。荒れ馬場で行われる多頭数のハンデ戦で波乱傾向が強い。馬場状態と枠順で紛れがある。過去3年で6番人気以下で連対して穴をあけた3頭は52キロの軽ハンデ馬。06年と07年に11番人気で勝った2頭は前2走とも条件戦に出走していた。穴で前走条件戦に出走した軽ハンデ馬に注意。過去3年の1〜3着馬9頭のうち6頭に小倉芝1200mで勝ち星があった。小倉芝1200mの実績を重視したい。

カノヤザクラはアイビスSDを連覇。2年連続で有利な外枠に入ったが、今年は昨年より1キロ重い55キロを背負って楽な勝ち方だった。パドックではいつものようにイレ込んでいたが、ひと叩きされて馬体が絞れ、気配は上向いていた。昨年は同厩のスリープレスナイトとの兼ね合いで出走せず、セントウルSに直行したが、今年は出走してきた。ハンデは実質トップハンデの56キロ(牡馬換算58キロ)。56キロではスワンS9着、55.5キロではCBC賞11着に敗れているが、どちらも本調子ではなかった。今回は叩き3戦目で7〜9月[3-1-0-1]で夏場に走るタイプ。楽なハンデではないが、地力を見せつける可能性は否定できない。

コスモベルは前走アイビスSD8着。休み明けでも仕上がりは良かったが、途中で佐藤哲騎手が控えたことでスペースがなくなり、最後は狭いところをこじ開けるロスがあった。結果的にそのまま行かせた方が良かったか。佐藤哲騎手は「次の北九州記念はもっといい競馬ができる」とコメント。昨年の佐世保Sでは3番手から抜け出し1分7秒2の好タイムで2着に2馬身半差をつけて楽勝している。今回のハンデはそのときと同じ54キロ。カノヤザクラと2キロ差あれば太刀打ちできないか。これまで重賞では[0-1-0-5]で2着止まりだが、枠順、馬場状態などの条件が揃えば重賞初制覇のチャンスがありそうだ。

レディルージュは芝1400m以下では[1-2-2-1]と堅実。葵Sで半馬身差で負けたエイシンタイガーは次走CBC賞で2着に入った。レディルージュは葵Sの後、あじさいSを勝ったが、勝ちタイム1分8秒0はCBC賞と同タイム。今回は格上挑戦になるが、50キロの軽ハンデなら通用するのではないか。心肺機能が高そうな馬で激戦に強いタイプ。マルカフェニックスは昨年の2着馬。スリープレスナイトには完敗だったが、中団から上がり3Fはメンバー最速の34.0秒で伸びて2着を確保。4走後にはG2の阪神カップを制している。昨年より斤量は3.5キロ増えて57.5キロになるが、実績的に仕方ない。休み明けのため、仕上がりが鍵になる。

前走北九州短距離Sを勝ったたメリッサ、小倉芝1200m[3-0-2-2]の実績があるシャウトライン、3連勝中の上がり馬ラッキーバニヤン、昨年の北九州短距離Sを直線一気で勝ったクールシャローン、CBC賞で4着に善戦したコウユーキズナ、一昨年の北九州短距離Sを楽勝したメイショウトッパー、嵌ったときは凄い脚を使うヘイローフジなど伏兵は数多い。メリッサは前走ひと皮剥けたようなレースぶりで快勝。今回は福永騎手がマルカフェニックスに騎乗するため、武豊騎手に乗り替わる。06年は11番人気のコスモフォーチュン、07年は11番人気のキョウワロアリングが勝ったように大波乱があるレース。人気の盲点になった馬を狙う手も一考。

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