新潟記念
レース回顧

ホッコーパドゥシャは好位の内を進み、直線で外に出して追い出すと最後にひと伸びして先に抜け出したサンライズベガを差し切りレースを制した。上がり3Fはメンバー4位タイの33.0秒。前半5F61.8秒のスローペースでラスト4Fからペースアップする究極の上がり勝負。ラスト4Fは11.7-10.9-10.4-12.2秒でラスト1Fで各馬が一杯になる中、持ち前のしぶとさでひと伸びしてサマー2000シリーズの優勝を決めた。急遽、乗り替わった江田照騎手はほぼ完璧な騎乗。外回りで乗れている石橋脩騎手が落馬負傷して即座に新潟記念で実績のある江田照騎手を確保するあたり、村山調教師は只者ではない。新潟外回りの上がり勝負に対応させるために馬体を絞り込んでいたことも見逃せない。堂々のサマーチャンピオン。村山厩舎に来てから馬が変わった。今後は天皇賞(秋)を目指す予定。G1馬を相手にどこまでやれるか楽しみだ。

サンライズベガは3番手から抜け出したが、最後にホッコーパドゥシャに差されてクビ差の惜しい2着。あと一歩だったが、逃げたメイショウレガーロを交わして先頭に立ってからフワッとしたようだ。それでも久々の重賞挑戦でこの2着は立派。デビュー当時に相馬眼ニュースで取り上げた馬が条件戦でキャリアを積んでようやく本格化。これまで22戦して[5-5-8-4]で掲示板を外したのは2回しかない。鋭い決め手はないが、今後も相手なりに堅実に走りそうだ。

メイショウレガーロは逃げてしぶとく粘り0.1秒差の3着。前に行った馬が有利な展開を生かし切った。展開が向いたこともあるが、それほど切れる脚のない馬が長い直線でよく粘っている。上位3頭はいずれも鋭い決め手のある馬ではない。この点に新潟外回りのスローペースではどう狙うべきかが隠されているのではないか。小島太厩舎は05年にストーミーカフェが共同通信杯を勝って以降、重賞では[0-1-6-83]で1連対と不振。3着止まりが多い。

エアシェイディは後方からメンバー最速の32.7秒で追い込んで0.1秒差の4着。大外から差し切る勢いで伸びてきたが、ラスト50mで前と同じ脚色になった。最後まで手前を替えなかったことが影響しているが、休み明けでまだ本調子ではなかったのだろう。元々この時期の休み明けは良くないタイプ。陣営は次走を考慮してここで復帰させたのだろう。追い込みが利きにくい展開で0.1秒差の4着なら上々。次走どこまで上向くか注目したい。

アルコセニョーラは中団から内を突いて伸びてきたが5着止まり。直線ではスペースがなく仕方なく内をついたが、抜け出すところまでいかなかった。勝ったホッコーパドシャと同じ33.0秒で上がっているだけに外に出せていればもっと際どかったかもしれない。前2走で減った馬体が戻り、仕上がりは良さそうだった。重賞2勝2着2回の実績から今後は惨敗しても一気にハンデが軽くなることはなさそうだが、荒れ馬場で行われる福島記念では要注意。

ダンスアジョイは後方から内を突いて伸びてきたが7着が精一杯。上がり3Fは33.2秒。左回りの直線の長いコースは合うタイプで、この馬なりに切れる脚を使っているが、スローペースで上がりが早過ぎた。スローの上がり勝負で内枠スタート。馬場のいい外に出せなかったことも応えている。8歳馬でも今は馬体が充実しており衰えはない。速い流れで末脚を生かせるレースになれば、まだやれそうだ。

デストラメンテは3番手を進んだが、直線に向くと急に手応えが悪くなって脱落し14着に終わった。最後まで伸びていたように一杯になって脱落したのではない。早いラップに対応できなかったというより、集中力が持続しなかったといった印象。精神的なものがあるのかもしれない。夏に調子を上げるタイプで仕上がりは良かったが案外な結果。寒くなって体が硬くなる前に結果を出したい。

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