ローズS
レース回顧

ブロードストリートは中団の内を進み、直線で馬群を捌いて鋭く伸び、最後はレッドディザイアの追撃をクビ差凌いでレースを制した。前半5F58.1秒の速い流れで1分44秒7のレコード決着。上がり3Fはメンバー2位の34.2秒。スイートピーSの直線で推進力のある末脚で一瞬のうちに抜け出したのはやはりダテではなかった。あの推進力が走る馬とそうでない馬との差。相馬眼ニュースで「ブエナビスタは強いが、好位から切れる脚を使えることは大きな武器になる」と書いたが、まずは桜花賞&オークス2着のレッドディザイアを撃破。欲を言えばもっと馬体が成長して欲しいが、競馬センスのいい馬で大崩れしないタイプ。忘れな草賞で馬場の荒れた内から2着に追い上げたように2000mも守備範囲。休み明けでレコードで走った反動が出なければ、本番でも立ち回り次第で面白そうだ。藤原英厩舎の3頭の中では最も人気がなかった馬。厩舎コメントに惑わされてはいけない。

レッドディザイアは中団の後ろから大外を回ってメンバー最速の34.0秒で伸びてきたが、ブロードストリートを捕まえられずクビ差の2着。外からミクロコスモスに早めに来られたことで追い出しが遅れ、人馬とも焦ったのか、最後まで逆手前で走っていた。勝ったブロードストリートが34.2秒で上がって1分44秒7のレコードで走ったことを考えると今日は勝った馬を褒めるべき。ただし末脚が切れるブエナビスタなら差し切っていたかもしれない。それでも休み明けとしては上々のパフォーマンス。パドックでは馬体に実が入ってバランスが良くなり、春より全体的に力強くなっていた。秋華賞は内回りで直線の短い京都芝2000m。デビューから全て直線の長いコースを使われており、直線の短いコースに少し不安があるが、四位騎手がどう乗るか。ブエナビスタとの3度目の対決が楽しみ。

クーデグレイスは2番手から直線で抜け出してしぶとく粘ったが、最後に2頭に交わされて3着。前半5F58.1秒の速い流れで前に行って掲示板に載ったのはこの馬だけ。前走のルスツ特別でパールシャドウに迫ったし、ここにきて力をつけている。輸送で馬体が14キロ減っていたが、前走が滞在で増えていたこともあり、パドックでは細くはなかった。これまで10戦して[2−4−2−2]で複勝率80%。半姉のポップコーンジャズ、セイングレンドは重賞を勝てなかったが走る馬だった。自在性があり、差す競馬もできるタイプ。本番でも相手なりに走る強みを発揮するかもしれない。

ミクロコスモスは後方を進み、3、4コーナーで外から捲くってメンバー3位の34.6秒で上がったが、ラスト1Fを過ぎると脚色が鈍って4着。4コーナーから直線でレッドディザイアを内に押し込めて外から一気に抜け出しかけたが、阪神外回りであれだけ強引に上がってくるとさすがに最後まで持たない。武豊騎手は秋華賞の出走権を確保するというより、ミクロコスモスが使える脚を測ったのではないか。陣営は賞金的に秋華賞に出走可能とみているのだろう。パドックでは馬体の張り毛づやが良く、想定以上の仕上がりだった。札幌芝1800mの大倉山特別をメンバー最速の33.8秒で勝った馬。内回りの京都芝2000mで本領発揮の可能性がある。

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