エルムS
レース回顧
マチカネニホンバレは2番手を進み、直線で内からネイキッドに一旦前に出られたが、最後に差し返して重賞初制覇。ウォータクティクスが取り消したこともあり、道中13秒台のラップが2回続き、前半5F62.6秒の緩い流れ。これによってトランセンドは切れ負けしたが、マチカネニホンバレは持ち前のスピードの持続力と底力で対応して見せた。現時点で上がり勝負ではトランセンドより上。最後は際どいハナ差だったが、勝って賞金を加算できたことは今後に向けて大きい。前走のしらかばSは単勝1.4倍で10着に終わったが、それによって人気が落ちて今回は単勝4.8倍。前走は太め残りだったが、今回は坂路で1番時計を出して攻めていた。断然人気で緩い仕上げ、人気が落ちて攻め強化。これが競馬。妙味のある馬券はやはり単勝だった。今回はトランセンドとレベルの高い争いを期待していたが、スローペースでレースのレベルは高くない。ジャパンCダートに向けてもうワンランク、ステップアップしておきたい。
ネイキッドは内枠スタートから内ラチ沿いの好位を進み、直線で内から抜け出したが、最後にマチカネニホンバレに差し返されてハナ差の惜しい2着。スローの上がり勝負で赤木騎手が内枠を上手く生かしたが、最後に差し返されたのは地力の差か。今回を含め、ダ1800mは[4−2−1−4]だが、前半5Fが61秒台まででは[1−0−0−4]に対し、前半5F62秒を超えると[3−2−1−0]で複勝率100%。今回は最も持ち味を発揮できる流れでしかもロスなく回れる内枠だった。ウォータクティクスの回避で流れが緩んだことが最も有利に働いたのはこの馬。ここにきて調子を上げていたが、その点は考慮しておきたい。
クリールパッションは絶好の手応えで好位を進み、直線で前の2頭の間を割ろうとしたが、最後に足が鈍り3着。上がり3Fはメンバー2位の35.9秒。外枠からスタートを決めて好位で流れに乗った津村騎手の好騎乗。3歳春に黒竹賞でサクセスブロッケンの2着に入った馬。苦手にしていた右回りで強い内容で2連勝したことからもようやく本格化してきたようだ。これで左回りダートは[2−3−2−1]で芝で遅れて位置取りが悪くなったユニコーンS以外は3着以内を確保している。東京ダ1600mの武蔵野Sに出走してきたら少し注意したい。
トランセンドはスタートを決めて2番手につけたが、直線で伸び切れず4着に終わった。前半5Fは麒麟山特別が59.9秒、レパードSが59.7秒に対し、今回は約3秒遅い62.6秒。上がり3Fは麒麟山特別が37.2秒、レパードSが37.2秒で今回は36.3秒で0.9秒詰めたが、それでも切れ負け。道中少し掛かっていたし、内田騎手がずっと抑えていたことが影響した印象。前2走の流れを考えるとなぜここまでタメる必要があったのだろう。速い流れなら勝ったとは言わないが、今回は力を出し切っていない。秋のG1に向けて馬体がもうひと皮剥けて欲しい。
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