神戸新聞杯
レース展望

菊花賞トライアル。07年から外回りの2400mに変更された。過去10年で1番人気は[6−2−1−1]で8連対。最終トライアルになった00年以降、皐月賞またはダービーで連対した馬は[5−2−1−0]で複勝率100%。唯一連対を外したエアシャカールは海外遠征明けだった。2番人気は[0−2−6−2]で2連対、3番人気は[4−3−0−3]で7連対。連対馬20頭のうち19頭が5番人気以内。馬連は10倍以下が7回、10倍台が2回、20倍台が1回と堅く収まっている。ダービー最先着馬は[5−3−1−1]で連対率80%だが、今年のダービーは不良馬場だった。07年以降に連対した4頭のうち3頭は重賞でメンバー最速の末脚で連対した経験があった。決め手のある馬が活躍している。

アンライバルドは皐月賞を1分58秒7の好タイムで勝った馬。1986年以降、スプリングSと皐月賞を制した4頭は全てダービーも制したが、アンライバルドはダービー12着。数年に1度あるかないかの極悪馬場。決め手が持ち味の馬だけにここまで馬場が悪くなると仕方がない面もある。父ネオユニヴァースは神戸新聞杯3着、菊花賞3着、半兄フサイチコンコルドはカシオペアS2着、菊花賞3着。芝2000mなら古馬相手でも通用しそうだが、あらためてこの距離でどうなのか注目したい。今後に向けて重要なレースになる。皐月賞で凄い脚を使ったように一気にトップギアに入るタイプ。ダービーで位置取りが悪くなったのは、岩田騎手がそこを意識し過ぎた感もある。本番に向けて岩田騎手はどう乗るのだろう。

リーチザクラウンは皐月賞では掛かって13着に惨敗したが、ダービーでは2番手からしぶとく粘って2着。ラスト1Fで一杯になったが、そこからしぶとく粘り込んだ。この粘りは底力以外の何物でもない。ラジオNIKKEI杯2歳Sでもロジユニヴァースに交わされた後に一杯になったが、しぶとく粘って2着を確保している。ダービーでは馬体が10キロ増えていたように馬体細化を克服して見せた。春は折り合い面に課題はあったが、秋になって馬体、精神面がどこまで成長したか注目したい。全姉クラウンプリンセスはマイルがベストだが、リーチザクラウンは長い距離で良さが出る可能性がある。武豊騎手は先週日曜[4−3−2−2]で複勝率81.8%と乗れていた。現在101勝の内田博騎手に5勝差でリーディング2位。

アントニオバローズはダービー3着。最後までリーチザクラウンを交わせなかったが、心肺機能が高い馬が極悪馬場の消耗戦で底力を発揮した。シンザン記念の勝ち馬だが、プリンシパルS、ダービーで好走したように距離延長は問題ないようだ。それほど切れる脚はないが、強気に捲くっても簡単にバテないタイプ。菊花賞をヒシミラクルで制した角田騎手が本番に向けてどう乗るか。アプレザンレーヴは青葉賞の勝ち馬。ダービーは中団から伸びてきたが5着が精一杯。春の時点では大型馬でもパワーより切れ味に見どころがあった馬。極悪馬場だったことを考えると5着ならよく走っている。池江郎調教師が攻め抜いて仕上げてきた馬。秋にひと皮剥けているのかどうか、まずは馬体、調教の動きに注目したい。

トライアンフマーチは皐月賞で最後方からメンバー最速の34.4秒で追い込んで2着に入った。差し追い込み馬向きの展開が嵌ったのは確かだが、末脚の切れ味があるからこその2着。ダービーは正攻法の競馬で好位につけたが、直線で失速して14着。馬場が応えたのだろう。阪神では未勝利1着、若葉S2着。この距離でどんな走りを見せるか。セイウンワンダーは皐月賞で後方からメンバー3位の34.7秒で追い込んで3着。新潟2歳Sでは不良馬場で直線一気を決めたが、ダービーでは後方のまま13着。極悪馬場が応えたのだろうが、距離の可能性もあるか。今年はダービーが極悪馬場だったため、扱いが難しい面がある。夏に古馬相手に1000万条件を勝ってきた馬はいない。穴で人気の盲点になりそうな馬に注意。

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