シリウスS
レース回顧

ワンダーアキュートはスタートを決めて好位につけ、4コーナーで内に入れて直線で最内を突くと鋭く伸びて後続を引き離し3馬身差で圧勝した。上がり3Fはメンバー最速の36.8秒。大外枠スタートから外を回るロスがありながら、直線で後続を突き放す強い勝ち方。道中流れが緩んだことで位置取りがマッチした感もあるが、古馬相手の重賞で後続を引き離して勝ったことは評価できる。前走はパドックでかなりイレ込んでいたが、今回は2人引きで我慢できていた。まだ精神的に危うい面があるが、ここにきて馬体の造りが良くなってきたように本格化してきている。まだダートでは底を見せていないが、馬体&走法的に時計勝負が課題になる可能性がある。佐藤正厩舎は開業13年目で重賞初制覇。次走は同馬主で半兄のワンダースピードと一緒にJBCクラシックからジャパンCダートを目指すことになりそうだ。

ダークメッセージは中団の後ろからメンバー2位タイの36.9秒で追い込んで2着。ゴール前で2着争いをした馬が一杯になる中、外からしぶとく伸びてきた。芝で置かれず、中団につけられたことも良かったのだろう。休み明けでも馬体はガレていなかったし、調教の動き、パドック気配からもまずまず仕上がりだった。これでダートでは[2−3−1−1]で完全前残りになった平安S以外は3着以内を確保。スタミナがあり、いい脚を長く使えるため、阪神ダ2000mは合っている。休み明けで8番人気の低評価。実力&適性を考えると妙味ある穴馬だった。今後もスタートを決めて中団あたりにつけられれば大崩れはなさそう。次走は東京ダ2100mのブラジルCに向う予定。

ゴールデンチケットは1枠1番から2番手につけ、直線で内からワンダーアキュートに交わされた後もしぶとく粘って3着。前走大きく減った馬体は戻っておらず、パドックでもいい時と比較するとひと息に映ったが、持ち前のしぶとさを発揮した。ジャパンダートダービーでスタートで躓き、ハイペースで逃げて3着に粘ったのはダテではなかった。ワンダーアキュートもそうだが、今年の3歳馬はレベルが高い。もっと調子が良ければ、ワンダーアキュートといい勝負になったのではないか。森厩舎の管理馬でダート交流重賞で稼ぎそうな馬。次走はブラジルCに向う予定。馬体が戻って気配が良くなっていたら要注意。

エプソムアーロンは出遅れて後方2番手を進み、3、4コーナーで大外から捲くって追い込んで4着。外を回るかなりのロスがあったが、上がり3Fをメンバー2位タイの36.9秒でまとめた。スタートがまともなら楽に馬券圏内があったのではないか。マリーンSでマチカネニホンバレに迫ったのはダテではなく、重賞で通用するレベルにきている。前走は太め残りで7着に終わったが、今回は馬体が絞れて気配が上向いていた。脚抜きのいい軽いダートの時計勝負に強く、距離は1600〜1800mが合うタイプ。条件が揃ったときは前走を度外視して馬券に絡めたい。どこかで大仕事をしそうな馬。

ワンダースピードは6番手を進んだが、直線で伸び切れず5着。4コーナーで外から上がって来られたことで馬込みに入り、それによって追い出しが遅れ、いい脚を長く使える持ち味を発揮できなかった。休み明けで58.5キロを背負っていた影響も多少あるのだろうが、小牧騎手がもう少し強気に乗っていれば結果は違ったかもしれない。ただし、あくまで秋の目標はJBCクラシックとジャパンCダート。それを考えるとそれほどストレスのない競馬ができ、斤量4キロ差のワンダーアキュートに0.6秒差なら上々の滑り出しともいえる。G1では結果が出ていないが、今年はチャンスがありそうだ。

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