毎日王冠
レース回顧

カンパニーは内ラチ沿いの中団を進み、直線半ばで少し外に持ち出すと鋭く伸びてウオッカを差し切りレースを制した。上がり3Fはメンバー最速の33.0秒。内ラチ沿いをロスなく回って切れ味を引き出した横山典騎手の好騎乗に馬が応えた。横山典騎手はゴールした後にガッツポーズ。4回目の挑戦で初めてウオッカに先着した。これまで東京では[0−0−1−9]だったが、全て16頭以上の多頭数で中団より後ろからレースだった。これで12頭立てまでなら[5−1−0−1]で連対率85.7%。馬体の造り、レースぶりを見る限り、8歳馬でも衰えはない。今後も少頭数のレースでは特に注意したい。次走は天皇賞(秋)で初G1制覇を目指す。昨年は後方からメンバー最速の33.5秒でタイム差なしの4着に突っ込んだ。今年も多頭数になりそうだが、展開と横山典騎手の乗り方次第でチャンスがありそうだ。

ウオッカは前半5F60.0秒で逃げてラスト3Fを33.8秒でまとめたが、カンパニーに差されて1馬身差の2着。前半5Fは昨年より0.7秒遅かったが、上がり3Fはどちらも33.8秒。昨年はラスト12.0秒だったが、今年は最後まで11秒台でまとめただけに33.0秒で上がったカンパニーを褒めるべきだろう。カンパニーは背負い慣れた58キロに対し、ウオッカはG1のときより1キロ重い57キロ。その差もあるのだろう。パドックでは馬体の張り、毛づやが良く活気もあった。春より後肢のブレがなくなっていたように更なる進化を感じさせたことを付け加えておく。角居厩舎はG2で1番人気では[2−4−2−6]で勝率14.3%。今年も目標のG1に向けて少し余力を残せた。次走の天皇賞(秋)は1キロ軽い56キロで出走できる。G1最多勝記録樹立に向けて負けられないレースになりそうだ。

ハイアーゲームは後方からメンバー2位の33.2秒で追い込んで3着。2年連続で10番人気が穴をあけた。東京芝1800mでは4戦連続で上がり3F33.0〜33.2秒でまとめている。昨年はメンバー最速の33.1秒で追い込んで7着だったが、今年は少頭数で捌きやすかったこと、ナムラクレセントとスマイルジャックが掛かって自滅し、ヤマニンキングリーが馬体減で調子を落としていたこともあり3着に突っ込めた。芝1800mでは休み明けを除くと[3−1−2−0]で複勝率100%。青葉賞を勝ったことで長い距離を使われることが多いが、芝1800mの切れ脚勝負が合っているのだろう。8歳馬で更なる進化を望むのは酷だが、レースを選んで使えばまたやれそうだ。

ナムラクレセントは2番手からしぶとく粘ったが、最後にハイアーゲームに差されて4着。大外枠スタートで道中前に馬を置けずに掛かり気味だったことが応えた印象。それでもラスト3Fをウオッカと同じ33.8秒でまとめており、悲観する内容ではない。パドックでは馬体を大きく見せ、今の勢いを感じさせる仕上がりだった。今回はスローの上がり勝負で切れ負けしたが、もっと地力の問われる流れの方が力を発揮できるタイプ。直線が平坦なコースでガツンとした脚を使える馬。今回は負けたが、坂を上がってからゴールまで300mある東京コースは合っている。今の調子をキープできれば、近いうちに重賞制覇のチャンスがありそうだ。

[Home]