京都大賞典
レース展望
天皇賞(秋)とジャパンCへのステップレース。過去10年で1番人気は[5−2−0−3]で7連対。4歳馬[1−1−0−3]、5歳馬[2−0−0−0]、6歳馬[2−1−0−0]で連対を外した3頭は全て4歳馬。古馬混合GTで連対のある馬は[4−2−0−1]と堅実。2番人気は[2−4−0−4]で6連対、3番人気は[0−0−3−7]で連対なく不振。連対馬20頭のうち17頭が5番人気以内だが、最近4年のうち3年で6〜9番人気が連対し中穴決着になった。以前はガチガチの決着が多かったが、最近はやや波乱傾向。春のG1で好走した4、5歳馬の活躍が目立つが、本番は先だけに仕上がり面に要注意。直線の長い外回りコースの長距離戦でスローの上がり勝負になりやすい。メンバー最速の上がりを繰り出した馬が活躍している。
ジャガーメイルは裂蹄でドバイ遠征を見送り、ぶっつけで臨んだ天皇賞(春)は後方からメンバー最速の34.5秒で追い込んで5着。最後は切れる脚を使って伸びてきたが、安藤勝騎手はテン乗りだと大事に乗る傾向があり、流れを考えると位置取りが後ろ過ぎた。目黒記念は好位から早めに上がって勝ちに行ったが、重巧者のミヤビランベリの激走され2着。渋った馬場はこなせるタイプだが、馬場が悪くなり過ぎた(ダービーと同日)。まだ重賞未勝利だが、香港ヴァーズ3着の走り、馬体の造りなどからG1で通用する能力を秘めている。石橋脩騎手は[0−3−5−97]で重賞未勝利。今回はメンバー的に人馬とも重賞初制覇のチャンス。開幕週の馬場と展開&位置取りがポイントになる。東京芝2400mの適性が高いため、ジャパンCに出走させたい馬。
トーホウアランは昨年の勝ち馬。内ラチ沿いの中団の後ろから直線で内から馬群を割って差し切った。陣営の内ラチ沿いをロスなく回ってくるという指示を鮫島良騎手が忠実に実行し勝利に導いた。前走の朝日CCは長期休み明けだったが、中団からしぶとく伸びて3着を確保。飛びが大きい馬で馬場が渋ったのはマイナスだったが、最後は一杯になりながら地力で伸びてきた。長期休み明けだったことを考えると上々の内容で今回は叩いた上積みが見込める。坂路調教では大飛びで荒削りな走りをするが、そのイメージより上がり勝負に対応できるタイプで、スローの上がり勝負になった京都新聞杯と京都大賞典を勝っている。今回はG2勝ちによって昨年より1キロ重い58キロを背負う。58キロは初めて背負うため、この斤量と道中の立ち回りが鍵になりそう。
オウケンブルースリは昨年の菊花賞馬。重馬場で消耗戦になった阪神大賞典を使ったことで調子を崩して休養し、今回は約半年ぶりのレースになる。ディープスカイが引退した今、4歳のこの馬に懸かる期待は大きい。坂路で急ピッチに乗り込まれているが、どこまで仕上がってくるか。長期休み明けで他馬より重い59キロを背負うのは楽ではないが、今後のG1戦線に向けて賞金を加算する必要がある。マイネルキッツは天皇賞(春)を12番人気で勝ち大穴をあけた。母の父が天皇賞(春)と相性のいいサッカーボーイ。距離が延びてレースぶりが一変した。4コーナーでの松岡騎手の手応えが印象的。宝塚記念は7着に終わったが、馬体が12キロ減っていた。展開も向かなかったか。今回は天皇賞(春)を勝った京都外回りコース。G1馬として真価が問われる。
モンテクリスエスは消耗戦になったダイヤモンドを制し、続く日経賞では大外を回ってアルナスラインに0.2秒差の3着。復帰戦の朝日CCは9着に終わったが、ひと叩きされて距離延長と条件が好転する。寒くなると調子を上げるデカ馬で10〜12月は[1−1−1−0]、1〜3月は[2−4−1−1]。前走は太めが残っていたため、ひと叩きされて型通り良化してくれば。スマートギアは賞金不足で小倉記念、新潟記念、朝日CCを除外。前2走1600万条件で2着に終わったが、菊花賞4着、金鯱賞5着の実績から重賞で通用する下地はある。末脚は切れるが、実績のない距離と開幕週の馬場が鍵。今年はテイエムプリキュア、コスモプラチナ、クィーンスプマンテの人気薄牝馬が引っ張る展開。有力牡馬はみな差し追い込みタイプ。それでも牡馬か。
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