京都大賞典
レース回顧

オウケンブルースリは中団の後ろを進み、4コーナーでは後方2番手。直線に向くと大外からメンバー2位の34.1秒で豪快に差し切りレースを制した。テイエムプリキュアが前半5F59.1秒で逃げて差し馬向きの流れになったこともあるが、59キロを背負って大外から突き抜けるインパクトのある勝ち方だった。パドックでは休み明けでも春より馬体の張り、バランスが良く、これならという仕上がり。昨年の菊花賞馬が強い勝ち方で完全復活。ディープスカイの引退でこの秋はウオッカに頼る部分が大きかったが、これでJRAもホッとしたのではないか。音無厩舎は東西のG2を制覇。今年39勝でリーディング2位、重賞5勝と絶好調。今後は天皇賞(秋)からジャパンCに向う予定。昨年のジャパンCは5着に終わったが、直線で前が詰まり立て直すロスがあった。このまま順調に行けばジャパンCはかなり面白そうだ。

スマートギアは最後方からメンバー最速の33.8秒で追い込んで2着。展開が見方したこともあるが、福永騎手が腹を決めて最後方からの追い込みに徹したが功を奏した。パドックでは発汗して少し煩かったが、レースでは問題なかったようだ。まだ馬体が完全に本格化していないため、今の時点ではこういう競馬が合っているのだろう。1600万条件で勝ち切れないレースが続いたが、これで賞金を加算しオープン入り。半兄にワンモアチャッター、近親にインティライミ、サンバレンティンがいる一族でローカルの小回りコースもこなすタイプ。まだ思ったレースに使うには賞金を加算する必要がありそうだが、まずはG3に使えれば重賞制覇のチャンスがありそうだ。更なるステップアップを期待したい。

トーセンキャプテンは6番手追走から直線で抜け出して一瞬見せ場を作ったが、外から2頭に交わされて3着。函館記念を勝ってから不振が続いていたが、札幌記念、オールカマーとレースぶりが良くなっていた。それほど切れる脚がないため、展開に左右される面はあるが、持ち味のしぶとさを生かせるこれくらいの距離は合うようだ。重賞で連対するには色々と条件がつくが、持ち味のしぶとさを発揮できそうなときは注意したい。

ジャガーメイルは中団の後ろにつけたが、直線で伸び切れず4着。勝つためにいつもより前につけたこともあるが、直線ではガツンとした切れる脚を使えなかった。勝負どころでの反応が悪く上がって行けなかったところを見ると右回りは良くないようだ。これまでのレースぶりから能力があるのは確かだが、まだ馬体の線が細く、能力に馬体が追いついていない感がある。ジャパンCに向けてAR共和国杯で巻き返しを期待したい。

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