デイリー杯2歳S
レース回顧

リディルはスタートして後方に控え、4コーナーで大外を回って直線に向くとメンバー最速タイの33.8秒で鋭く伸びてレースを制した。前走の先行抜け出しから一転、控える競馬で末脚の威力をアピール。小牧騎手は差しても勝てると自信満々の騎乗だった。この日は内を通って前に行った馬が有利な馬場。2着のエイシンアポロンとはクビ差だったが、大外を回って追い込んでことを考えると着差以上に強い内容といえる。やはりこのメンバーでは力が違ったようだ。デイリー杯2歳Sで直線だけで追い込んで連対した馬は後の重賞で活躍する傾向がある。パドックでは馬っ気を出すなどまだ煩い面が見せていたが、一戦ごとに馬体、気配は良くなっている。次走は朝日杯FSに向う予定。小牧騎手&橋口厩舎のコンビは04年のデイリー杯2歳Sをペールギュントで今回と同じような追い込みで勝っている。朝日杯FSは1番人気に支持されたが、後方から追い込んで3着だった。リディルは前走先行して勝ったように自在性がある。その点でトリッキーな中山にも対応できそうだ。

エイシンアポロンは2番手からしぶとく伸びてクビ差の2着。前走は前に行けず終始外を回って自滅したが、今回は小牧騎手から乗り替わった池添騎手がスタートを決めて持ち味のしぶとさを引き出した。レースのラスト3Fは11.7−11.4−11.8秒。最後まで11秒台でまとめて自分の力は出しており、リディルが強過ぎただけ。まだ馬体は少し太く映るが、ジャイアンツコーズウェイ産駒でまだ変わる可能性がありそうだ。現時点では決め手のある馬に切れ負けする懸念があるが、開幕週など前が残りやすい馬場のときは注意したい。

ダノンパッションは出遅れて最後方を進んだが、内を上手く立ち回って直線入り口で前を射程圏に入れたが、最後のひと伸びがなく0.1秒差の3着。武豊騎手が出遅れをコース取りで上手くカバーしたが、それでも差し切れなかったように現時点ではリディルとは差がある。馬体が12キロ減っていたが、それほど細くはなかった。滞在競馬と輸送競馬の違いもあるのだろう。母はディープインパクトの半姉。良血馬特有の柔らかいフットワークで走る馬だが、まだ馬体に芯が入り切っていない。そこをクリアできないと底力負けの懸念が残る。

フローライゼは大外枠スタートから中団を進んだが、直線で全く伸びず8着。初の右回りで馬が戸惑ったのか、ずっと右にモタれながらフワフワと走っていた。新潟2歳S2着馬だが、あまりに不甲斐ない内容。馬体、気配はキープできていたため、調子落ちではない。新潟2歳Sで好走した馬は3着クロフォードが芙蓉S6着、4着ギュンターが芙蓉S11着に終わっている。岩戸厩舎の管理馬は東スポ杯2歳Sのフサイチアソート、京王杯2歳Sのゲットフルマークスなど、2歳重賞で穴をあけてその後不振に陥る馬が多い(一発屋)。

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