秋華賞
レース展望

牝馬3冠の最終戦。過去10年で1番人気は[2−2−1−5]で4連対。単勝2.5倍以内の1番人気は[2−2−0−1]に対し、2.6倍以上は[0−0−1−4]で連対なし。オークス連対馬は[0−0−0−3]で連対がないが、2冠馬ブエナビスタには通用しないか。2番人気は[5−1−1−3]で6連対、3番人気は[0−1−1−8]で1連対のみ。馬連は10倍以下が4回、万馬券が3回と堅いか波乱両極端。人気馬に死角があれば思い切った馬券作戦が有効。

連対馬20頭のうち18頭が前走5着以内。前走6着以下は[1−1−3−63]で巻き返した2頭は重賞勝ちの実績があった。前走大敗馬は重賞実績がないと厳しい。昨年はフラワーC勝ちがあったブラックエンブレムがローズS15着から巻き返し、3連単1000万馬券を演出した。連対馬20頭のうち8頭が追い込み馬。8頭のうち7頭は前走ローズS3着以内でそのうち6頭は上がり3Fがメンバー最速だった。今年はローズS2着のレッドディザイアがこれに該当する。

ブエナビスタは阪神JF、桜花賞、オークスを完全制覇。まだ牝馬には先着を許していない。デビューから上がり3Fは全てメンバー最速。桜花賞、オークスではレッドディザイアをゴール前できっちり捉えた。札幌記念は後方から捲くって直線でしぶとく伸びたが、クビ差の惜しい2着。3、4コーナーでマツリダゴッホに外から先に動かれれて追い出しが遅れたことが応えた。2着に負けたが、直線の短い小回りコースで走った経験は大きい。人馬とも秋華賞のイメージを掴んだか。

札幌記念の後、右前脚の蟻洞が判明したが、早期発見のため削蹄で処置。爪が伸びてからは順調に調整され、1週前はウッドで3頭併せで一杯に追われた。このレベルの馬になると普通に仕上がれば力は出せるが、まずは最終調教の動き、気配に小さな変化がないか注目したい。勝てばメジロラモーヌ、スティルインラブに次ぐ3頭目の3冠牝馬。松田博厩舎は1993年に2冠馬ベガが3冠を逃したが(ベガはベガでもホクトベガ)、今年と同じように桜花賞とオークスの2、3着馬は同じ馬だった。安藤勝騎手は小細工しない。

レッドディザイアはブエナビスタが強過ぎただけで普通の年なら2冠馬。それも4戦4勝で無敗の2冠馬だったのではないか。オークスは直線で抜け出すのが少し早かったが、あの位置から差したブエナビスタを褒めるべきだろう。ローズSは中団の後ろから大外を回ってメンバー最速の34.0秒で伸びたが、ブロードストリートを捕まえられずクビ差の2着。外からミクロコスモスに早めに来られたことで追い出しが遅れ、人馬とも焦ったのか、最後まで逆手前で走ったことが応えている。

ブロードストリートに上手く立ち回れたが、末脚が切れるブエナビスタなら差し切っていたのではないか。それでもディープインパクトと同様に馬体が大きく変わらないブエナビスタとは違い、レッドディザイアは馬体に実が入ってバランスが良くなり、春より全体的に力強くなっていた。秋華賞は直線の短い京都内回り。デビューから全て直線の長いコースを使われており、直線の短いコースに少し不安があるが、四位騎手がどう乗るか。エルフィンSでは内を突いて馬群を捌いてきた。

ブロードストリートは春はブエナビスタに完敗だったが、ローズSでまずはレッドディザイアを完封した。前半5F58.1秒の速い流れで上がり3Fをメンバー2位の34.2秒でまとめて、1分44秒7でレコード勝ち。立ち回りが上手く好位から切れる脚を使える持ち味を藤田騎手が上手く引き出した。ローズSは直線の長い阪神外回りだったが、秋華賞は直線の短い京都内回り。展開にもよるが、さらに持ち味を生かせるのではないか。休み明けでレコードで走った反動がないことが条件。

ミクロコスモスはひと息入れて立て直した大倉山特別をメンバー最速の33.8秒で差し切り勝ち。小回りコースで新たな面を見せた。ローズSは出遅れて後方から捲くったが、ラスト1F過ぎで止まって4着。阪神外回りであれだけ強引に上がって行くとさすがに最後まで持たない。武豊騎手は秋華賞の出走権を確保するというより、ミクロコスモスが使える脚を測ったのではないか。持続力より瞬発力に優れたタイプで今回は直線の短い京都内回り。先週のウオッカはG2で2着だった。

モルガナイトは休み明けを除くと3戦3勝。2走前の500万条件は1分45秒1でレコード勝ち。2着ボンバルリーナはローズSで0.7秒差の5着に入った。前走の夕月特別は中団からメンバー最速の34.8秒で差し切り勝ち。レースのラスト3Fは尻上がり、勝ちタイム1分59秒2は今年の阪神芝2000mの最速タイムだった。京都芝2000mは新馬戦を尻上がりラップで勝っている。サンデーの肌に父アグネスデジタルは札幌記念を勝ったヤマニンキングリーと同じ。前走馬体減、テン乗りの秋山騎手が鍵。

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